十勝石ってなぁに?


 「十勝石」。たぶん十勝地方の方ならわかるかもしれませんが、道内の人でも
知っている人は少ないものです。読み方は「とかちいし」、その名のとおり「石」です。

 私は親戚が十勝にいるため、小さい頃
にこの”石”を道端で見つけ、たいへん興味を持ったことがあります。何がそんなに
すごいのかというと、石器のように黒く光っている魅力的な石だからなのです。

十勝石っていったい何者?

 実は正式名称は「黒曜石(こくようせき)」で、主な産地は北海道のほか、佐賀や
大分、長崎、熊本などの九州地区、長野、伊豆などにもありますが、日本一の
原産地はなんといっても北海道。その北海道内でも産地があり、白滝村、上士幌町
の十勝三股をはじめとする十勝北部、置戸町、赤井川村が黒曜石の四大産地

いわれています。しかしそのどこでとれたとしても、名称は「十勝石」と呼ばれており、
北海道では「黒曜石=(イコール)十勝石」です。

どうしてこんな石ができた?

 十勝石はどうしてできたのかというと、北海道中央の大雪山東の激しい火山活動
によって生まれた
ものです。前述の白滝村、置戸町、十勝北部はすべて大雪山系
連峰の東側に位置します。その火山活動で、ケイ酸分の多いマグマが急激に冷え
固まったもので、結晶も無い黒いガラス状の石なのです。

 だから黒くピカピカ光り輝く石器のようなものです。中には赤っぽい色を含んでいたり
するものもありますし、稀少ものとしては光に当てるとカラフルになるもので玲瓏
[れいろう]と呼ばれているものまであります。

 天然のガラスですから、割ると貝殻状に割れ、旧石器時代から石器となってきま
した。それも北海道の遺跡から採取されるものは大型でした。現在川原・山などで
拾うこともできますが、昔ほど多くないため、買ってもいいでしょう。道の駅しほろ
300円か500円で買えます。