北海道の地ビールはこんなにあった!そのラインナップを一挙紹介

全国には、約150社の地ビール会社が存在しています。地ビールとは、地酒にならってその土地のビール、つまり地元産の原材料でつくり地元で飲まれる、その土地に根ざしたビールといったような意味です。

北海道は地ビール国内第1号の地でもあり、豊富な地ビールに恵まれた地でもあります。北海道の地ビールの歴史と、そのラインナップをご紹介します。

目次

国内地ビール第一号は北海道だった!?

オホーツクビールが国内第一号

民間初のビール醸造が始まった札幌。後にサッポロビールへと発展することになる原点は、明治時代の札幌でのことでした。このように、北海道はビール製造に適した地であり、明治時代からビール製造が盛んに行われてきました。

今でも、全国の地ビール会社の1割程度は北海道だと言われています。しかも北海道の地ビールは質が高く、様々なイベントで数多くの受賞をしているのです。したがって、北海道は地ビール王国といえるでしょう。

ビールといえば、全国区の大手企業が作るものというイメージが長く続いていました。それは、酒税法によりビール年間最低製造量という規定があったためで、小規模企業では参入が困難だったことがその理由でした。

オホーツクビールと網走ビール

しかし1994年に酒税法が改正され、ビール製造の規制緩和が行われました。ビール年間最低製造量が2000KLから60KLに大幅に引き下げられたのです。この法改正が、全国各地で小規模醸造所が生まれるきっかけとなり、ピーク時は全国に300社以上の地ビールが存在しました。

そんな規制緩和を受けて、法改正後初めてビール製造免許申請をしたのが、北見市の「オホーツクビール」でした。法改正当日の4月1日に国税局に免許申請し、同年12月9日に免許取得(永久免許は1998年)。新潟県のエチゴビールと共に第1号となっています。なお、同年2月16日にエチゴビールが営業開始しているため、日本初の地ビール市販はエチゴビールに座を譲っています。

道内各地に様々な地ビールが誕生

その後、道内には地元特産品を原料にした趣向を凝らしたビールが続々誕生することになります。特に道内はビール造りに欠かせない良質の水資源があり、南は函館市から北は旭川市、東は釧路市まで、1990年代後半のピーク時には最大38カ所のビール醸造所が誕生したと言われています。

しかし、2000年代に入ると休止・廃業・免許返上が相次ぎ、20か所を割り込みました。近年は、札幌市中央区の「月と太陽ブルーイング」のように、クラフトビールの醸造を行う飲食店が登場してきました。

北海道地ビール醸造所リスト

では、北海道に地ビール・クラフトビールの醸造所はいくつあるのでしょうか。下記がその一覧です。

名称市町村開始年醸造会社
オホーツクビール北見市1995年オホーツクビール株式会社
網走ビール網走市1998年網走ビール株式会社
鬼伝説登別市1998年株式会社わかさいも本舗
小樽ビール小樽市1995年株式会社アレフ
おたるワイナリービール小樽市1997年北海道ワイン株式会社
小樽麦酒小樽市2004年北海道麦酒醸造株式会社
ニセコビールニセコ町2002年有限会社グリーンプランニング
大沼ビール七飯町1997年株式会社ブロイハウス大沼
はこだてビール函館市1996年株式会社マルカツ興産
開拓使麦酒札幌市1876年株式会社札幌開拓使麦酒醸造所
薄野地麦酒札幌市1998年薄野地麦酒株式会社
月と太陽ブルーイング札幌市2014年月と太陽ブルーイング
澄川麦酒札幌市2017年澄川麦酒株式会社
石狩番屋の麦酒石狩市1999年
2005年
日本地麦酒工房株式会社
ノースアイランドビール江別市2003年SOCブルーイング株式会社
ピリカワッカ千歳市1998年株式会社耕人舎
大雪地ビール旭川市1996年大雪地ビール株式会社
富良野地麦酒富良野市2000年有限会社唯我独尊
HOP KOTAN ORIGINALS上富良野町2018年忽布古丹醸造株式会社
えんがる太陽の丘ビール遠軽町1999年株式会社遠軽農業振興公社
十勝ビール帯広市1997年十勝ビール株式会社
帯広ビール帯広市1996年株式会社帯広ビール
旅のはじまりのビール帯広市2016年HOTEL & CAFE NUPKA

それでは、ここから道内各地の主要な地ビールをご紹介しましょう。

北海道の地ビールを飲み比べ

【動画】北海道の地ビールを飲み比べてみました

(出演:石黒亜実・山下ゆきこ/協力:北海道庁)

国内初の地ビール「オホーツクビール」(北見市)

1994年に酒税法が改正になり、全国各地でオリジナルの地ビールが製造しやすくなったことに伴い、法改正の4月1日に国内で初めてビール製造免許申請を行ったのがここ北見市のオホーツクビールでした。

免許を取得したのは同年12月9日で、エチゴビール(新潟県)と共に国内第1号。1995年1月25日にピルスナー・エール・黒の3種類をもって日本初の地ビール試飲会を開催、そして3月17日に醸造所併設レストランの営業開始を迎えました。1998年3月には永久免許を取得しています。

オホーツクビールの麦は地元産にこだわり、麦芽は主に北見市端野産の二条大麦から作っています。ホップはドイツ・ハラタウ産、チェコ・ザーツ産のものを使っていますが、副原料を一切使わず、麦芽・ホップ・酵母、そして水だけで手間をかけて手作り。ピルスナータイプだけでなく、マイスターの自由な発想で、イギリスの伝統的なビールをはじめ、女性にオススメのフルーティーなビールなど、様々なタイプのビールを醸造しているのが特徴です。

