いまや死語ともいわれる「札チョン」。かつて札幌で生活するある人た
ちのことを指して呼ばれた言葉です。札幌みそラーメンと何のつながりが
あるのでしょうか。
札チョンとは
「札幌チョンガー」の略語です。1950年代後半以降本州大手企業の札幌
支店開設が相次いだことにより、会社員の多くが妻子を残して札幌に単身
赴任してきたのです。札チョンとはそんな男性のことを指しています。チ
ョンガーというのは、朝鮮語で独身男子(総角)という意味です。
「札チョン族」という言葉はそのころ、ススキノ地区ではじめて使われ
るようになり、それが広まるきっかけとなったのは週刊誌や、吉行淳之介
氏
「札幌夫人」(1963年)という小説であるといわれています。とはいえ、札チョン
は明治の開拓時代から見られました。岩村通俊が東京に妻子を残して札幌
本府開拓のため札幌にやってきたのです。
現在も札チョンという名前を残しているのが「札チョン共和国」です。
これは何かというと、札幌の単身赴任者で1985年に結成されたのが前身の
グループです。重松清氏
「お父さんエラい!単身赴任二十人の仲間たち」
でも登場しています。
札幌みそラーメン生みの親
1963年末、待望の
「みそラーメン」が開発され発売されました。醤油味
がメジャーであり、味噌味のラーメンというのはそれまでなかったのです
が、みそラーメンを生んだのは札チョン族のおかげともいえます。
札幌の老舗ラーメン店「味の三平」に1950年代後半、単身赴任の男性客
つまり札チョンが多く訪れていました。それで家庭の味、特に味噌汁がほ
しいという声に応えて「豚汁」が登場。続いてある客が豚汁に麺だけ入れ
てほしいというので「豚汁ラーメン」が登場。
そんなわけで、味噌味のラーメン開発がスタートしたというわけです。
しかし当時の麺はまっすぐだったし、ラードが原因でスープに幕を作って
いて熱さを保っていたことで、ふーふーしたので、その間スープが落ちて
しまうのでした。そこでスープを保持するために西山製麺とともに縮れ麺
を考案し、この「札幌縮れ麺みそラーメン」が全国的に有名になっていき
ました。