北海道アイヌ協会って何している団体?

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2009年4月1日、北海道アイヌ協会へと名称変更した北海道ウタリ協会。1930年設立以来、アイヌ民族最大の団体として活動してきました。協会会員は道内在住の約3500人。道内に49支部あります。北海道アイヌ協会ってどんな団体?

北海道アイヌ協会の沿革

 前身の設立は1930年。社団法人として認可されたのは1946年のこと。1961年に北海道ウタリ協会に名称変更し、2009年に設立当初の名称を復活させました。

1930年 北海道アイヌ協会設立
1946年 社団法人として設立(2月24日)・認可(3月13日)
1961年 北海道ウタリ協会へ変更(4月13日)
1988年 名称変更に関するアンケート実施
1997年 アイヌ文化振興法制定、旧土人保護法廃止
1998年 名称変更を論議
2007年 先住民族の権利に関する国連宣言採択
2008年 北海道アイヌ協会への名称変更決定(5月)、国会でアイヌ民族を先住民族とする決議(6月)
2009年 北海道アイヌ協会へ変更(4月1日)

 北海道アイヌ協会→北海道ウタリ協会→北海道アイヌ協会、そもそもなぜ名称を変更したのでしょう。「北海道ウタリ協会」への名称変更の際は、当時、アイヌという言葉が差別的に使われていたことに配慮して、「仲間」を意味する「ウタリ」を採用しました。

 1988年(アンケート調査)、1997年(アイヌ文化振興法制定・旧土人保護法廃止)、1998年と何度か名称変更の動きはありましたが、挫折。実現へ向けた動きが現実的になったのは2000年代。

 アイヌへの偏見や差別が薄らいできたこと、2007年の「先住民族の権利に関する国連宣言」もあり、2008年5月に「北海道ウタリ協会」から「北海道アイヌ協会」への名称変更を正式決定しました。こうして道外への権利獲得の動きを加速していきます。

北海道アイヌ協会の役割

 全国最大のアイヌ民族の団体で、道内在住者により会員が構成されており、道内に設置されています。公式サイトに記載されているところによると、協会の目的は「アイヌ民族の尊厳を確立するため、その社会的地位の向上と文化の保存・伝承及び発展を図ること」。明治時代以来続いてきた同化政策からアイヌの習慣を保護することが主でした。

 さらには、国の政策に関してアイヌの立場から提言することがあります。北海道内のニュースで、アイヌ協会としての意見が時々登場します。また、1997年制定のアイヌ文化振興法制定に尽力しています。アイヌに関する調査や情報収集、職業確立、教育振興も行っています。

 というわけで、アイヌ民族を守ることや発展のために活動しています。今後は「アイヌ全国協議会」の設立を目指しています。