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アイヌと音楽・文芸文学

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アイヌと音楽・文芸文学

 ユーカラ、ムックリ、トンコリ。これらが何か分かりますか?いずれもアイヌ民族の音楽や文芸文学に関連する用語です。歌には「ウポポ(座り歌)」、「リムセ(踊り歌)」(サロルンリムセ、エムシリムセなど)、子守唄(イヨンノッカ、イフンケ)、自己紹介の歌「ヤイサマ」があります。

ユーカラ・ウエペケレ

 「ユーカラ」は有名な言葉でしょうか。叙事詩と訳されます。アイヌには文字がありませんでしたので、すべて口頭で伝えてきました。それで、誰かから聞いたものをそのまま真似て聞かせる、という意味合いを含む「ユーカラ」または「ユカラ」と呼ばれてきました。

 ユーカラは2つの種類に大別できます。1つは「カムイユーカラ」つまり「神謡」で、神が主人公のお話。一部地域では「オイナ」と呼ばれる聖伝があります。カムイユーカラはイオマンテ(熊送り)でも半分語られることがあります。もう一つは単に「ユーカラ」(英雄詩曲)で、人間が主人公です。ヤイラプ、サコロベ、ハウキなど地域により呼び方が異なります。

 さて口承文学には、ユーカラのほかに「ウエペケレ」があります。散文方式の物語であるのが、ユーカラとの最大の違いです。そして内容は先祖の体験談といえるでしょう。トゥイタクという地域もあります。

ムックリ

 アイヌ民族が使う代表的な楽器の一つです。主に女性が演奏します。竹でできていて、口琴のような楽器です。演奏方法は竹の薄い板についている紐を引っ張って竹板の弁を振動させ、さらに口で共鳴させるというもの。ビヨーンビヨーンという音と倍音を変化させることができるのが特徴です。

 長さは15cmほど、幅は1cmほどの竹製板。幅は左右で異なりますが、幅が広いほうを右側に持ちます。先述した弁の紐は幅が広いほうにあります。逆側(幅が狭いほう)にも紐がありますが、それは楽器を手で固定するためのもの。

トンコリ

 アイヌの代表的楽器の一つで弦楽器です。基本的に五弦です。曲線部がない指板だけの直線型のギターと思っていただければと分かりやすいかと思いますが、それをチェロのように縦または斜めに構えます。しかし、音階はすべて開放弦のため最大5音のみです。

 楽器はエゾマツ、オンコなどの木材から切り出され制作されます。弦はどうやって調達したかというと、動物のアキレス腱、イラクサなどを使って制作していたといいます。

 楽器各部の名称はトンコリが女性の体になぞらえていることからネックは首、調弦ピンは耳、最下部のとがった部分は足などと呼ばれます。ヘソ(ハンカプィ)もあるのですが、そこにガラス球(ラマトフ)を入れることになっています。

 現在、トンコリを使った音楽グループを結成している人もいます。「OKI」や兄弟ユニット「K.D earth」はトンコリを演奏しています。

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