グッドデザイン大賞を受賞した岩見沢駅舎

 2009年11月6日、岩見沢市の中核駅、岩見沢駅舎が2009年グッドデザイン大賞を受賞しました。強豪を抑えて選出された日本一の称号に、岩見沢は歓喜に包まれました。

全焼した3代目岩見沢駅

 岩見沢駅舎は、1882年に幌内鉄道のフラグステーションとして仮設置され、1884年に駅員が配属されて正式に駅として開業。そのころ新築された初代停車場(駅舎)は1892年に2代目駅舎に建て替えられ、1933年には3代目駅舎が誕生。しかし、2000年12月10日、その3代目駅舎が漏電で焼失してしまいました。

悲劇から立ち直る岩見沢駅

 そこでそれ以降プレハブ駅舎として営業し、2007年までの6年半活用されました。その間、新駅舎の構想が練られ、全国初となる公募型駅舎デザインコンペを開催。376点から最優秀賞が選ばれました。

 選ばれた作品は、東京都の有限会社ワークヴィジョンズ・西村浩氏のデザインで、駅舎壁面にレンガを敷き詰め、ガラスサッシに古レールを使うという、斬新なアイデアでした。複合駅舎にはセンターホール、市の出張所、観光案内所、売店、駐輪場が入っており、駅改札口は中央3階部に入っています。

 これを経て新駅舎建築作業は2006年3月に着工しました。そして、2007年6月23日に新駅舎が一部開業し、2009年3月30日に複合施設や南北自由通路が開業し、鉄筋コンクリート造り3階建の新駅舎が全面オープンとなりました。

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岩見沢複合駅舎がグッドデザイン大賞

 2009年10月1日、グッドデザイン大賞候補15点の1つにノミネートされ、11月6日の最終選考会・大賞発表において、大賞を受賞しました。1回目の投票では、岩見沢駅舎が1位(188票)、TOTOが2位で186票でした。

 2回目の投票は上位5点から選定され、1位の岩見沢駅舎が2位に108票の差をつけて圧勝(374票)。町の活性化に貢献したことも評価され、見事、グッドデザイン大賞という輝かしい賞を得ることになりました。

グッドデザイン大賞受賞に盛り上がる

 これを受けて、全国テレビでも岩見沢駅舎が取材を受けたり、鉄道ファンやデザイン関係者を中心に訪れる人が多くなりました。JR北海道などは受賞記念リーフレットを発行。市観光協会などは記念絵はがきを発売。駅前のたいやき屋ではこれを記念した紅白たいやきを発売しました。

 駅舎には受賞の垂れ幕大賞受賞プレートが設置されたほか、北海道は12月25日、2009年度の北海道赤レンガ建築賞に岩見沢複合駅舎を選出しました。地元紙・プレス空知では、2009年の10大ニュースのトップに岩見沢駅舎のグッドデザイン大賞受賞をあげており、地元での話題の大きさがうかがえます。