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岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎

編集部
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岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎

【岩見沢市】4代目JR岩見沢駅は、岩見沢の玄関口にふさわしいデザインの駅舎として2009年3月30日に全面開業した。古レールを保存活用した全国初の岩見沢複合駅舎は高い評価を得、2009年11月にグッドデザイン大賞を受賞した実績も持つ。

そんな岩見沢駅舎には、未来のレールが6本使われていて、いつでもだれでも見ることができるという。一体、どういうことなのだろうか。実際に岩見沢駅舎を訪ねた。

2・3階部分に張り巡らされた古レール

岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎

岩見沢複合駅舎の外観は概ね、1階部分はレンガ、2階と3階はガラス張りとなっている。そのガラス面には古レンガが使われている。その総数は、建物を取り囲むように232本。それぞれが縦に、天に向かってのびている。

岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎 古レールは道内で実際に使われていたもので、JR北海道が駅舎建設のために道内から集めた。レールには1本1本、製造所、製造年・月、断面形状、重量が刻印されている。ここで使われている最も古いレールは、アメリカ・カーネギー社1900年製のレールで、有明交流プラザのホーム側に2本みられる。日本製で最も古い1910年製レールは、有明交流プラザと駅舎正面に計6本ある。

注目すべき珍しいレールとしては、駐輪場正面にあるラッカワンナ社1922年製レール。これには「OTARU」と最初に刻印されており、陸揚げ港である小樽の名が刻印されているとして、大変希少なレールである。このように、外国製レールが北海道には比較的多く残っている。

岩見沢複合駅舎で使われている古レールデータ
●有明交流プラザ:109本(正面46本・西側17本・ホーム側46本)
●岩見沢駅舎:43本(正面のみ)
●駐輪場・南昇降棟:34本(正面のみ)
●北昇降棟:46本(ホーム側7本・正面13本・北側26本)

国別の古レールデータ
日本 1社174本
・八幡製鉄所 174本
アメリカ 4社29本
・バッファロー社(L.S.Co.BUFFALO) 1本
・テネシー社(OH TENNE SSEE) 13本
・カーネギー社(CARNEGIE) 13本
・ラッカワンナ社(OH LACKAWANNA) 2本
ドイツ 3社16本
・ライン社(R.S.W) 8本
・ユニオン社(UNION) 7本
・ティッセン社(THYSSEN) 1本
イギリス 2社5本
・カメル社(CAMMELL.S.STEEL.W) 4本
・ボルコボーン社(BV&CO.) 1本
国籍不明 8本

2601年・2602年・2604年・2605年の未来のレール

ところで、その中でも、はっきりと2600年代の刻印がなされているレールも見つけることができる。存在するのは下記の場所。2601年が3本、2602年が1本、2604年が1本、2605年が1本、合計6本ある。

(1) 岩見沢駅舎正面、有明交流プラザとの接点に2605年のレール
(2) 岩見沢駅舎正面、駐輪場側に2601年のレール
(3) 岩見沢駅舎正面、駐輪場側に2604年のレール
(4) 駐輪場・南昇降棟正面、駅舎側に2601年のレール
(5) 駐輪場・南昇降棟正面、駅舎側に2601年のレール
(6) 北昇降棟正面、ホーム側に2602年のレール
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎

いずれも日本製の6本は、未来の製造年を刻印している。

実はこれには理由があった。これらは昭和16年(1941年)~22年(1947年)の間に製造されたとされている。つまり、太平洋戦争の期間を含んでいる。官営八幡製鉄所は戦争勃発したことをうけ敵対的表示を禁止、西暦の使用を避けた。

そこで使ったのが「皇紀(こうき)」。皇紀とは、日本書紀の記述を元に神武天皇即位の年、つまり紀元前660年を元年とする紀元のこと。つまり、2600年代のレールはそれぞれ、皇紀2601年(西暦1941年)、皇紀2602年(西暦1942年)、皇紀2604年(西暦1944年)、皇紀2605年(西暦1945年)となる。戦時下で製造されたレールであることを示しているのだった。

▼岩見沢駅舎隣接有明交流プラザ・ホーム側に展示されているレールに関する説明
岩見沢駅には未来のレールが6本ある?2601年や2605年製造の謎

長年、北海道の鉄路を支えてきたレール。100年以上も昔に作られた外国製レール。それらは今も鉄道とともに発展した町・岩見沢の駅舎で輝き続けている。岩見沢駅舎をぐるっと歩きながら古レールを探してみてはいかが。

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