北海道はカントリーサインが面白い

 「カントリーサイン」と聞いてピンと来る方は、あの北海道が誇る人気
番組「水曜どうでしょう(HTB)」を見ていた方がほとんどかもしれません。

カントリーサインとは?


 北海道外では「市町村標識」と呼んだ方がわかるかもしれません。その
名の通り主要道路上の市町村境界にたっている標識です。「ここから○○
市(または町・村)ですよ~」とお知らせしてくれる看板標識です。

 北海道の場合は1990年以降、全市町村の境界線、国道や道道に設置されています。国道にあるものは北海道開発局が同局の負担で設置しており、1つ約30万円もします。縦
長で、下3分の1に市町村名及び英字表記、上3分の2はその市町村の名物・
名所・シンボルを図柄で紹介しています。これは北海道全市町村で概ね統
一されている規格です。

 これを北海道では「カントリーサイン」と愛称をつけています。道内、
そして全国へと広めたのは紛れもなく「水曜どうでしょう」の企画の一つ、
「212市町村カントリーサインの旅」(第44回1997/8/13~第47回1997/9/3及
び第61回1997/12/10~第63回1998/1/14)。

 この企画、地元北海道を紹介しようということで始まりました。全212の
カントリーサインカードをくじ引きのように引き、出たカードの市町村へ
行く、着いたらまたくじ引き……という疲れる企画でした(後に番組の名
物企画として知られるように・ただし212完全制覇は成し遂げずに終了)。
これをきっかけに北海道内カントリーサインめぐりが道民を中心に楽しま
れるようになり、「カントリーサイン」という名が定着しました。

北海道カントリーサインはこんなところにある!

 カントリーサインは市町村合併により減少しつつあります。当初212個
ありました(この記事を書いている時点で180市町村)。

 原則、国道や主要な道道の道路わきに立てられています(つまり農道に
はありません)。離島の4町は?というと、そこでも港などにきちんと設置
されています(利尻町(りしりちょう)・利尻富士町(りしりふじちょう)・
礼文町(れぶんちょう)・奥尻町(おくしりちょう))。

 市町村境界線はたいてい、自然の地形に従っています。河川でわかれて
いたり、山頂でわかれていたりします。なので必然的に橋やトンネル・峠
にカントリーサインが設置されることが多くなります。

・河川が境界線……橋の手前側か、渡った先に設置[例:月形町]・トンネルが境界線……トンネルの手前側か、トンネル抜けた先に設置
 [例:大滝村美笛(びふえ)・古平町(海岸沿いのトンネル)]・峠が境界線……峠の山頂休憩場付近に設置[例:上川町石北峠]・海が境界線……港付近に設置[例:奥尻町(おくしりちょう)]

補足:カントリーサインめぐり注意点!

 看板が統一されている規格と違うことがあります。たとえば一般国道・
道道のものと高速道路のものとは、図柄も含めて違うことがあります。
同じまちのカントリーサインでも図柄が異なる場合もあります。市町村合併、まちの名物の変更や廃止などを理由に、図柄が変更されることがあります。

 左側に立っていることがほとんどなのですが、札幌市~喜茂別町(きも
べつちょう)のように上にあるとき、洞爺湖町~壮瞥町(そう
べつちょう)のように右側にあるときもあります。また、カーブ途中でふい
に登場することもありますし、木陰に隠れて直前まで見えづらくなってい
ることもあります。市町村入口にあっても出口(逆方向)にない場合もあり
ます。見逃さないように地図で事前の調査が必要です。

 カントリーサイン設置場所によっては、駐停車が不可能なことも度々あ
ります。交通量が多い割りに道路と路肩が狭く……という場所もあった
りします(例:古平方面)。山地のトンネルにあるときも坂&前後にカーブが
多くて駐停車は厳しいです。無論、高速道路は駐停車禁止です。

 逆に、市町村境界近くにロータリー用広場があったり、河川沿いの土手
に砂利道があったり、路肩が広いとか、交通量が少ない道路では駐停車が
しやすいかもしれません。中には、境界線でもないのに道の駅の看板につ
いているところもあります。

 ドライブ・ツーリングでカントリーサインめぐりをされる方、がんばっ
てください!


全市町村カントリーサイン一覧

ミニチュアカントリーサインはゲットできる!?


 ちなみに、道内各「道の駅」でそのまちのカントリーサインミニチュア版を購入できます。1枚250円でマグネット式。裏にはその市町村のセールスポイントが掲載されています。右の写真のようなものです。カントリーサインは写真で撮っているから本当は必要ないんだけれども、購入してしまったのが数々。。。

 道の駅は全市町村にあるわけではありません。ですので、全市町村のカントリーサインミニチュア版を集めようとしても絶対に集まりません^^。ちなみに、道の駅が無くてもカントリーサインミニチュア版をゲットできる機会もあるようです。たとえば道南の大野町(2006年2月1日以降北斗市)では、道の駅がないのですが、特別に作成した経緯があります。といってもかなりのレアものですので、持っている人は数人程度でしょう(詳しくは大野町サイトをご覧ください)。

 また、平成の市町村大合併により、カントリーサインが消滅してしまうことも想定されます。上のミニチュア版の写真でいうと、白滝村が該当しますね。その他、旧恵山町(現在函館市)、旧砂原町(現在森町)、旧丸瀬布町(現在遠軽町)、旧阿寒町(現在釧路市)、旧大成町(現在せたな町)、旧大野町・旧上磯町(現在北斗市)、旧忠類村(現在幕別町)では、すでに市町村合併が行われてしまいました。さらに、大滝村は伊達市に、留辺蘂町は北見市に、三石町は新ひだか町に、鵡川町はむかわ町に、それぞれ変更になりました。