ラベンダー栽培「発祥の地」は富良野ではなく札幌市南区だった

北海道の夏の風物詩「ラベンダー」。富良野地区のラベンダー畑は全国的に知名度があり、毎年7月に多くの観光客が押し寄せています。とはいえ、ラベンダー栽培のルーツは札幌市南区である、ということはあまり知られていません。そして、札幌市内にラベンダースポットが点在していることも。

今回は、日本におけるラベンダー栽培の始まりを追いました。

札幌でラベンダー栽培の最盛期を迎えた昭和30年代には、南区南沢の丘陵地には紫の絨毯が広がっていましたが、1972年頃から合成香料の発達と貿易自由化により、安価な輸入香料が日本にも押し寄せてきました。これにより、国産オイル生産が衰退、オイル抽出としてのラベンダー農業の歴史も衰退していきました。サッポロ曽田農場と名称を変えていた日本初のラベンダー農場も1980年には解散してしまいました。現在では、農作物としてではなく観賞用として栽培されています。

一方、旧国鉄のカレンダーに美しい富良野のラベンダーの写真が起用されたことで、全国的に富良野のラベンダー畑が脚光を浴び、以来、ラベンダーと言えば富良野という構図が定着してしまいましたが、しかし札幌市南区が国内ラベンダー発祥地であることに変わりはありません。

富良野もいいけど、発祥地札幌市にもラベンダースポットが数多く点在しています。札幌市南区南沢には発祥の地碑も建立されています。ラベンダー栽培の歴史に思いを馳せながら巡ってみてはいかが?