北海道のキャッチフレーズ「試される大地」とは

 2009年4月1日から使用制限されることになった「試される大地」。いま や北海道のロゴマーク、キャッチフレーズとして定着した言葉ですが、そ もそもなんでこの言葉なのでしょうか。

試される大地とは

 「試される大地」という言葉やロゴマーク、道内ならお見かけした人は 圧倒的多数でしょう(北海道の調査では道民96%の周知率、道外では約半数の 人が知っているとの結果が出ています)。

 申請の4割を占めているのが、納豆・魚のおつまみ、観光土産など、北海 道で作られたいわゆる道産品の食品のパッケージ。ほかにも北海道のポスタ ー、函館市電、エア・ドゥの機体にまで描かれるようになりました。

6万点から選ばれたのがこれ

 このマークは1998年8月、北海道(広報広聴課)が「北海道イメージアップ キャンペーン推進事業」の一環として、北海道のイメージアップのためロゴ マークを決めようということで公募、9月に決定しました。

 1ヶ月間の全国公募により合計61054点(うち、キャッチフレーズが5.5万件) も応募が寄せられ、最終的に決まったのが以下の神奈川県からの応募である キャッチフレーズと京都府からの応募であるロゴマーク。道民が応募したも のではありませんでした。

キャッチフレーズ:「試される大地。」(明朝体)
ロゴマーク:黒筆文字に「北」は一部赤、「海」は一部緑、「道」は一部水色
その他:「私たちは北海道を応援しています」を併記するよう推奨

 実はこのキャッチフレーズ、全日本広告連盟主催「全日本広告大賞」も 受賞しています。

そして、何が試されている……のか

 試されてるのか~と少しネガティブなイメージがあり、イメージアップ やPRには使えないじゃないかとか、意味不明だとか、道民には不評のこの PRマーク。初めて見た人はまず自虐的な意味合いに感じるでしょう。

 しかし、選定直前にあった北海道拓殖銀行(拓銀)の破たんゆえの不況で 北海道が試されている、という受け身の意味合いではなく、もっと前向き な深い意味があります。

 公式見解では「自らに問いかけ」「世に問う」という意味合いだとして います。自立した北海道の未来・次代への挑戦、可能性、価値、そうした 面も含んでいます。

 地元北海道に目を向けてごらん、魅力、誇れる資源があるではないか、 、それを生かしていこうではないかというチャレンジ精神(TRY)。前向き に挑戦するプラス志向の考え方が背後にあります。

 いまや北海道を指す代名詞としても使われるようになりました。でも、 届け出があればだれでも使用できたので、北海道の推奨品であるとか、北 海道産のものであるということではないので、食の安全が叫ばれるいま、 使用制限ということになりました(北海道のアンケートでは道産品・北海 道推奨品のマークだと思っている人が2割ほどいるとか)。2009年以降は 北海道認証制度認定の食品、直接販売に関係ないことについては使用で きるようになりました。