オホーツクビールが製造するビールの種類は、「オホーツクエール」「オホーツクピルスナー」「オホーツクヴァイツェン」「オホーツクマイルドスタウト」の定番4種類、オホーツクビアファクトリー限定「オホーツクエール濾過前」1種類、合計5種類のほか、季節限定のもの、年間2・3種類の新作ビールがあり、全体として毎年10種類程度のオールモルトビールを醸造しています。

オホーツクビールのエール

オホーツクエール
イギリス伝統のエールスタイルで、上面発酵の中濃色ビール。香ばしい風味、コクがあり、味が濃い肉料理等によく合うビール。アルコール度数約5.5%。

オホーツクビールのピルスナー

オホーツクピルスナー
チェコのピスルナーをアレンジした、口当たりの良いスタンダードタイプの下面発酵の淡色ビール。麦芽とファインアロマホップの香り・風味が感じられる。アルコール度数約4.8%。

オホーツクヴァイツェン
小麦麦芽を50%以上使用した淡色ビール。麦芽を上面発酵で醸造したフルーティーなビールで、独特な風味があり、さっぱりして苦味は弱く飲みやすいため、ビールの苦手な人にもオススメ。アルコール度数約5%。

オホーツクマイルドスタウト
ローストした黒麦芽を上面発酵で醸造したスタウトスタイルの濃色ビール。苦みを抑え、その名の通り全体的にマイルドな味わいに仕上げているので、黒ビールが苦手な人も飲みやすい。アルコール度数約5%。

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流氷DRAFTが大ヒット「網走ビール」(網走市)

網走市の地ビール「網走ビール」は、東京農業大学に小麦ビール研究を委託したことに始まります。その後1994年に大蔵省がビールの製造基準を引き下げたことで、東京農大が日本で初めてビールの試験製造免許を取得しました。

地ビール研究会は企業化の方向へ進み、1998年に網走ビール株式会社を設立させました。1999年に網走ビール館を開業、2007年7月には「YAKINIKU網走ビール館」がリニューアルオープンしています。

流氷ドラフトが有名な網走ビール

網走ビールの最大の特徴は、地元オホーツク産の様々な副原料を積極的に用いていること。帆立や牛乳にとどまらず、冬の流氷をイメージし流氷を仕込み水に使用したオホーツクブルーの発泡酒「流氷DRAFT」がご存知大ヒット。2008年2月発売半年で10万本を売り上げ、地ビールとしては異例の大ヒット商品となりました。

その後、春夏秋冬シリーズとしてはまなすを副原料にした「はまなすDRAFT」等、カラフルな発泡酒を次々とデビューさせてきました。2010年度には地ビール出荷量道内一を記録しました。

ビール醸造に際しては、国内では珍しい三釜方式を採用。ドイツの伝統的な醸造法「デコクション法」を採用していることで、味わい深いコクや風味のあるビールを製造することに成功しています。

流氷ドラフトが有名

看板商品は2008年発売の「流氷DRAFT」。美しいオホーツクブルーの色と飲みやすさから話題となり、売れすぎて国内地ビール史に残る大ヒット商品となりました。春夏秋冬シリーズ4種類は冬の「流氷DRAFT」を筆頭に、夏の「はまなすDRAFT」(赤)、春の「知床DRAFT」(緑)、秋の「じゃがDRAFT」(紫)とカラフルな発泡酒が発売されています。

その他、2012年にモンドセレクション銀賞を受賞した「プレミアム」、YAKINIKU網走ビール館で提供される「ピルスナー」「ヴァイツェン」のほか、2011年記念発売の「蝦夷共和国ビール」(榎本武揚記念ラベル、ピルスナー・ヴァイツェン)、置戸町とコラボした「ヤーコンドラフト」もあります。

流氷ドラフト

流氷DRAFT
オホーツク海の流氷を表現したオホーツクブルーの青い発泡酒。天然色素はクチナシを使用。ナガイモを使用し泡立ちを良くしたきめの細かい泡もほんのりブルーなので、流氷を感じさせる。苦みを抑えたすっきりした味わいのビールなので、ビールが苦手な人でも飲みやすい。アルコール度数約5%。誕生の経緯

はまなすドラフト

はまなすDRAFT
冬の流氷をイメージした「流氷DRAFT」に対し、オホーツクの夏をイメージした第2弾。ハマナスの花の鮮やかな「ルビーレッド」をイメージし天然色素のアントシアニンを使用、鮮やかで美しい赤色を再現した。ハマナスの果実を原材料に使い、ハマナスの良い香りとフルーティーな味わいを表現した。アルコール度数約5%。

知床ドラフト

知床DRAFT
世界自然遺産知床の春の新緑の季節をイメージしたグリーンの発泡酒。藻類天然色素スピルリナの青色をベースにクチナシ色素を加え知床の春を表現。特に香りを重視したため、ホップ使用を抑え、フルーティーな香りとした。アルコール度数約5%。

じゃがドラフト

じゃがDRAFT
ジャガイモの花びらを紫色で表現した春夏秋冬シリーズ第4弾。ジャガイモ、紫サツマイモ、ナガイモの3種類のいもと網走産マタタビを使用し、深みのある味わいとマタタビのフルーティーな感じを味わえる。アルコール度数約5%。

ABASHIRI プレミアム

ABASHIRIプレミアム
網走産麦芽とホップを使用した100%網走産の風味豊かなビール。2012モンドセレクションで銀賞を受賞した。アルコール度数約5%。

ヤーコンドラフト
置戸町特産品開発委員会が企画・開発し、網走ビールが醸造した置戸町のビール。もともと帯広ビール(帯広市)が2005年に発売した「ヤーコンエール」のノウハウを採用して、2006年に置戸町産無農薬栽培ヤーコンと麦芽・ホップを原料とし、網走沖の海洋深層水を使用した発泡酒。ホップの苦みとヤーコンの甘さ、フルーティーな香りが特徴。アルコール度数は約5%。

東京農大記念ビール
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網走ビールに聞く開発秘話の記事はこちら

