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地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

石簾マサ
Written by 石簾マサ

札幌の地下鉄南北線に乗って真駒内方面に向かうと、平岸駅を過ぎたあたりで突然地上に出ます。そして地下に戻ることなく、そのまま終点の真駒内駅まで地上を走り続けます。さらに言えば、地上には出るのですが、外に出るのではなく、走るのは密閉された空間の中。なぜ地下鉄なのに地上に出るのか、地上に出たのに外に出ないのか、気になるあれこれを札幌市交通局にお聞きしました。

シェルターが作られたワケ

地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

札幌の地下鉄の開業は1971(昭和46)年。1972年に行われる冬季オリンピックにあわせての開業でした。なぜ途中から地下ではなく地上を走るようになったかというと、用地買収が間に合わなかった、条件が整わなかったなどの理由と、地下よりも地上を走らせた方が、コストが安いということがわかったからなのだとか。

▼地下鉄南北線自衛隊前駅
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

最初の計画では外を走り、冬は除雪する計画でした。しかし、積雪時に毎回除雪していてはたぶん問題が発生するだろう、ということですべてを覆うことになったのです。この覆いをシェルターといい、地上に出る場所から終点の真駒内までいちども外に出ることなくシェルターに覆われています。

▼地下鉄南北線真駒内駅
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

このシェルターの正式名称ですが「南北線シェルター」と言うことをご存じですか? さらに豆知識! 地上部分をすべて覆っている鉄道は日本では唯一ここ札幌だけなのです。

シェルターに関するあれやこれや

環状通を豊平川方向から豊平区役所方向、西から東へと車を走らせると、平岸通りを過ぎて300mぐらいの右側にかまぼこの断面のようなシェルターが現れます。

▼ここから南北線は地上に出てくる
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

ここから真駒内駅まで、総延長4,308mの区間をシェルターが覆っています。シェルターの幅は、いちばん狭いところで8.41m、いちばん広いところで16.64mあります。

▼シェルターを上から見るとこんな感じ
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

シェルターには採光のために窓が付けられています。実はこの窓、開けられるのです。札幌市交通局にお伺いすると、窓を開けないと夏は温度が上がるからとのこと。どうやって窓の開け閉めをしているのかとお聞きすると、駅舎の窓のみを開閉していて、掃除についてもすべて手作業でしているのだとか。それも営業時間が終わった後に職員が行っているということでした。

▼各駅にある窓には網戸が付いている
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

今回、シェルターを取材するということで、シェルターに沿って歩いてみました。すると橋脚に下写真のようなプレートが付いていることに気づきました。

▼橋脚に付いているプレート
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

よくよく見るとプレートに違いがあります。

▼情報量の多いプレート
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

このプレートについても聞いてみました。P-○○○という番号は連番で、作られた順に付いていて、頭の「P」は支柱を意味する「Pillar」の略なのだそうです。P-○○○の下に書かれている「ML8k326m」という数字は、キロ程(きろてい)と呼ばれるもので、北24条駅を起点としてその地点までの距離を表しており、その下にある距離は駅近辺だけの表記で、駅までの参考距離を表示しています。

▼地下鉄南北線真駒内駅
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

全国的にも珍しいシェルターですが、橋脚の上に乗っているため見上げるしかありません。ただし、真駒内駅の東側にある通称桜山の散策路からは、同じ目線でシェルターとその中を見ることができます。いろいろな角度から眺めていると、巨大生物のようにも思えてくる不思議なシェルター。札幌に住んでいる人は、改めて見てみると新鮮でおもしろいかもしれませんよ。

▼桜山から見たシェルターとその中を走る南北線
地下鉄なのにシェルター?! 南北線の一部区間が地上に出るワケとは

取材協力
札幌市交通局
所在地:札幌市厚別区大谷地東2丁目4-1
電話番号:011-896-2708
公式サイト

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】