ラワンブキ、日本一の巨大フキ

雨が降ってきたら、フキを傘代わりにしてください。普通のフキじゃ小さすぎてちょっと無理ですね。でも足寄町(あしょろちょう)のフキなら、可能なんです。あのアイヌ伝説「コロポックル」になれます。

コロポックル??

説明しよう。「コロポックル」というのは「フキの下の人」といったような意味合いで、どこからか山の幸を運んでくる小人の神様。つまり小人気分になれるということですね。

とりあえずこちらの写真をまずはゴラン下さい。これは足寄町中心部、ちょうどふるさと銀河線の足寄駅&道の駅にある写真です。あの松山千春
さん(足寄町出身)が写っていますが、実物大のこんなパネルが駅内に飾ってあるのです。

大きすぎますよね。巨大すぎます。高さは3メートルにもなりますし、茎の直径は10センチにもなる「フキの怪物」です。国内で最も大きいフキになります。そんな巨大フキがわんさか自生しているのです(開拓時代は4メートルもの大きさのものもあったようですが徐々に小さくなってきています)。

巨大フキって何者?

名前は「ラワンブキ」。名前の由来は足寄町の東側にある螺湾地区(ラワンと読む)から来ています。町からはかなり離れているのですが、螺湾川上流であるその地区を中心に、自生及び栽培がなされています。

生育条件としては、まず湿地つまり谷地(ヤチ)であるということや、土質は砂質、そしてマンガン・ミネラル豊富な川などなど。螺湾川流域は大型の植物が生育しやすい場所で、どうやらその秘密は上流のオンネトー(北海道三大秘湖)にあるらしい……ということはわかっています。

収穫時期は6月中旬。かつては自然環境の変化などの要因で生産量が減少していた時期もありましたが、1988年、JAあしょろがラワンブキ増殖方法を編み出し、安定した栽培が可能になっています。

ちなみに「ラワンぶき」はJAあしょろの登録商標です。またラワンブキのブランド維持のため、種苗等は足寄町外に持ち出し禁止だそうです。

町中ラワンブキだらけ!

北海道遺産にも選ばれてますます有名に。いまや足寄町の名物で、北海道民は誰もが知っている存在になりました。。今も町をあげて売り出し中です。とにかく町中「ラワンブキ」だらけです。一例をあげてみましょう。

ラワンブキ直売所、ラワンブキ観賞ほ場、ラワンブキ農家によるらわんグリーン研究グループ、農業農村活性施設らわん蕗の里、ラワンブキ狩り、螺湾ブキ炊き込みご飯、フキの葉を使ったラワンブキ茶、ラワンブキそば、ラワンブキカクテル、ラワン蕗羊羹、ラワン蕗まんじゆう、ラワンブキのおかず宝螺蕗、らわんぶきの佃煮、フキ寿司、ラワンぶきソフトクリーム。

お味は?というと、ま、普通のフキですね。でも普通のフキよりもおいしく、ミネラルが多く含まれていることが知られています。大きい割りに茎もやわらかいので、煮物に使われることが多いです。ぜひ一度試してみてください。