大雪山の水を使った「大雪地ビール」(旭川市)

大雪地ビールは、その名にあるように美味しい大雪山の水を活かしたビール。また、原料を輸入に頼らずに北海道産の麦・米・蕎麦粉などを原料に使っています。

大雪地ビールは、国内最大級のビールコンテストで数々の賞を受賞してきた実績ある地ビールです。2000年にジャパン・ビア・グランプリ、翌年にジャパン・ビア・カップ、2002年にインターナショナルビアコンペティション、2003年に全国酒類コンクールでそれぞれ受賞してきました。

全国的に珍しく製麦技術を持っていることから、技術を農家に譲渡し委託製造に成功、地元の麦をビールの原料として使用することができています。大雪地ビールは、旭川市中心部にある明治時代の歴史的建造物「大雪地ビール館」(2001年12月4日文化財登録)で醸造しており、併設のレストランで食事や地ビールを楽しむことができます。

大雪地ビール

全国的人気の旭川市旭山動物園の動物たちをパッケージに採用したビール「富良野大麦」「大雪ピルスナー」「ケラ・ピルカ」をはじめ、ヴァイツェンスタイルの「萌芽」、ボックスタイルの「黒岳」といった季節限定品もあります。

その他限定商品として、美瑛町産小麦を使った「美瑛小麦ビール」や幌加内町産蕎麦粉を使った発泡酒「そば酔い」などもあり、それぞれ上川地方の特産品を使ったビールとなっています。

大雪ピルスナー

大雪ピルスナー
下面発酵で長期熟成させ濾過して仕上げたピルスナータイプのビール。淡色モルト100%とアロマホップ、ビターホップを使用。炭酸が弱めで全体的にすっきりクリアな味わい。全国酒類コンクール受賞ビール、ジャパン・ビア・グランプリ受賞ビール。旭山動物園のホッキョクグマをパッケージに採用。アルコール度数約5%。

ケラ・ピルカ

ケラ・ピルカ
上面発酵酵母で発酵・熟成させたエールタイプのビール。癖がなく、酵母の風味を生かしたフルーティーな味わいが特徴。インターナショナルビアコンペンション受賞ビール、ジャパン・ビア・グランプリ受賞ビール。アルコール度数約5%。

富良野大麦

富良野大麦
麦芽のほか、富良野産大麦と旭川産米を使用した発泡酒。高級アロマホップで爽やかな香りを実現、苦みが少なめでさっぱりしているため飲みやすい。アルコール度数約5%。

萌芽
ほうが。大麦麦芽と、下川町小麦を東川町で独自製麦した小麦麦芽を使用した期間限定ヴァイツェンスタイル。さっぱりしておりフルーティーな香りなので、女性も飲みやすいビール。アルコール度数約5%。

黒岳
アルコール度数約8%の、麦芽を多く使用した期間限定黒ビール。大雪山系黒岳の力強さを表現しており、コクのある味わいが特徴。

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深層水を使用した石狩番屋の麦酒「日本地麦酒工房」(石狩市)

「石狩番屋の麦酒」で知られる株式会社日本地麦酒工房は、1999年4月1日に開業した石狩ビール株式会社が前身。2005年に廃業したものの地元有志により再建され、以来現在の名称とブランドで親しまれている、石狩市のビール醸造会社です。

「石狩番屋の麦酒」は、岩内湾沖300mより深い場所の日本海岩内海洋深層水を仕込み水に使用しているのが特徴の一つ。ジャパン・ビアカップやインターナショナル・ビア・コンペティションといった地ビールのコンクールでは銀賞を受賞してきました。

また、道央圏各地とコラボした地ビールを世に送り出しており、その中には、米を使った岩内町の「岩内地ビール」(ピルスナー・レッドエール)、新篠津村米きらら397と麦を使った「新しのつ麦酒」(ピルスナー)、美唄市とコラボした「美唄ビール」各種、石狩徳光珈琲とコラボした「石狩徳光珈琲ラガー」、藤女子大学とコラボした「カナストーリー」が挙げられます。

石狩番屋の麦酒
雪蔵米の麦酒とル美ール

メインブランドは「石狩番屋の麦酒」。「ヴァイツェン」「レッドエール」「ゴールドラガー」の3種類が中心。石狩産米を使った「ゴールドスタイル」、蕎麦を使った「そばらしい」、コラボビールとしては、藤女子大学とのコラボで女性が飲みやすいビール「カナストーリー」、珈琲をブレンドした「石狩徳光珈琲ラガー」、岩内町の「岩内地ビール」、新篠津村の「新しのつ麦酒」、美唄市の「ル美ール」や冬季限定「雪蔵米麦酒」等があります。

ヴァイツェン

石狩番屋の麦酒 ヴァイツェン
フルーティーな香りがあり、苦みの少ない口当たりの良い未濾過ビール。アルコール度数約5%

石狩番屋の麦酒 レッドエール
麦芽の甘さ・香ばしさ・苦み・コクがあるレッドエールのビール。アルコール度数約5%。

石狩番屋の麦酒 ゴールドラガー
石狩市産米ほしのゆめ「加夢加夢」を使用し、柔らかい風味、麦芽独自の深い味わいと、のど越し爽やかなビール。アルコール度数約5%。

カナストーリー

カナストーリー
藤女子大学とコラボし味とラベルとネーミングを開発し2006年12月に発売した商品。石狩市産シソ果汁で着色したピンクの発泡酒で、女性に飲みやすく開発されているのが特徴。アルコール度数約4.5%。

ゴールドスタイル
石狩市産米ななつぼしとドイツ産ホップを使用した香り豊かな本格派ピルスナータイプのビール。アルコール度数は約4.5%。

そばらしい
石狩市産牡丹そば等北海道産そばを4割弱使用した発泡酒。蕎麦の香りを楽しめる口当たりさっぱりの発泡酒だ。アルコール度数約4.5%。

珈琲ラガー

石狩徳光珈琲ラガー
石狩徳光珈琲オリジナルフレンチローストコーヒーをブレンドした珈琲ラガー。麦芽のうまみだけでなく、珈琲の柔らかい香りを楽しめる珍しいラガーである。アルコール度数約6%。

