なぜ富良野にラベンダーが根付いた?そのルーツを追う

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 道央、ちょうど北海道の「へそ」に位置する富良野地区ではラベンダーの季節、7月(特に第3週から4週あたり)が最盛期です。北海道の観光名所の中でもっとも人気の高い場所のひとつですが、ここでその富良野地区とラベンダーについて復習しておきましょう。

 そもそも「富良野地区」は5つの市町で成り立っています。中核となるのは富良野市で、そのすぐ北には中富良野町、そのすぐ北には上富良野町、その北には美瑛町があります。一方、富良野市の南には南富良野町が位置しています。

 これらの市町は富良野盆地に位置し、東と西を山で囲まれています。富良野市から上富良野町までが一般に人気のある観光エリアです。南富良野町は、少し山間部に入る離れた場所にあり、ラベンダーというよりは、あの映画「ぽっぽや鉄道員」のロケ地として有名ですね。

なんで富良野にラベンダー!?

 北海道の富良野地区を中心に栽培されるラベンダーは、もとはといえばフランス南部を原産地とするトゥルーラベンダーと呼ばれる種類のものです。

 原動力となったのは曽田政治氏。化粧品香料であるラベンダーをなんとか日本で栽培できないかという発想に端を発します。そしてフランスから種子を持ち込んだのが昭和12年のこと。

 日本のどこが一番栽培に適しているかのテストが行われ、札幌の北大が一番いいという結果になりました。しかし大戦があったため農場で細々と栽培を続けなければなりませんでした。

 昭和23年にはラベンダーオイルの生産を本格化していきました。そんな中上富良野町東中の上田氏が農場で咲き誇るラベンダーに目をつけ、曽田香料委託によるラベンダー栽培をはじめました。そして上富良野町に蒸留工場ができ、富良野地区にラベンダー畑が広く広まっていきました。

 しかし、栽培から2,3年は収入がないのにどうして広がったのでしょうか。それは富良野市をはじめ富良野の市町が、ラベンダー栽培、管理などのために補助金を出したからです。まさに、まちをあげてのラベンダー栽培によって、今の富良野があるのです。

7月といえばラベンダー観光!

 ラベンダーの紫色のじゅうたんが広がる風景、感動的ですね。有名なのは中富良野町にあるファーム富田。地元では富田さんと言ったりもするようですが、ここは絶対に見ておきたいラベンダービューポイントです。ただ、難点なのは渋滞です。道内外から観光客がどっと押し寄せます。観光に行くときは時間に余裕を持って……。