とろっとジューシー 輝く豚まん!苫小牧発「B1とんちゃんの豚まん」

【苫小牧市】道の駅ウトナイ湖。そのテナントの一つ「プレジール」には、「B1とんちゃん」を冠するメニューが並びます。豚まん、しゅうまい、肉巻きおにぎり、ヒレカツサンドまで様々。中でも一番人気は、看板メニューである「B1とんちゃんの豚まん」で、同店店長・小野寺晶子さんが高校時代に考案したといいます。

実際に食べてみると、とろっと、ジューシーな肉汁がやみつきになるほど美味な豚まん!なぜこんなに美味しいの?そもそも「B1とんちゃん」って?若いパワーにより、苫小牧市植苗地区で産声を上げた豚まん、その人気の秘密に迫ります。

愛情たっぷりに育った「B1とんちゃん」だから美味しい

「B1とんちゃん」とは、1980年代以降、苫小牧市植苗地区で育てられているブランド豚のこと。ビタミンB1が豊富なことから命名されました。スタート当初は4~5軒の酪農家が生産していた「B1とんちゃん」ですが、生産者が年々減少し、現在は小野寺店長の実家が唯一の生産者となってしまったそう。大量生産はできませんが、道の駅でお肉を購入することができ、主に地元の飲食店や学校給食に供給されています。

「B1とんちゃん」の特徴、それは、低脂肪、高タンパク、臭みがなくあっさりした脂身だといいます。口どけがよく、噛み続けた後味に甘みを感じるほか、冷めても美味しい。それもこれも、生産者が「安心・安全に、健康な豚を育てたい」という想いをもち、愛情をたっぷり注いで育てているから。薬剤や添加物を使わずに自然由来の炭や乳酸菌で体調管理したり、一頭あたりの飼育面積を広げ、ストレスフリーで健康な豚を育てています。

苫小牧市植苗在住の高校生が立ち上がる!夢の豚まんは輝く豚まん

「B1とんちゃん」とともに育った小野寺さんは、小さい頃はハムやソーセージを作りたかったといいます。地元の中学校を卒業すると、「加工」を学ぶべく岩見沢農業高校食品科学科に進学。岩見沢の駅前の賑わいに心を動かされ、苫小牧の駅前の寂しさを感じていた高校一年の秋、小中学校時代の地元の友達と会うきっかけ作りにと、当時の同級生7名でグループを結成しました。

そんななか、コンビニの肉まんが好きなメンバーがいたことと、豚肉が手に入ることから、苫小牧の名物になるようなものを作ろう!と「高校生肉まんプロジェクト」を立ち上げることに。この思い付きで始めたプロジェクトが、「B1とんちゃんの豚まん」の第一歩でした。

目指すは、余計なものは使わず、体に優しく、子供が食べても安心・安全な「夢の豚まん」。ファストフード感覚でありながらも味が濃くなく、ジュワーっと肉汁があり、とろっとあんで包まれるあんかけのような粗挽き挽肉をイメージしており、小野寺さんは「輝く豚まんを作りたかった」と当時を振り返ります。プロジェクト始動後は、全国の豚まんを集めて研究したり、中華料理店で製法を学びながら豚まんの開発を進め、自ら手作り講習会を企画しながら試行錯誤し、製造委託先の協力を得て、ようやく完成しました。

こうして誕生した豚まんは、2003年2月のとまこまいスケートまつりでデビュー、300個を販売しました。その後もアンケートをもとに改良を進め、同年夏のとまこまい港まつりまでに、ほぼ現在の「B1とんちゃんの豚まん」に近い形に固まりました。こうして一年間のプロジェクトは終了、社会人となったメンバーはそれぞれの進路に進み、解散となりました。

地元に道の駅がオープン、念願の店頭販売へ

解散はしたものの、このままあの活動の成果を終わらせてしまうのはすごく寂しく感じていたという小野寺さん。友人たちが地元に帰ってくるきっかけ、集まれる場所を作りたい―。その思いを拭うことはできませんでした。

プロジェクトメンバーとは「いつかは店を持ちたいね」と話していたそうですが、それを阻んでいたのが調理師の資格でした。そこで小野寺さんは高校卒業後、札幌の調理師専門学校へ進学、その後、札幌市内のホテルのレストランに就職しました。