新しのつ麦酒

新しのつ麦酒
新篠津村産米きらら397と麦を使用して2001年に発売した新篠津村の地ビール。飲み飽きることのないピルスナータイプ。しんしのつ温泉やJAしんしのつで手に入る。

岩内地ビール
岩内町沖日本海岩内海洋深層水を仕込み水に使用した岩内町の地ビール。癖がなくのど越し爽やかなピルスナーと、ドライなレッドエールの2種類がある。

ル美ール

ル美ール
美唄市のハスカップを使用した美唄市の地ビールとして2010年に発売された。ハスカップの果汁を試しに入れてみたことから構想がスタートしたル美ールは、ピンク色でフルーティーで苦手な人でも大変飲みやすいが、アルコール度数が高め。

雪蔵米麦酒

雪蔵米麦酒
美唄市産米おぼろづきの新米で仕込んだ美唄市の地ビール。麦芽とホップと米だけを使ったビールで、冬季限定。

わかさいも本舗が作る地ビール「鬼伝説ビール」(登別市)

鬼伝説ビールシリーズを製造しているのは、あの「わかさいも」で有名なわかさいも本舗です。1998年以降、ビール好きにも地ビール愛好者にもおいしく飲んでもらえるビールを理想に掲げ、登別温泉近くでビール醸造をスタートさせました。

2008年には日本地ビール協会主催インターナショナル・ビア・コンペティションで看板商品の「鬼伝説」(ピルスナー・ペールエール)が金賞受賞。「スイートストロベリー」もジャパン・アジア・ビアカップ2008で金賞を受賞しています。

看板商品「鬼伝説」シリーズには、「青鬼」(ピルスナー)、「赤鬼」(レッドエール)の缶タイプのものがあります。また、「金鬼」(ペールエール)「洞爺湖の雫」「有珠火の山麦酒」のほか、「スイートストロベリー」「スイートショコラ」「木いちご(フランボワーズ)」「シシリアンルージュトマトの発泡酒」などフルーツ系の発泡酒も数々生み出してきました。

鬼伝説

鬼伝説 青鬼ピルスナー
ゴールドの缶に青鬼の絵が描かれている一般的なピルスナータイプ。麦芽100%生ビール。ホップの利いた爽快な淡色のビール。2008年インターナショナル・ビア・コンペティション・ヨーロピアンピルスナー部門金賞、2006~2007年度全国酒類コンクールビール部門総合3位、ピルスナー部門1位を獲得。アルコール度数約5%。

鬼伝説 赤鬼レッドエール
赤色の缶が特徴のレッドエールタイプ。イギリスの伝統的ビールを基本に日本人向けにアレンジ。赤みを帯びたほんのり甘くフルーティーな香り、ローストモルト香の香ばしい味わい。2003~2004年度全国酒類コンクールビール部門連続優勝、2005年度優秀賞受賞。アルコール度数約5%。

鬼伝説 金鬼ペールエール
ペールエールモルトとカスケードホップをふんだんに使った、癖のないアメリカンタイプのビール。柑橘系の香りと苦みのあるビール。2008年及び2010年インターナショナル・ビア・コンペティション・アメリカンペールエール部門金賞受賞。アルコール度数約5%。

ホワイトエール

ホワイトエール
自家製オレンジピール、コリアンダーを使った発泡酒。フルーティーな香りを感じられるすっきりした味わい。アルコール度数約5%。

スイートショコラ
高温焙煎したチョコレートモルトと数種類の酵母をブレンドした黒い色のビール。アルコール度数約6.5%。

スイートストロベリー
洞爺湖サミットを記念して造られた逸品。豊浦町産いちごを使っているため、見た目も紫芋色素を使っているためピンク色で、いちごの風味がありさっぱりしており女性でも飲みやすい発泡酒である。アルコール度数約5.5%。

ホワイトピーチ

ホワイトピーチ
桃果汁が入った発泡酒。ホワイトエールに紫芋色素を使ってピンク色を出している。アルコール度数約5%。

FRAMBOISE

木いちご(フランボワーズ)
木イチゴを使ったフルーツ系発泡酒の一つ。木いちごの香りがあるピンク色の発泡酒で、程よい甘みと酸味を感じられる。こちらも女性にオススメの逸品。アルコール度数約5%。

シシリアンルージュトマトの発泡酒

シシリアンルージュトマトの発泡酒
トマトの味を感じられる酸味ある発泡酒。トマトはもちろんトマト色素を使って着色、コリアンダーやバジルも使っている。アルコール度数約5%。

洞爺湖の雫
洞爺湖町の土産に良い、麦の濃い味わいを感じられるピルスナータイプの麦芽100%生ビール。アルコール度数約5%。

火の山

有珠火の山麦酒
同じく洞爺湖町のレッドエールタイプの麦芽100%生ビール。濃い黒のような色が特徴。フルーティーな香りを感じられる甘みのあるビール。アルコール度数約5%。

Premium beer
のぼりべつ地ビール鬼伝説

ドイツの伝統的な製法を守り続ける「小樽ビール」(小樽市)

小樽ビールはびっくりドンキーで有名な株式会社アレフが製造します。原点となっているのは、小樽ビール醸造責任者ブラウマイスターであるヨハネス・ブラウン氏の先祖ピーター・シュニックの故郷ドイツ・マルブルグ。この町の醸造精神・技術を受け継いでいるとされ、現在も当時と基本的に同じ醸造方法で作られています。

