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小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

観光地として根強い人気を誇っている小樽。ロマンチックな街並みは、歩いているだけで心が浮き立ちます。しかし、何度目かの小樽を訪れた際、筆者はふとした違和感を覚えずにはいられませんでした。違和感の原因を探っていくと、それはなんと消火栓なのでした。小樽の消火栓は、やたらカラフルで、しかも色がバラバラ。これは一体、どういうことなのでしょうか?

赤に青に黄色にシルバー!?

▼ビビッドな赤い消火栓
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

消火栓がやたらカラフルだと気づいてからは、小樽の街を歩く際に消火栓が気になって仕方ありません。ビビッドな赤い消火栓があると思いきや、黄色い消火栓もあり、青い消火栓もあります。すわ信号か、と思っていたら、本体は赤くて笠だけ黄色という変わり種まで発見する始末。

▼上から見るとちょっとかわいい
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

これはもう、調べるしかありません。ということで小樽市消防本部に質問したところ、返ってきた答えは以下の通り。

「小樽市は市街地の中央部を山に囲まれ、平地は少なく、全体的に坂道の多い街です。こうした高低差の激しい地形的条件でも市民に安定した水を供給できるよう、配水池を35カ所設置し、そこから延びる水道管がそれぞれ各家庭や施設に接続されています。40もの配管系統があるため、火災で消防隊がお互いに安定した水源のもとで消火活動できるよう、職員の発案で系統別に消火栓を色分けしているのです」

▼カラフルな消火栓には、意味があった
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

なるほど、カラフルな消火栓には、ちゃんと意味があったのですね。ちなみに小樽市の消火栓は1975(昭和50)年から現在に至るまで、約1,500基が整備されているのだとか。

▼市内に35カ所点在する配水池
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

実は、色分けをするきっかけとなった出来事がありました。1974(昭和49)年、小樽市内で全焼6棟、半焼1棟、部分焼4棟(29世帯、罹災者93名)、焼損面積2,519平方メートルという大きな火災が発生したのです。その際、同じ排水系統の消火栓から何台もの消防車が水を吸い上げたため、配水管の中の水量が落ち、消火栓から水が出にくくなるという経験をしたのです。

▼街に溶け込むたくさんの消火栓
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

この経験を教訓に、ひと目で配水系統の異なる消火栓を見分けられるよう、色分けがなされたのでした。

どれほどの色分けがされているのか

では、実際にどのように色分けされているのか、消防本部に教えてもらいました。以下のイラストのように、5種類の色分けがあるそうです。

▼40の配管系統が5種類に色分け(資料提供:小樽市消防本部)
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

イラスト左から、実際の写真を見ながら説明していきましょう。

▼赤+赤は、低区や見晴など、もっとも多い15系統
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

▼青+青は、高区や桜第2高区など8系統
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

▼黄+黄は、中区や桜第1高区など4系統
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

▼赤+黄は、真栄や於古発など9系統
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

▼赤+青は、潮見台や松ヶ枝など4系統
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

ちなみにこれらの消火栓は和田式というもので、このように色分けされているところは全国的にも珍しいのだそう。さらに、こんな消火栓も。

▼形も異なるシルバーの消火栓
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

これは前澤式という消火栓で、小樽市内では商業施設の周囲など10数本しか存在しないそう。見つけると、ちょっとテンションが上がるかも。

カラフルな消火栓には、とても合理的で機能的な意味があったということが分かりました。たまに消火栓を写真に撮っている観光客もいるので、お節介かと思いつつも教えてあげたくなりますね。それでは、最後に消防本部からいただいた分かりやすい資料を掲載しておきましょう。これでもっと理解が深まるはずです。

▼配水池図(資料提供:小樽市消防本部)
小樽の消火栓はなぜカラフルなの?小樽市消防本部に答えを聞きました

取材協力
小樽市消防本部
所在地:北海道小樽市花園2丁目12番1号
電話:0134-22-9130
公式サイト

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】