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北海道ブームと国際化とひらふ景気

編集部
Written by 編集部

 国内では札幌冬季五輪の時期以降北海道ブームとして人気だった北海道 ですが、近年は、北海道ブームは外国に及んでいます。特に東アジア諸国 からの注目度が高いようです。

 たとえば2008年夏にJR西日本が上海で行った調査では、日本国内の都道府県で知名度が高いのは東京に次いで2位に北海道がランクインし、上海市内では広く知られていることが分かりました。道内への外国人訪問者数が右肩上がりであることは、統計 資料からもうかがい知ることができます。

外国人観光客来道者数推移は軒並み上昇

 北海道の10年間の調査(1997~2006年)によると、道内を訪れる外国人は 10年間で488.5%増加していることが分かります。1997年に12万人だったの が、2006年には59万人に急増しているのです。内訳はどうなっているので しょうか。

10年間の国・地域別増減数と増減率
中国0.2万人 → 1.7万人 (789%)
香港1.1万人 → 8.6万人 (748%)
韓国1.6万人 → 13.3万人 (811%)
台湾5.3万人 → 26.8万人 (507%)
シンガポール0.1万人 → 1.9万人 (1353.6%)
オーストラリア0.3万人 → 2.3万人 (696%)
北海道ブームと国際化とひらふ景気
北海道ブームと国際化とひらふ景気

 ロシアや中南米からは減少、北米からは微増していますが、それ以外の 地域からは急増傾向にあります。特に東アジア地域から多く訪れるように なっています。そのため航空路線も増加・充実しました。背景には北海道 のPRや物産展のような企画をアジア地域で実施する試みがありました。

 外国人観光客は、温泉、景観、食を含め観光目的ですが、韓国人は韓国 では人気のゴルフにも、台湾人はアイヌ文化にも注目しています。雪のな い国から来る観光客は冬の雪やスキーを目当てに来る人も多いようです。 昔から人気だったのは札幌市さっぽろ雪まつりなど冬のイベントです。

 外国人の宿泊地として人気なのは、札幌市がダントツで、温泉地の登別 市、層雲峡の上川管内上川町、洞爺湖温泉の胆振管内洞爺湖町や壮瞥町が 続き、十勝川温泉の十勝管内音更町、小樽市も人気です。

 さて、2005年の外国人観光満足度調査では、最も評価が良かったのは景 観(93%)で、接客サービス、観光施設も高評価でした。「また北海道に来た いですか?」という問いには97%の人が「YES」と回答していますから、か なり高い満足度を得ていることが分かります。

 自由な北海道観光には車が欠かせませんが、台湾観光客は日本国内では 運転できませんでした。道や経済界による働きかけで2007年9月19日に台湾 観光客の国内での運転が解禁されました。このように観光客受け入れ体制 も徐々に進展しています。

オーストラリアとひらふ景気

 注目できるのは、2003年以降続くオーストラリア人観光客の増加です。 アジア人観光客は上期も下期も同じ来道者数か、あるいは上期(夏季)が若 干多いのですが、オーストラリア観光客は上期(夏季)1000人未満に対し、 下期(冬季)2.2万人で、差が開いています。

 これは、オーストラリア観光客は冬を目当てにしていることの証拠です。 北海道スキー人気が影響しており、後志管内倶知安町やニセコ町、近年は 富良野市にも地域拡大しています。宿泊地も倶知安町がダントツ多く、ニ セコ町、留寿都村などスキーリゾート地が上位に入っています。2009年の満足度調査でも96%が満足と回答しています。

 オーストラリアからスキー客が多く訪れるようになったのはなぜなので しょうか。以前は北米へスキーに訪れていたようですが、ニセコ地区に移 住していたオーストラリア人が、北海道ニセコのパウダースノーの雪質は 最高だと評価し、これが口コミで広がったとのこと。9.11テロがあったこ とや、北米や欧州よりも近く時差もほぼないということで、急速にブーム となりました。2007年度まで9年連続で外国人観光客が増加しています(うち半数以上(55%)がオーストラリア人)。

 とりわけ、後志管内倶知安町南部のひらふ地区でオーストラリア人の比 率が非常に高くなっています。町の外国人登録者数は2003年の62人から2008 年の417人まで急増しており、70%以上がひらふ山田地区に居住しています。 今も、この地区は外国人を日本人よりも多く見かけるほどの"オーストラ リア村"になりました。

 ニセコマウンテンリゾート_グラン・ヒラフなどスキー場も近いこともあ って、オーストラリア系会社によるコンドミニアム建設など開発が進みま した。こうしたことのため、国土交通省の地価上昇率ではひらふ山田地区 が2006、2007年と連続で日本一を記録しました。

 静かな町が「ひらふ景気」による急展開を迎えて、町や道では対策に追 われています。たとえば、高層型施設の建設申請があるため、乱立を防ご うと高さ制限(22m)を設けるなどしています。オーストラリア建国記念日1月26日 にオーストラリアデーinNisekoを開催するなど、地元とオーストラリア人 との交流も企画されるようになりました。

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