ピュアでナチュラルなビールにこだわり、ドイツ産有機栽培による麦芽のみ使用し、ホップは4種類のドイツ産アロマホップを買い付けて使用、小樽の水と自家製酵母を使っています。小樽ビール銭函醸造所では見学と試飲、歴史的資料展示を見学できます。

小樽ビール

小樽ビールは主に3種類です。「ピルスナー」「ドンケル」「ヴァイス」です。

ピルスナー
チェコ・ピルセンの伝統的製法に基づき製造するピルスナータイプのビール・新鮮なアロマホップをふんだんに使用。セラミック濾過を施さず、下面発酵で手間をかけて製造。滑らかなのど越し、軽やかな飲み心地を実現した。アルコール度数約4.9%。

ドンケル
ドイツの伝統的な醸造方法で手間をかけて作られるビールで、カラメル麦芽の滑らかな風味を強調するドンケル。クリーミーでコクのある味わいを実現。アルコール度数約5.2%。

ヴァイス
ドイツバイエルン地方の伝統的な醸造法を採用した、フルーティーな香りが特徴の上面発酵によるビール。麦芽に対する小麦の割合を50%としている。他の小樽ビールより10倍の酵母を含んでいるので白く濁っている。飲む前に軽く振ってグラスに注ごう。アルコール度数約5.4%。

中標津ビール
2013年7月29日に発売された中標津町の地麦酒・ピルスナータイプ。中標津町内で栽培された大麦を使用。330ml、アルコール度数5%。町内酒店「なかはら」で販売。

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ワイナリーが作る地ビール「北海道ワイン」(小樽市)

おたるワインの名で知られる北海道ワイン株式会社が製造する地ビールです。1997年9月にビール事業に参入しました。「おたるワイナリービール」の特徴としては、小樽毛無山山水と呼ばれる天然地下水を仕込み水に使用している点です。北海道のワイナリーが地ビールや発泡酒を製造しているのはここ北海道ワインだけです。

北海道ワイン

小樽毛無山山水と呼ばれる天然地下水を仕込み水に使用している「おたるワイナリービール」、国際特許製法によるフルーツ発泡酒「天使の雫」を製造しています。おたるワイナリービールは「メルツェン」「ヴァイツェン」「ヘレス」があります。

おたるワイナリービール ヘレス
麦芽100%ビール。副原料を一切使用せず、大麦麦芽100%とホップ、毛無山の地下天然水を原料としている。風味は香ばしく、コクがあり飲みやすいのが特徴。アルコール度数約4.5%。

おたるワイナリービール ヴァイツェン
小麦麦芽と大麦麦芽を100%使用し副原料を一切使用しないヴァイツェンタイプ。フルーツのような香りが特徴。アルコール度数約4.5%。

おたるワイナリービール メルツェン
カラメル麦芽を使用し、副原料を一切使用しない麦芽100%ビール。甘みと苦みがある中濃色ビール。アルコール度数約4.5%。

天使の雫 ナイヤガラ
グリーンのワインボトルのような瓶に入った新感覚アルコール。330mlタイプと1000mlタイプがあります。ナイヤガラ葡萄特有のフルーティーな香りを楽しめるため、女性でも飲みやすい。アルコール度数約5%。

おたるワイナリービール

小樽麦酒を製造する「北海道麦酒醸造」(小樽市)

小樽市高島の北海道麦酒醸造は、チューハイやハイボールも製造していますが、「小樽麦酒」として製造する地ビールもあります。小樽ビールとは別物ですので注意が必要です。小樽麦酒は2004年7月に発売されています。

小樽麦酒

コンビニで販売されている緑色の缶タイプ「小樽麦酒オーガニックピルスナー」が一般的。有機麦芽、有機ホップを使用。下面発酵酵母で低温発酵させ長期熟成して仕上げます。穏やかな香味ですっきりした味わいを謳っています。

その他、瓶タイプとして、「小樽麦酒オタルラガー」「小樽麦酒オタルダーク」「小樽麦酒オタルエール」があります。

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函館山天然地下水を汲み上げ使う「はこだてビール」(函館市)

株式会社マルカツ興産が函館市で製造する「はこだてビール」は、水にこだわり、毎日函館山の良質な天然地下水を汲み上げて使っています。副原料を一切使用せず麦芽100%で仕上げています。ジャパンビアグランプリ2000では五稜の星、明治館、北の一歩の3銘柄が銀賞を受賞しました。

はこだてビール

はこだてビールのレギュラータイプは4種類あります。「五稜の星」「明治館」「北の一歩」「北の夜景」といった函館らしい名称がつけられた4種類となっています。また、「社長のよく飲むビール」という期間限定商品、「函館奉行所麦酒」があります。

五稜の星
ヴァイツェンビール。細かな泡立ちと白い濁りが特徴。古―鄭―な香りと柔らかい味わいが特徴。

明治館
アルトビールタイプの上面発酵ビール。レンガ造りの明治館を彷彿とさせる赤銅色の濃色麦芽と深みのある味わいが特徴。

北の一歩
大麦麦芽を使用した上面発酵エールビール。

北の夜景
ほどよいフルーティーな酸味のあるケルシュタイプの上面発酵ビール。キレある味とさわやかな苦みが特徴。

社長のよく飲むビール
面白い名前のビールは、通常の2倍のモルトを使って1ヶ月間じっくり熟成させて作っている。アルコール度数が何と10%。1998年以来製造販売する期間限定のビール。2002インターナショナル・ベア・コンペティション・ストロングエール部門で金賞受賞。

箱館奉行所麦酒
2010年に五稜郭に復元された箱館奉行所を記念し、明治初期から飲まれていたと言われるビールの味を手探りで作り上げた特別醸造ビール。カラメル麦芽を使い、苦みと香を出した。賞味期限は2週間。

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横津岳山麓の天然アルカリイオン水使用「大沼ビール」(七飯町)

