北海道の夏はどこが涼しいのか?

NO IMAGE

国内でも緯度が高い北海道も夏の暑さの厳しさが増しています。夏には”避暑地”的な場所に行ってみるのがよいでしょう。標高の高い山の中で木々に包まれたところは比較的涼しいので、そんなところにキャンプ場があれば最高です。湖畔や水辺ならなおGood。道内の避暑地といえばどこを思い浮かべますか?

標高が高いがゆえに夏に涼しい地域としては、北海道の背骨・日高山脈から大雪山系連峰を経て、天塩岳北部までに至る地域です。そのほか、暑寒別周辺、支笏湖西部~真狩・喜茂別地域も涼しい場所になります。

地域で言うなら、内陸の鶴居・標茶・別海・中標津を除く釧路・根室管内は夏に涼しい場所として知られています。最北の稚内も涼しいほうですが、それよりも道東の太平洋側東部に注目できます。たとえば根室市では、8月でも最高気温平均が21度以下、最低気温平均は14度以上という比較的冷涼な地域です。根室でも釧路でも真夏日(30度越え)はめったにありません。

そこで、そのことを証明するため、気象庁の過去の統計資料(1971~2000年)から、8月に平均気温18度未満の涼しい地域をピックアップしてみました。道東ばかりが名を連ねます。ちなみに札幌市で平均22度、函館市で平均21.7度、旭川市で平均21度となっており、大都市・釧路で8月平均17.8度というのは全国でも例がありません。札幌に比べて3~4度低く、東京でいえば5月の気温に相当します。

1971年~2000年の8月に平均気温18度未満の地点別平均気温

地点過去平均気温最高気温平均最低気温平均
浜中榊町16.9度20.1度14.1度
根室17.3度21.2度14.6度
えりも岬17.4度19.1度15.9度
上士幌糠平17.5度22.4度13.2度
厚岸太田17.6度21.2度14.6度
標津17.7度21.2度14.8度
阿寒湖17.7度22.1度13.7度
弟子屈17.7度21.7度14.4度
釧路17.8度20.9度15.4度
白糠17.8度21.3度14.7度

注意したいのは、たとえば釧路市といっても阿寒町になれば平均気温が若干高めですから、あくまで海沿いでは低め、ということになります。あとは高標高地ですが、統計資料がないため上記データには含めることができませんが、標高がけっこう高いと涼しいとほぼ断定できます。8月の避暑地選びの参考にしていただければ幸いです。

道内の避暑地といえば釧路を目指そう!

夏でも涼しい道内の地点はどこか、ということについてはこちらの記事でも触れている通り、太平洋側沿岸東部、つまり釧路・根室管内の太平洋側が8月になると全体的に涼しいようです。暑いのが苦手な方は、ぜひ釧路へ!

釧路市は道内4位の人口を擁する大都市です。この釧路を中心に、沿岸部が夏に非常に冷涼になります。港街ですので標高が高いわけではありません。むしろ、涼しい要因の一つに、夏季に特に発生しやすい海霧をあげることができます。日本のロンドンといわれるほど、霧発生日数が多く、直射日光が地面に届くのを妨げています。

そんな釧路市の行政・商業・観光団体等では近年、釧路避暑地宣言ということでの活動が多くなってきています。「くしろドットコム」は「東洋のスイス」と称し、東洋でも珍しい冷涼な夏という強みを生かしてみようということで、避暑地釧路を売り込もうとしています。

釧路では、8月に30度以上の真夏日を観測することはめったにありません。夏日すら全国他地域とは比べ物にならないほど極端に日数が少ないとされています。霧が多いので湿度は高いですが、気温が低いので特に不快には感じません。

このように、釧路周辺沿岸部は夏には絶好の避暑地としての条件を兼ね備えているというわけです。今まで特に注目されてこなかったほうが不思議なくらいです。とはいえ、釧路市では2007年度以降、涼しい釧路で避暑生活というプロジェクトを立ち上げており、首都圏からの長期避暑滞在を受け入れるべく、情報を提供してきました。

ただし、少しでも内陸になると、釧路市阿寒、鶴居村、釧路町、標茶町、弟子屈川湯温泉は海沿いとは異なり、夏日が多くなりますので注意が必要です。釧路市中心部、白糠町、厚岸町、浜中町、根室市の一帯が対象といえます。

全国の人が考える夏の避暑地

2007年6月にgooランキング編集部がgooリサーチモニターを対象にアンケートを実施した結果によると、夏の避暑地として滞在したいところとして、軽井沢、上高地、霧ヶ峰、箱根、那須塩原、富士山麓がランキングに名を連ねる中、北海道の観光地が上位にランクインしました。

このランキングによると、1位は北海道から富良野が選ばれています。2位には軽井沢ですが、3位に再び北海道から摩周湖・屈斜路湖。4位は上高地ですが、5位には北海道から洞爺湖が選出されました。

道民からすると、避暑地にふさわしいとはとても言えない盆地の富良野。なぜなら夏には盆地特有の、道内でも指折りの暑さを感じます。調査時期がラベンダー観光のシーズンを前にしていたことや、北海道自体が避暑地として言われてきているので、道内で最も人気の富良野に票が集まったものと思われます。

摩周湖や屈斜路湖といった弟子屈町の湖はやはり人気。夏には湖畔で過ごすのもいいものです。特に屈斜路湖は湖畔で水に触れることができますし、砂湯など温泉も多く点在しています。北の湘南といわれる伊達市の隣にある洞爺湖町の洞爺湖は、道東に比べるとそれほど涼しいわけではありませんが、しかし湖畔で涼むのもいいでしょう。

ほかにも自然が残る世界自然遺産知床は、道内でも名の知れた避暑地として言われてきました。確かに道東であり、標高によっては涼しいと言えるでしょう。羅臼湖トレッキング、羅臼岳登山など自然の中で楽しめることがいっぱいです。