転機となったのは、地元植苗地区のウトナイ湖畔にできるという道の駅計画。高校時代の活動を評価していた街の方々から「道の駅でやってみたら?」と声がかかり、「必要としてくれている人がいるなら、名物になる夢、続けてみたい」と思うようになったとか。「地元に根付いてやっていきたい」という父の思いと後押しもあり、2009年10月、道の駅の一角に念願の実店舗「プレジール」をオープンしました。

当初は「B1とんちゃんの豚まん」「B1とんちゃんのシューマイ」「コロッケ」の3種類でスタート。オープン後、高校時代から知っていたというお客さんが来店、「初めての販売の時から応援しているよ」と覚えていてくれた時には、涙が出るほど嬉しかったといいます。

しゅうまいやホッキご飯、カクテル風ソフトドリンクにも注目

看板メニュー「B1とんちゃんの豚まん」は、「B1とんちゃん」の豚挽肉、たけのこ、しいたけを入れた、醤油ベースのあんかけ風で、肉の素材感を最大限に引き出します。ジューシーな豚肉ゆえ、水分が吸収されにくいよう生地にもこだわりがあります。ふわっともっちりしており、食べたとき「生地も一緒になくなる一体感」を大切にしています。

豚まん以外でリピート率が高いのは、「ホッキご飯」「B1とんちゃんしゅうまい」だとか。「ホッキご飯」は自ら生のホッキ貝をさばき、丁寧に下処理した出汁で炊いたご飯と、上に載せるホッキは別でやわらかく火入れ処理をするという、手間をかけたこだわりの一品。「しゅうまい」はふわっ、トロっとした食感とジューシーさが魅力で、小野寺店長も「B1とんちゃんのお肉らしさを楽しむならコレ」と太鼓判を押します。


バーのカクテルにヒントを得て小野寺さんが考案したドリンクは、グラデーションが美しく美味しいとこれまた評判。「ハスカップwithピーチ」「ゆずソーダ」「カフェゼリーミルク」などがある中で、「ウトナイ湖の夕日」はここウトナイ湖畔ならではの一品です。

実は道の駅からウトナイ湖に沈む夕日を見ることができないのですが、もし夕日が沈んだら……とイメージを膨らませたのがこのドリンク。ハスカップの濃い赤色とマンゴーのオレンジ色のグラデーションがまるで夕日を感じさせるアイデアドリンクです。「B1とんちゃんの豚まん」とのお得なセットもあるので、一度味わっていただきたいです。

豚まんの紙袋に手書きでイラストを描くなど、随所に愛情が感じられるプレジール。同店に置かれている「交換日記」には、来店客が書いたメッセージと豚のイラストがびっしり。小野寺さんの人柄も手伝ってか、ファンを着実に増やしていることは一目瞭然。また訪れて食べに行きたくなる温かさがそこにはありました。

今後は、「B1とんちゃん」を積極的にPRしていくことはもちろん、自身の過去の経験から、地元の高校生にも参画してもらったり、お菓子を含めさらなる商品開発を進めていきたいと考えているそう。苫小牧植苗発の取り組みにこれからも注目です。

【動画】竹中里佳さんが実際に味わってみました!

道の駅ウトナイ湖テイクアウトコーナー「プレジール」
所在地:苫小牧市字植苗156番地30 道の駅ウトナイ湖内
TEL:0144-58-2677
券売機スタイルで、購入後の飲食はウトナイ湖を一望できるセンターホールを利用できます。

シンガーソングライターRihwaも行ってきました!

実はプライベートでも寄ったことのある道の駅でしたが、北海道ファンマガジンの記事を見て初めて「B1とんちゃんの豚まん」の存在を知りました。ということで今回は、車を停めたら豚まん目掛けて真っしぐら!
優しい店員さんがすぐに出してくれた熱々の豚まんは、記事の通りアンがとろとろで、本格的な中華の味がしました! 同行したスタッフさんたちもみんなペロリでしたよ! 私も二個くらいいけちゃいそうでした! おいしかったぁぁぁぁあ!!!!!︎
帰りにウトナイ湖の穏やかな湖沿いで休憩する白鳥を眺め、写真を撮って、またひとつ思い出が増えました。