大沼公園にある麦酒工房で出来たてのビールを味わうことができるという大沼ビール。株式会社ブロイハウス大沼が製造しています。道南の秀峰・横津岳山麓から湧き出た天然アルカリイオン水を使用。ビール酵母が生み出すコクのある風味に仕上げた地ビールを造り上げています。

ジャパン・アジア・ビアカップ2012ではインディアペールエールが金賞受賞したほか、ケルシュが銅賞受賞。「ケルシュ」「アルト」「インディア・ペールエール」の3種類があります。

ケルシュ
淡色麦芽を使用した上面発酵ビール。琥珀色で、香りがよくのど越しの良いケルシュスタイルのビール。アルコール度数約5%。

アルト
カラメル麦芽を使用した上面発酵ビール。美しい赤銅色で、甘さとホップの苦みを感じられるコクのあるビール。アルコール度数約5%。

インディア・ペールエール
麦芽使用量を通常より30%増やし、アルコール分を約8%にした上面発酵ビール。フルーティーな風味を感じられるのが特徴。アルコール度数約8%。

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北海道フーズリカー㈱

カナダで学んだ二人が作る「ノースアイランドビール」(江別市)

SOCブルーイング株式会社が製造するノースアイランドビール。2003年、旧カナディアンブルワリー設立当初は札幌市東区で醸造しており、2009年5月に江別市に移転、醸造設備を増強。2011年9月に社名変更を果たし現在に至っています。ノースアイランドビールはカナダでの修業を基に2名の責任者によって造られています。

ノースアイランドビール

ノースアイランドビールのビールは、6種類のレギュラービールを中心に提供しています。「ピルスナー」「ブラウンエール」「ヴァイツェン」「スタウト」「インディアペールエール」「コリアンダーブラック」です。

それに加えて、「江別小麦ビール」、クリスマス時期に合わせて仕込んでいる「クリスマスビール(シナモンエール)」、チョコレート麦芽を使った2月の「ヴァレンタインビール」など限定ビールの販売も行っています。

江別小麦ビール
江別市産小麦ハルユタカを使用した上面醗酵ビール。濁っているので開ける前に混ぜる。ヴァイツェン特有のフルーティーな香り、優しい旨みでのみやすいのが特徴だ。アルコール度数約5%。

ピルスナー
軽快な飲み口、ホップの爽やかな香り、麦芽の風味を楽しめるピルスナータイプのビール。アルコール度数約5%。

ブラウンエール
カラメル麦芽の香ばしさ、ホップの香味を楽しめる上面醗酵ビール。とにかくバランスが絶妙なブラウンビールだ。アルコール度数約5%。

ヴァイツェン
江別市産小麦ハルユタカを使用し、フルーティーな香りと優しい旨みが特徴の飲みやすい上面醗酵ビール。アルコール度数約5%。

スタウト
ロースト麦芽の焙煎香、香り、コクが楽しめる、奥深い味わいの黒ビール。チョコレートのような風味を感じられる。アルコール度数約5.5%。

インディアペールエール
柑橘系の爽やかな香りを感じられるビール。アメリカンポップを使用し、強い苦みがある。アルコール度数約7%。

コリアンダー
コリアンダーホワイトは江別市産小麦ハルユタカとコリアンダーを使用し、フルーティーさ、小麦の風味を感じられる爽やかで飲みやすいタイプの上面醗酵ビール。アルコール度数約5%。コリアンダーブラックは9~5月の間出荷される。

2種類の仕込み水を使用した「薄野地麦酒」(札幌市)

札幌市すすきので製造されている地ビール。日本海に面する八雲町熊石海洋深層水を使用し無添加の製造に、マイナスイオン水を使用してマイルドな口当たりを実現しました。つまり2種類の仕込み水を使用しているのです。

また、ドイツのビール造りから学んだ製法が活かされています。主にドイツで収穫されている大麦麦芽を使用し、世界最古のドイツ醸造所の下面酵母ビール用酵母を使用しています。

インターナショナル・ビア・コンペティションで銀賞・銅賞を受賞した商品もあります。すすきのビールは札幌市内の一部のローソンやサンクスでも購入できます。

すすきのビール

薄野地麦酒は、「すすきのビールピルスナー」(缶・瓶)、「すすきのビールメルツェン」(瓶)、「夕張石炭ビール黒ビール」(缶・瓶)の3種類・一部2タイプがあります。

ピルスナーはインターナショナル・ビア・コンペティション2000で銅賞受賞、メルツェンは同コンペティションで銀賞を受賞しました。「夕張石炭ビール」は夕張石炭博物館の企画で誕生した石炭色をイメージした黒ビールとなっています。

明治の創業当時のレシピを復元した「開拓使麦酒」(札幌市)

サッポロファクトリーにある株式会社札幌開拓使麦酒醸造所が製造する開拓使麦酒。設立1876年で、明治時代の開拓使にはじまる日本のビール産業の発祥地の一つ。後にサッポロビールとなる前身がここでした。

明治時代の創業当時のレシピを基に当時の味を復元させたビールで、サッポロビールの原点の味です。水も当時と変わらず地下から汲み上げた豊平川の伏流水を使用しています。

醸造所は見学できるほか、歴史パネル展示、レンガ館1階ビヤホール「ビヤケラー札幌開拓使」「札幌開拓使麦酒・賣捌所」では出来たての地ビールを味わうことができます。

北海道開拓使麦酒PREMIUM

開拓使麦酒は主に3種類。開拓使によって造られたビールの味わいを再現したピルスナータイプ「開拓使」(未濾過もあり)、程よい苦みとまろやかな口当たりのアルトタイプ「クラーク」、小麦麦芽を使用したフルーティーで爽やかなヴァイツェンの「ハリー」です。

いずれも開拓使の名称を採用しており、クラークはご存知クラーク博士、ハリーはクラーク博士の奥さんの名前です。その他季節限定ビールなどが提供されています。

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名水百選・千歳の水を使った「ピリカワッカ」(千歳市)

