北海道と言ったらカニ!毛ガニ・タラバガニ・ズワイガニ・花咲ガニをくまなく紹介

北海道のおいしい食材……と聞いて、まずカニを思い浮かべる人も多いのでは?そう、北海道はカニのうまい産地なんですね。「カニ王国北海道」と言われます。なぜかって、それぞれの種類のカニの水揚げ量日本一の港は北海道にあるからです。カニの日本一が多い北海道なのです。

しかも、北海道では一年のどの季節でもどこかでカニをとって水揚げしています。その中でも水揚げが多いのは稚内港や枝幸港を中心とした宗谷エリア、紋別港を中心としたオホーツクエリア、そして後志エリア。渡島エリアや花咲ガニで有名な根室エリアも上位に入っています。

そして都道府県単位で見てもどうどう日本一! でもでもここで衝撃的な事実が! 国内で売られているカニのほぼ4分の3はロシアやカナダといった諸外国からの「輸入カニ」なのだそうです。純北海道産のカニをぜひいただきたいものです。

ちなみに、輸入活カニは紋別市紋別港が、2009年まで4年連続で日本一に輝いています。特にズワイガニはロシア側の規制が緩いため他のカニより圧倒的に多く輸入されています。

カニの種類はすぐに言えますか?「タラバガニ」「毛ガニ」「ズワイガニ」の三大ガニ、「アブラガニ」……。そうですね。でも北海道ではもうひとつ決して忘れてはいけないカニがいますよ。それは「花咲ガニ」です。まずはこの「花咲ガニ」が人気の秘密に迫りたいと思います。

タラバガニ

さて、タラバガニ日本一と聞いて思い浮かべることができますか?実は北海道最北端、稚内市の稚内港なんですね。ここでのタラバガニ水揚げ量は日本一!北海道で売られているタラバガニのほとんどが稚内港で水揚げされたものだとか。

ちなみに水揚げされるメスは存在しません。というかとっちゃいけません。北海道で禁止されています。なのでタラバガニのメスがあればそれは輸入物と。いうことなのですねぇ。

なぜかというと、稚内市の地理的な要因です。稚内市はオホーツク海と日本海にはさまれている場所ですから、2つ漁場を持っているようなものなのですね。よって稚内港は水揚げ日本一と。さて遅ればせながらタラバガニのご紹介ですが、タラバガニ科です。

名前の由来は魚のタラがとれるような海域にいることから。北海道では北海道を取り囲む3つの海「オホーツク海」「太平洋」「日本海」でとれるようで、水温10度以下でないと生息できません。

「タラバガニ」vs「アブラガニ」!!

さて、これに類似したカニとして「アブラガニ」があります。こちらも同じくタラバガニ科で、オホーツク海を中心として生息しているわけですが、かつて「アブラタラバ」と呼ばれていました。一方タラバガニのほうは「本タラバ」と呼びます。

英名より、タラバガニがレッドキングクラブとも呼ばれるのに対し、アブラガニはブルーキングクラブ。北海道ではアブラガニの水揚げのほぼ100%が網走港で行われています。オホーツク海の流氷が去って海明けから年末まで漁が行われますが、特に海明け後の4,5月は甘味が強くなるので旬といえます。

実はこの両者、アブラガニとタラバガニですが、似ているんです。いや似てるってもんじゃない、似すぎてます。だから2004年にニュースで北海道を騒がせたように、アブラガニをタラバガニと偽って販売していたということが起きるわけです(全国初で排除命令)。実際に今でも小さな店では偽っているところもあるので注意!

じゃ、「タラバ」と「アブラ」の見分け方は?というと、実は「突起」ということになります。ここは違っています。甲羅の中央部、ちょうど一番後ろの脚の付け根同士を結ぶ線の真ん中から、一番後ろから2対目の脚の付け根同士を結ぶ線の間の中央部分ということになります。タラバガニは突起が6つあります。一方のアブラガニは突起が4つです。

そのほかにも、目と目の間の角で見分ける方法や、生の段階でですが、脚のラインを見てみると青みがかっていればアブラガニ、赤っぽければタラバガニ、という違いもあるのですが、茹でてあれば見分けはつきません。でもでも、アブラガニもタラバガニも同じくおいしいですので、あまり神経質になる必要はありません。カニ通にはこの言葉は通用しないでしょうが……。

「タラバガニ」やっぱりカニの王様!!

そんなカニの王様、タラバガニですが、肉質が柔らかくジューシー、そして脚も太いので身がたっぷり。ただし、タラバガニにはカニ味噌はありません。いや正確にはあるんですが、食用ではありませんので、たいてい抜き取ってあります。どうですか?タラバガニやアブラガニ。

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毛ガニ

え?毛ガニ日本一も北海道なの?そうです。北海道のオホーツク海に面する北見枝幸、枝幸町の枝幸港では、毛ガニの水揚げ量が日本一なんです。実は枝幸町は、「カニの街」として町をあげてがんばっています。だからカントリーサインもカニマーク。

それだけじゃないんです。普通に「おいしい」んです、ここのは。質もさることながら、美しさ(?)もカニ味噌も申し分ない、それが枝幸産の毛ガニというわけです。よって、値段も他の港産の毛ガニよりも高めです。なので一般庶民が食べるには料亭に行かないとダメですね。

毛ガニさんの紹介

毛ガニの紹介です。こちらはクリガニ科に属する毛が多いずんぐりカニで、北海道沿岸全域で地域は違っても年中水揚げされます。春はオホーツク海沿岸、夏や秋ごろまでは道東を中心に、そして冬を中心に太平洋沿岸部で多くとれるそうです。

名実ともに北海道を代表するカニで、身もカニ味噌もたっぷり味わえる、そんなカニですね。特にカニ味噌は、嫌いな人でもおいしいと絶賛するほど。とろけるおいしさのカニ味噌も、紋別産ケガニならでは。

なぜ枝幸産の毛ガニは良質?

