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街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

道内各地の特産品や地場産業の話題をお伝えする連載「北洋銀行のこの街紹介」。今回は、恵庭市恵み野からお届けします。

JR恵み野駅に降り立ち商店街を歩けば、他の街とはちょっと違うことにすぐ気がつくはずです。とにかく花、花、花。通りにも店先にも民家の庭にも、色とりどりの花がたくさん咲いているのです。どうしてこんな街ができあがったのか、探ってみました。(トップ写真提供:内倉真裕美)

住民が中心となってできた花の街

▼どこか外国のような街並み(写真提供:内倉真裕美)
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

恵み野は、恵庭市北部にあるニュータウン。そもそも開発計画当初から単なるベッドタウンにしないことを目標にされていたそうで、駅から伸びる主要な歩道は、花壇が配備できるように6メートル以上の広さでつくられました。しかし、いくら「場」をつくっても「人」が動かなければ、現在の恵み野の風景は実現しなかったはずです。

「もともと花の生産者が多く、ガーデニングの街として知られていたんですよ」と語るのは、内倉真裕美さん。まさに、この街を花であふれさせた仕掛け人です。

▼緑に囲まれ、にこやかに語る内倉さん
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

1995年、内倉さんを中心に「恵み野花のまちづくり推進協議会(恵み野花協)」が発足しました。地元の商店会や町内会、小中学校、恵み野駅などが賛同し、実に13もの団体がタッグを組んだのです。恵庭市も協力してバリアフリーの工事を行い、商店会と協定を結んで花壇を整備するなど、計画はどんどん進行していきました。

▼商店街花壇の配備可能な幅広の歩道(写真提供:内倉真裕美)
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

しかし、住民全員の足並みが揃うかというと、そう簡単にはいかないもの。計画に協力的でガーデニングに精を出す人もいれば、当然のことながら、忙しくて庭の手入れもままならない人もいました。均質な景観づくりを住民たちで行うことの難しさが、そこにはありました。

「手間やお金をかけられない人でも、見栄えのいい花壇をつくるためにはどうしたらいいのだろう?」

そんな難題に、内倉さんはひとつの答えを出します。

「みんなで手伝いながらつくっていけばいいんだ!」

今では多くの人の協力もいただいています。また、一年草ではなく多年草を植えるようにするなど、手間もコストもかからない方法も考えました。

こうした取り組みは高く評価され、コンクールなどで表彰されるようになったのです。

歩くだけで浮き立つガーデンギャラリー

▼民家の見事なオープンガーデン(写真提供:内倉真裕美)
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

恵み野地区では個人の庭を紹介するオープンガーデンが盛んで、道と川の駅 花ロードえにわやJR恵み野駅に置いてある花マップには40件近い庭が紹介されています。花マップに書かれているマナーを守りながら庭散策をしてみてはいかがでしょう。

▼学生ボランティアも活躍(写真提供:内倉真裕美)
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

また、「恵み野花協」では恵み野の中央公園の道路沿いに白いアジサイ(アナベル)を植える「アジサイいっぱい運動」や、公共の通りに花を植える「花の千人植え活動」も行っています。30年近い活動は、今では小中学生やまちの人、商店の人が参加する一大イベントになっていて、参加人数は1,000人を超えるというから驚きです。

▼花のあふれる街には笑顔もあふれる(写真提供:内倉真裕美)
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

恵み野の中学生が参加する「花の千人植え活動」の場所は事前に父親たちが組織する「おやじの会」が土を耕し、恵み野花協が花の提供と指導にあたります。活動の場は恵み野駅前から商店街を通り抜け、なんと2キロにも及んでいます。

▼店先も歩道も緑がたくさん
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

現在、恵み野の商店街はガーデンギャラリーとして進化し続けています。広い歩道には見事な花壇が配備され、建ち並ぶ店先にも花が植えられています。ガーデンギャラリーは、JR恵み野駅から真っ直ぐ伸びた「やすらぎストリート」の途中、恵庭恵み野郵便局からスタートしており、さらに交番を左折して続く「花さんぽストリート」全体が、ガーデンギャラリーとなっています。ちなみに、内倉さんが店長を務める「Coffe Carrot」もこの一角に。

ガーデンギャラリーには、車を停めるスペースもあり、花の街の評判を聞きつけて道内外から訪れる観光客が、熱心に写真を撮っているのも、恵み野ではよく見かける光景。

▼「Coffe Carrot」の前の美しい景観
街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

今後、恵み野ではさまざまなイベントや、駅から定期循環するバス巡りツアーなども計画しているとか。住民が中心となってつくりあげた景観は、手掛けた人々それぞれの個性を放ちつつ、花の街を表情豊かに彩っています。

バラの咲く6月中旬から8月頃は特に見頃だと、内倉さんは教えてくれました。ぜひ天気の良い日に訪れて、街あるきの楽しさ、花々の美しさを堪能してみてください。

取材協力
恵み野花の街づくり仕掛け人・恵庭花のまちづくり推進協議会会長・Coffee Carrot 店長
内倉 真裕美

北洋銀行 恵庭中央支店 恵み野出張所

街を歩けば花、花、花!恵み野の住民が挑んだ花の街づくりストーリー

所在地:北海道恵庭市恵み野西2丁目2番地
電話:0123-36-2111

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】