北海道麦酒ピリカワッカを製造するのは千歳市の株式会社耕人舎。前身となるのは1998年8月にサッポロビールの技術提供を受けて開業した「ちとせ地ビールピリカワッカ」ですが、2006年12月に株式会社ビア・ワークスちとせから現在の会社に経営が移りました。

ブランド名は2005年以来「北海道ビールピリカワッカ」となっています。ちなみに意味はアイヌ語の「きれいな水」に由来しており、名水百選の千歳の上質な水を使って製造しています。ジャパンアジアビアカップ2009で「スタウト」が銅賞受賞、インターナショナル・ビア・コンペティション2010では「ピルスナー」が銅賞受賞しています。

製造するビールは4種類です。「ピルスナー」「エール」「ヴァイツェン」「スタウト」です。「ピルスナー」(アルコール度数5%)は上質なホップの苦味とスッキリとした喉ごしが特徴で飽きが来ないので飲みやすいタイプ。「エール」(アルコール度数5.5%)は赤褐色で、コクと爽快感を楽しめます。「ヴァイツェン」(アルコール度数5.5%)は上品でまろやかなのど越しで、フルーティーなので女性に人気のタイプです。

千歳地ビールピリカワッカ

温泉水を使った発泡酒が注目「えんがる太陽の丘ビール」(遠軽町)

「えんがる太陽の丘ビール」を造るのは、1999年にまちおこしのため「麦酒館ふぁーらいと」をオープンさせた遠軽農業振興公社。ここでは出来たてを飲むこともできます。地元の温泉水を使った道内初の発泡酒をデビューさせるなど、各方面から注目されているビールもあります。

2000年に誕生した地元「瀬戸瀬温泉」の単純アルカリ温泉水を使った「せとせ」が注目を集めています。温泉水100%のビールは道内初の試みと言います。

その他、北海道産ブドウ果汁を使った発泡酒「清流の雫ナイアガラ」、ヨーロッパ伝統技術で作られるえんがる太陽の丘ブランド「メルツェン」「ヴァイツェン」「アンバーエール」の3種類があります。

えんがる太陽の丘ビール

清流札内川の伏流水を使用「十勝ビール」(帯広市)

地元十勝の素材を生かした上質な十勝産ビールを提供する「十勝ビール」。厳選された麦芽やホップを贅沢に使い、清流・札内川の伏流水で丁寧に仕込んでいます。ビールの本場ドイツで修業を積んだ技術者が手掛け、上質で飲み飽きない十勝産ビールを目指しています。

また、地ビールコンクールで最高賞を受賞した実績あるビールも数々。ジャパン・ビアカップで金賞を受賞した「十勝ラガー」、インターナショナル・ビアコンペティションで銀賞を受賞した「十勝黒生」など、全国的にも認められた商品が目白押しです。

美人の湯として知られる十勝川温泉の源泉水を使用した「モール温泉ビール」、「十勝ヴァイツェンこむぎ」のほか、コンクール受賞商品の「十勝ラガー」「十勝ホワイトビール・ウェンディー」「十勝黒生」の5種類の味がメインです。

十勝ホワイトビール・ウェンディー
エゾヤマザクラの実のサクランボ酵母(とかち野酵母)を採用。すっきりした酸味とフルーティーな香りのため、女性も飲みやすいビールとして知られる。ジャパンアジアビアカップ金賞受賞商品。アルコール度数約4.5%。

十勝ラガー
清流札内川の伏流水で仕込んだビール。最高級アロマホップ「カスケード」を使用し柑橘系の香り、下面発酵ですっきりした味わいを実現。ジャパンビアカップで金賞を受賞した。アルコール度数約5%。

十勝黒生
外観は黒い色のビール。十勝産大麦を焙煎したローストバーレイを一部使用し、すっきりした飲み口でコクのある味わいが特徴。インターナショナルビアコンペティションで銀賞受賞した。アルコール度数約5%。

十勝ヴァイツェンこむぎ
手作りで製麦した十勝産小麦麦芽だけで作ったヴァイツェンタイプ。フルーティーな香り、爽やかな飲み口が特徴なので、女性も飲みやすい。アルコール度数約5%。

モール温泉ビール
美人の湯として知られている十勝川温泉の源泉水を使用したビール。副原料は使用せず麦芽100%としている。アルコール度数約5%。

ベルギービールの個性を取り入れた「帯広ビール」(帯広市)

帯広ビールは十勝の風土から生まれた十勝人のためのビールを造ろうと醸造がスタートしました。ベルギービールの個性を取り入れ、十勝独自の工夫を凝らして作り上げた発泡酒が「とかち晴れのきもち」という商品です。

特に十勝の名産物の一つであるビート(サトウダイコン)を原料に作られており、水は清流札内川の水を使用しています。現在は醸造元のレストラン・ランチョ・エルパソにて味わうことができます。

帯広ビールは6種類を提供。「クロウト」「ほろ」「麦日和」「小麦」「シャンピニオン」「テンダー」の全6種類となっています。

「ほろ」「麦日和」「小麦」「クロウト」はドイツ産麦芽と士幌産大麦を使用。「クロウト」は深い味わいが特徴の黒生。「ほろ」はカスケードホップの香りが特徴。「麦日和」はスッキリした爽やか発泡酒。「小麦」はフルーティーなので女性にオススメ。一方、「シャンピニオン」はエノキ茸を原料とし、癖のないすっきりした味わいに仕上げています。「テンダー」も同じくエノキ茸を原料とし、アルコール度数1%未満という発泡酒です。

ホテルヌプカの「旅のはじまりのビール」(帯広市)

帯広市のHOTEL & CAFE NUPKA(ヌプカ)は、訪問ゲストのためのクラフトビールを2016年3月に発売しました。北海道産大麦100%麦芽を使用し、ドイツ古来からの醸造法「ドイツ麦酒純粋令」を採用し、日本人好みのピルスナータイプを製造しました。

