暴走族は冬にどうしてるのか―北海道の「徒歩暴走族」の実態

北海道にだって、暴走族はいます。といっても大都市、特に札幌市に集中している程度です。夜中でもうるさく集団で暴走している暴走族ですが、道外ではこれが一年中、というところがほとんどでしょう。

北海道には雪のある冬の季節があります。暴走族は雪に弱いわけで、暴走行為も出来なくなります。道路は積雪、あるいは凍結ですから、危険です。それにエアロがついたりしている車高の低い車は冬に走れません。したがって冬季休業を余儀なくされます。地域によって積雪の違いがありますから一概には言えませんが。

ところで彼らが冬場になにをするのか、大変興味深いところでありますが、実は彼ら、冬は「徒歩暴走族(珍歩団・徒歩珍走団・徒歩族)」になるのです。

徒歩暴走族とは?

特攻服を着て、繁華街(札幌中心部では狸小路・大通りやすすきのなど)に出没し、迷惑な行為をする……これが徒歩暴走族です。寒い外だけでなく暖かい地下街も活用するとか。

迷惑行為とは具体的にどういう行為かというと、円陣を組んだり、集団でグループ名を発声するなど大声を出しながら、列をなしてぞろぞろと歩き回ります。ほんと、大きな声を出しているだけなのですがうるさく迷惑です。そんな北海道独特、名物のような特殊なグループなのです。

このようにみてみると、暴走していないわけですが、それでも名前には暴走族とちゃんと付いています。しかも車・バイクでの集団暴走とは大きくかけ離れています。道路交通法に触れないことが多いわけです。

彼らが本格的に登場するのは秋口で、以降冬から雪解けまで。しかし春から特に夏にかけて、通常の暴走族行為が行われるようです。北海道では「暴走族根絶条例」というのが2003年から始まっていますが、北海道警察も、徒歩暴走族取り締まりでは手を焼いているようです。

冬になったら暴走族はみんな徒歩暴走族になるというわけではありませんが、確かに冬になると暴走族のうるさい音を聞く機会はぐっと減ります。暴走族の事例からも分かるように、北海道の冬は、たいへん厳しいのであります。

※よい子はまねをしてはいけません