さて、オホーツク海沿岸の枝幸町をはじめとする港でとれるカニはなぜ良質なのか……。その秘密は流氷にありました。毎年1月から3月くらいまで、オホーツク海を氷が埋め尽くすわけです。

そんな海では、プランクトンが多く繁殖するんです。となると、それをえさにするカニは上質と、いう按配です。だから毛ガニを食べるなら、うまみがたっぷり詰まったオホーツク海産のものを誰もがオススメするでしょう。

先ほど書いたように、日本一の毛ガニ水揚げを誇る枝幸町産のケガニは他のものにくらべて高いのであまり口にできません。なので、同じオホーツク海の紋別港で水揚げされた毛ガニは大変オススメということができます。庶民向け。当然「流氷」がありますので、質は大変良いものです。ぜひとも堪能していただきたいですね。

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ズワイガニ

なんと!ズワイさんも日本一が北海道に? こちらはクモガニ科で、日本海を中心にとることができるカニで、脚がすらっと長いのが特徴です。

名前の由来は「ずわえ」つまり木の枝が四方に伸びている様子から。内地のある地域では「松葉ガニ(鳥取県)」「越前ガニ(福井県)」と呼ぶらしいです。10月から年末までの期間が大変美味とされています。オホーツク海ではその後流氷で漁ができなくなります。

ところでズワイガニの日本一の水揚げを誇る港とは?オホーツク海岸紋別市の紋別港です。特徴は弾力のある身、まろやかでほんのり甘い風味。カニしゃぶ、カニのチャーハン、カニたまやサラダなど、他の料理に大変相性が良いので、料理に使いやすいですね。

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■ズワイガニ ポーション 生剥き身【どさんこファクトリー北海道】

花咲ガニ

「花咲ガニ(はなさきがに)」の自己紹介をお願いします。

「北海道の東側に住んでる花咲ガニじゃ。茶褐色のボディーのおいらは、茹でられると真っ赤になるんだと……あとは知らん」ということなので変わって紹介させていただきますと、根室市が本場のタラバガニ科のカニで、国内でも北海道の東側、つまり根室市やその近海、シベリア海あたりにまで生息しています。なので大変希少なカニということができるでしょう。

生では茶褐色ですが、茹でると花が咲くように真っ赤になるので「花咲ガニ」と呼ぶようになったようですが、その他に由来として根室市の太平洋側の根室港、通称花咲港(花咲岬とも)で多く水揚げされるということからついた名前のようです。実はこの花咲港では、国産花咲ガニのうち約8割が水揚げされています(要は日本一ってこと)。

実はボディーのトゲがすごいんです。大きなトゲが多いんですが、カニの種類では結構大きめのカニで、濃厚で弾力性あるぷりっとした身と、どことなくえびのような独特の風味があるのが特徴です。

どのカニにもまして、この花咲ガニが一番おいしい!と絶賛する人が居るくらいのおいしさなんです。数が少なく大変貴重なので、漁期間は夏~9月ごろと規制されており、毎年9月から10月ごろまでが旬で大変短い期間です。

根室市水産加工振興センターが2009年2月までに発表した検査報告は以下の通り。
・花咲ガニのオスの身つまり筋肉と液汁の比率が、6月下旬は五分五分、7~8月にかけて液汁が減少し、9月上旬には身が8~9割を占めるまでになった。
・プロリン(甘み成分)とアルギニン(うまみ成分)は9月上旬になるほど量が多い。

「花咲ガニ」を食べるには?

食べるには、特に根室まで行けば花咲ガニ専門店が軒を連ねていますが、道東の釧路あたりでも食べれます。そう、本場へ行かないといけません。スーパーでもお見かけしないので、ぜひ「行って」食べることをオススメしたいのです。

オススメはカニ爪。もうすみからすみまで身がたっぷり詰まっていて、得した気分になります。しかも身がきれいにとれるのでたべやすい。身だけでなく内子もおいしいと評判。

根室へ行って花咲ガニを……と思っても、旬でなければ「アブラガニ」とか他のカニに代替されていることもしばしば。ぜひとも「旬」の時期に、「本場」で味わってほしいものです。で、花咲ガニの料理店でも鉄砲汁(てっぽうじる)は必ず味わってほしいですね。花咲ガニは深い味とコクがあるのでこういうのに向いているんです。

カニ王国北海道だからできること!

カニの本場北海道で食べるカニ。これだけでもう贅沢です。カニ王国の北海道だからこそ、カニに関しては贅沢できるのです。家にいながら贅沢できればもっといいですね。インターネットの登場で大変便利な時代になりました。鍋に入れてもおいしいですので、北海道のカニをぜひお楽しみください!