ホテルヌプカでは樽生で飲むことができます(詳しくはホテルヌプカの記事参照)。農林水産省主催のフードアクションニッポンアワード2016で1000点以上から「究極の逸品」の10点の一つとして受賞しました。帯広市のふるさと納税対象品となっています。

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独尊の富良野地麦酒(富良野市)

富良野のカレー料理店で有名な有限会社唯我独尊(富良野地麦酒館)が地ビールを提供しています。同店のメニューとして提供しているのは、ペールエール、闇(ダーク)、濁(パイツェン)、輝(ピルスナー)の4種類。いずれも600円で提供しています。

唯我独尊富良野地麦酒

忽布古丹醸造のHOP KOTAN ORIGINALS(上富良野町)

上富良野町に2018年に誕生した忽布古丹(ほっぷこたん)醸造のクラフトビールは、誕生以来120種類以上をリリースし、ついに2020年「HOP KOTAN ORIGINALS」シリーズが完成。上富良野産ホップを100%使用したクラフトビールです。道内で唯一商用栽培されている上富良野町のホップを使用しているのです。

シリーズ誕生時の3種類はピルスナー「ウポポ」、ペールエール「ノンノ」、フルーツエール「ハスカップ」と、いずれもアイヌ語を採用した商品名となっています。アイヌ文様をイメージさせるプリントラベルも注目です。

札幌のクラフトビール「月と太陽ブルーイング」(札幌市)

オホーツクビールを手に

廃止/休止された北海道地ビール醸造所リスト

これらの他にも、道内には多数の地ビール醸造所がありました。下記はその一覧です。

名称市町村営業年醸造会社
時計台ビール札幌市1999年~時計台ビール株式会社
札幌地麦酒札幌市1998~2002年札幌国際観光株式会社
手作り発泡酒醸造所札幌市~2004年BOP
いわみざわ地ビール岩見沢市1997~2000年ストレークビーレン株式会社
SKYビール滝川市1997~2005年株式会社滝川グリーンズ
海鮮丸ビール小樽市1995~2004年海鮮丸ビール株式会社
小樽丘の上ビール小樽市1997~2001年小樽地ビール株式会社
ギャオブルワリー小樽市~2001年株式会社マイカルイスト
小樽ブルワリー小樽市~2000年株式会社ダックビブレ
室蘭ビール室蘭市1999~2002年プロヴィデンス・ブルワリー株式会社
エリモビールカムイえりも町日高ビール株式会社
ビロングスビール函館市1997年~株式会社函館麦酒工房
ジョナサンビール江差町1998~2002年檜山麦酒工房株式会社
北斗高原ビール上川町~2002年株式会社森のくまさん
かみふらのびいる上富良野町~2007年株式会社みやま観光物産
十勝麥酒帯広市1997~2007年十勝麥酒醸造株式会社
くしろ港町ビール釧路市1997~2007年くしろ港町ビール株式会社
女満別地ビール大空町1998~2003年株式会社女満別地ビール

こうしてみると、小樽市には現存の地ビール醸造元とあわせてかなりの数が存在していた時期もあったことがわかります。

製造休止や廃止されてしまった地ビールは、いまやその味を楽しむことはできません。中には、夕陽をイメージしたレッドビールを製造していた釧路市のくしろ港町ビール、チェコの製法を忠実に再現した岩見沢市のいわみざわ地ビール、日高山脈の地下水を使った厳選素材にこだわったえりも町のエリモビールカムイなど、各地趣向を凝らしていました。その数例をご紹介しましょう。

函館市:函館麦酒工房(ビロングスビール)
「ブラウンエール」は、クリスタル麦芽とアロマホップを使い、フレーバー・アロマともに強調された深い味わい。エール独特の苦みがあるビール。

えりも町:エリモビールカムイ
「ダークラガー」は、有機無農薬栽培の大麦小麦ホップと、日高山脈の地下水を使った厳選素材にこだわったビール。淡色、濃色麦芽をブレンドしており、コクと清涼感を楽しめる。

江差町:ジョナサンビール
「ピルスナー」は、カナディアンタイプを日本人向けにアレンジしたもの。フルーティーな甘みと香り高いホップ、ソフトな口当たりで女性も飲みやすい。

小樽市:海鮮丸ビール
「二人の夜明け」は、ワインのようなフルーティーさが特徴。ドライな後味が心地よいキレのあるビールで、海鮮料理に合うように作られている。

上川町:北斗高原ビール森のくまさん
「ピルスナー」は、大雪山の麓の豊かな自然で育った素材を使っている。爽快であるが濃厚さとコクをプラスしている。

札幌市:札幌地麦酒
「ドゥンケル」は、センチュリーホテル内ブルワリーで醸造するホテル製ビールとして知られていた。香ばしい麦芽のアロマ・まろやかな甘みのコラボレーション。

岩見沢市:いわみざわ地ビール
「ピルスナー」は、チェコの製法を忠実に再現したビールで、100%ピルスナーモルツを使用した淡色、すっきりしたのど越しが特徴だった。

上富良野町:かみふらのびいる
「ハンガリアンライト」は、爽やかなホップの風味と香ばしい香りを楽しめるビール。あっさりでくせがなく、飲んだ後にほんのり麦芽の甘みが広がる。

釧路市:くしろ港町ビール
「サンセットレッドエール」は釧路の夕陽をイメージした赤みのあるレッドビール。香り高くまろやかなテイストを堪能できるビール。

帯広市:十勝ビアファクトリー十勝麥酒醸造株式会社
「ピルスナー」は、良質の麦と十勝の名水から生まれた地ビール。ドイツに似た風土を生かし、ドイツ人マスターがドイツの製法で醸造していた。ホップがきいたさわやかな味。