知る人ぞ知る納豆モナカ! 富良野の冷凍食品「ナゥピー」とは?

突然ですが、「ナゥピー」(または「ナッピー」)という食べ物をご存知でしょうか。知る人ぞ知る地域限定の食べ物であり、実際に食べたことがあるなら、富良野市民や富良野にゆかりのある方かもしれません。「ナゥピー」っていったいどんな食品なのでしょうか。そのお味は?

「ナゥピー」は、アルファベット表記では「Now Pea」。富良野市で製造販売されている不思議な食べ物です。一言で表せば「納豆モナカ」という表現がふさわしい、北海道産納豆を使った冷凍食品です。

一般に、青色の北海道マークに「ナゥピー」と表記された水色パッケージで販売されています。紙製の箱を開けると、4個×2列=合計8個の「ナゥピー」が入っています。四角いモナカが一つ一つ透明の袋で包装されており、モナカの表面にもやはり「Now Pea」と刻まれています。一個のサイズは縦4cm縦5cmほど、約20gの小ささ。食べる前からモナカの美味しそうな香りが漂ってきますが、果たしてそのお味は?

一つ手に取り、透明の袋を破り、冷凍か半解凍(公式非公式問わず半解凍がオススメ)で冷たいままいただきます。半分噛んでみるとわかりますが、モナカの中には納豆がぎっしりと詰まっています。アイスのモナカをイメージしていただいて、中身がアイスではなく凍った納豆でできているというもの。凍っているため硬く、納豆なのでネバネバも健在ですし、味も納豆そのものです。醤油や調味料で多少味付けしています。このあたりの味付けや硬さも、初期の頃に比べだいぶ改善されています。

パッケージによれば、「世界に誇る自然食―容器ごと食べられる!!高級味付冷凍納豆」との売りで、裏面には「栄養価の高い納豆をモナカにいたしました」とあり、とにかく素晴らしき納豆を手だけで手軽に食べやすくしたアイデア商品ということ。「お子様のおやつ、お酒のおつまみにどうぞ」とのことで、老若男女問わず食べてほしいとの思いが伝わってきます。

原材料:納豆(北海道産大豆・納豆菌)、醤油(小麦を含む)、調味料(グルタミン酸ナトリウム)、コーン(小麦粉・コーンスターチ・大豆油・ベーキングパウダー・着色料[黄色4号・黄色5号])
内容量:160g(20g×8個)
保存方法:-18度以下で保存
価格:600円

学校給食に出されてきた「ナゥピー」

現在「ナゥピー」を製造するのは市内西麓郷の加工所イマジン(今利一)ですが、生みの親は、富良野市学田3区にあった納豆メーカー・株式会社富士食品。昭和24年創業以来、業務用納豆を始め、納豆が苦手な人も食べやすい納豆関連商品を数多く世に生み出してきましたが、2009年に破産してしまいました。「ナゥピー」は昭和38年デビューですが経営破たん時に消滅することなく、現在も加工所イマジンが製造を引き継いでいます。

「ナゥピー」または名称変更前の「ナッピー」は、富良野市内では広く浸透しており、知らない人はいないくらい。なぜかというと、富良野市内では学校給食に定期的に出されていたからです。というより、学校給食用に開発された食品なのです。

富良野市民によれば、時代によりますが、月に1~2回ほど出されていた時もあるとか。納豆モナカは富良野市以外でも、小樽市や、隣接する芦別市など道内の一部地域で一時的に学校給食に登場していた時もあるようです。しかし、子供の口にはお世辞にも好評とは言い難く、残す人が多かったりと、人気は二分されていたようです。

学校給食で不評だった「ナゥピー」は、現在ではインターネット販売もされており、富良野市外・道外にいても手軽に食べることができます。気になった方は是非入手してその味を確かめてはいかが?(※富良野市内で行きやすい場所としては、フラノ・マルシェ内の物産店の冷凍コーナーの片隅に陳列されています。富良野に行く際は是非。)