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利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

利尻島の若手漁師たちが任意団体「NORTH FLAGGERS(ノース フラッガーズ)」を設立し、2018年5月9日に札幌市内の離島キッチンでお披露目会を行いました。彼らが目指すのは、漁業で成り立つ利尻島全体の活性化。島の漁師・漁協・行政が複合的な事業において一致協力するのは初めてで、全国でも例のない取り組みとして注目を集めそうです。

島の未来を導く「NORTH FLAGGERS」

5月9日の旗揚げ・お披露目イベント。利尻島から「NORTH FLAGGERS」の漁師や事務局のメンバーが来札し、メンバー紹介、団体設立の意義や目的について説明がなされました。

「NORTH FLAGGERS」とは、その名の通り「北の旗揚げ人」という意味。かつて、漁の可否を示す旗があり、漁師たちをはじめ人々を導いていました。今はなきその旗のように、漁師の手で島の魅力を発信し、島の未来を導いていきたいという思いが込められています。

▼「NORTH FLAGGERS」の旗揚げイベントにて
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

立ち上げに関わったのは、震災後の東北において水産業を盛り上げるチーム「フィッシャーマン・ジャパン」を若手漁師と立ち上げたほか、国土交通省離島活性事業でプロデュースした実績を持つ長谷川琢也さん。2017年の初め、利尻町のオファーを受けた長谷川さんが利尻島の若手漁師を集めて過去の事例を紹介したところ、代表の小坂善一さんが「そういうことをやりたかった」と手を挙げて意気投合、「NORTH FLAGGERS」の結成につながりました。

▼「NORTH FLAGGERS」を紹介する長谷川琢也さん
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

行政+漁協+漁師による取り組みの意義

漁師団体は全国に数多くありますが、「NORTH FLAGGERS」が珍しいのは、漁師と漁協と複数の自治体が関わっているという点。利尻島には道内の離島で唯一、利尻町と利尻富士町の2つの自治体があるほか、利尻漁業協同組合は旧漁協の4つの本支所(鴛泊、鬼脇、沓形、仙法志)があります。

そのような事情の中、利尻町で始まったプロジェクトに利尻富士町が加わり、各町長や漁協の理事からの理解も得られ、地域の枠を超えて一丸となって複合的事業を行う体制が築けたのは、全国でもほとんど例がないといいます。「リーシリーボーイズ」が話題になったように、斜め上を行く取り組みが受け入れられる土壌であることも大きいのかもしれません。

▼利尻町と利尻富士町の2つの自治体がある利尻島
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

「NORTH FLAGGERS」が目指すのは、漁師が中心となって島を盛り上げていくこと。具体的には、島の人口を増やしたり観光客を増やしたり島の経済効果を高めていくことであり、漁師が起点になっているのがポイントです。

なぜこれが重要かというと、利尻島は農業・林業・畜産業がほとんどなく、漁業+サービス業で成り立っている島だからです。「今まで当たり前のようだけど気づけなかったこと、気づけても動けなかったことが、行政と漁協の応援によって漁師自ら取り組めるようになったのは面白く、実現すれば漁師による漁師のための島になる」と長谷川さんは話します。

▼挨拶する「NORTH FLAGGERS」のメンバー(右から4人目が代表の小坂さん)
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

頑張っている漁師を応援したい行政

「NORTH FLAGGERS」のメンバーは、地元出身もしくは移住してきた若手で、平均35歳。漁師7名、事務局2名の計9名で発足しました。

人選の基準は「はっきりしたものはないものの、元気があって面白そうな人」と話すのは、事務局で利尻町まち産業推進課の平沼利弥さん。将来へのビジョンがあり、実績が地元で認められており、リーダーシップのある人が選ばれました。今後、メンバーを増やしていきたいと考えています。

平沼さんは、「まず頑張っている漁師を応援して底上げしたい。生産者と消費者がつながるイベントを継続して行うことで、価値向上やファン拡大につながれば、やがて全体のベースアップにつながる」と話します。

昆布やうにだけじゃない利尻島の魅力あふれる料理

利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

昆布やうにを除けば、地名のついた魚はあまりないのが現状の利尻島。そこで、利尻産をうたう商品を作って漁協主体で販売していくほか、ふるさと納税の活用も視野に入れています。

お披露目イベントでは、利尻島産の食材を使った料理が提供されました。利尻島といえば昆布やうにが有名ですが、ホッケやタコなど様々な海産物が獲れます。その一部をご紹介します。

▼利尻昆布うどんのペペロンチーノ
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

▼利尻島のタコとワサビ和えカルパッチョ、とろろ昆布と昆布醤油をかけたサラダ
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

▼利尻島の居酒屋ではメジャーな「利尻島ホッケちゃんちゃん焼き」
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

▼利尻島産ムラサキウニを使った「うにぎり」
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

▼利尻島で加工まで行った「利尻島ホッケの揚げかまぼこ」
利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

利尻島の若手漁師が立ち上がった!行政と漁協とが一丸となって団体設立

公式サイトは漁師のものとは思えないほどカッコよいつくりで、子どもに向けた漁業体験ツアー、ウニ獲り体験、昆布干し子のアルバイト募集など、観光・食・仕事の分野で利尻島を紹介しPRしていく予定です。

年度内には法人化も検討しているという「NORTH FLAGGERS」。具体的な取り組みはこれからですが、離島活性の実績を持つヤフーや離島経済新聞社が関わり、何より地元の若手の熱い思いが原動力となって利尻島を変えていくに違いありません。

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