北海道で一番古い藤を知っているか? 樹齢200年「天神藤」が満開見頃

【札幌市】札幌市豊平区平岸の天神山緑地近くに、毎年6月上旬に見頃を迎える藤の名木があるのをご存知でしょうか。名前は「天神藤」で、なんと北海道最古といわれてきた藤の木。頭上一面を紫色の藤の花が覆い、その影の下は藤の花の香りに包まれるという、知る人ぞ知るスポットをご紹介します。

北海道最古の藤は樹齢200年!大木の幹が絡みつく!

「天神藤」があるのは、天神山緑地駐車場から徒歩約1分。[地図] 国道453号線沿いにある門を通ると、その先に巨大な藤棚が見えてきます。藤棚に入って右手中央には、絵になりそうなほど絡みつく太い幹。そこから上に枝が伸び、周囲25m四方の藤棚に、特に東側に広がっていきます。

▼入口。個人宅の庭に藤棚はある

▼見事な枝ぶり


北海道の藤のスポットとして、遠軽町丸瀬布「まるせっぷ藤園」、大樹町「柏林公園」、函館市「五稜郭公園」、札幌市「百合が原公園」「前田森林公園」がありますが、「天神藤」ほどの太い幹と藤棚の広さは、道内ではそれほどお目にかかれません。

実はここ、私邸の庭。開花時期に限って一般開放しています。1970年の時点で樹齢が150年以上とされていたため、現在の樹齢は200年近い計算になります。

伝えられているところによると、明治時代と思われますが、この地に開拓者が入植した際、内地(道外)から藤の盆栽を持ち込んで植え替えたといいます。その後も宅地化の波にのまれることなく切り倒されずに残り、現在まで成長を続けてきました。現在は両側を高い建物が取り囲んでおり、そのどちらにもくっつきそうな勢いで広がっています。


当時の札幌市長が命名した「天神藤」

見事な藤であるとして天神山の麓にあることにちなみ「天神藤」と命名したのは、1969年にこの地を訪れた札幌市長・原田与作氏(当時)。当時は樹囲1.5m、藤棚は8m四方でしたから、その後の半世紀でかなり大きく成長したことがわかります。

現在は「NPO法人天神藤を守る会」が引き継いで管理している「天神藤」。地域の人たちの手によって丁寧に手入れされています。藤棚の奥に続く庭にはツツジなどの花々も咲きます。なお、2015年の春は比較的温暖だったため5月下旬に早くも見頃を迎えています。あっという間に見頃を終えてしまうためお急ぎを。