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完成当時は時計塔がなかった?「札幌市時計台」の知られざる歴史

現在の時計台、そして新しいクラーク像

ちなみに現存している時計台は当初のままの姿で残されたものです。外観は洋風ですが、後から付けた時計塔は安達喜幸氏のデザインで、実は和風だということをご存じでしょうか。神社の神輿ややぐらに使われる型なのですが、それでも違和感なくマッチしているところが不思議な、独特な建物になっています。

▼時計塔部分は実は和風のデザイン
完成当時は時計塔がなかった?「札幌市時計台」の知られざる歴史

最初の頃の記録は残っていませんが、時計塔の保守は明治20年代から中野時計店が行っていました。ところが時代が流れ、昭和に入ったばかりの1928(昭和3)年頃になると時計が止まり、誰も修理する人がいなかったといいます。

そこで手を挙げたのが、井上清さんでした。止まってしまった時計をいつか直したいと考えていた清さんは市役所に掛け合い、1933(昭和8)年にボランティアで修理を開始。

▼赤い屋根のすぐ上、白い板の真ん中部分に清さんの修理跡が
完成当時は時計塔がなかった?「札幌市時計台」の知られざる歴史

機械室にある採光のためのガラス窓が割れ、そこから雨漏りし、機械が錆びて動かなくなっていました。清さんは板で窓を塞ぎ、機械を修理し、約5年間止まったままだった時計を動くようにしたのです。

▼文字盤の真ん中から左寄りには、文字盤上の電球を変える扉も
完成当時は時計塔がなかった?「札幌市時計台」の知られざる歴史

その後、1961(昭和36)年には札幌市の有形文化財第1号に指定され、1970(昭和45)年には国の重要文化財に指定された時計台。清さんの息子である和雄さんが、2014(平成26)年3月まで保守を受け継いでいたそうです。

さて、そんな時計台に2017年10月16日、新たな記念撮影スポットが登場しました。時計台の2階に、クラーク博士がお目見えしたのです。

▼背もたれに回した左手がダンディ!
完成当時は時計塔がなかった?「札幌市時計台」の知られざる歴史

ベンチに並んで座ればクラーク博士とのツーショット写真が撮れるとあって、早くも観光客から好評を得ています。そんな情報は知らない、もしくは知っていても指をくわえて見ているだけなんて、もったいない! ぜひクラーク博士と写真を撮って、時計台の歴史に思いを馳せてみてください。そしてホイーラー教頭や井上さん親子など、時計台を支えてきた人々の熱い情熱を思い起こしてみてくださいね。

札幌市時計台
所在地:札幌市中央区北1条西2丁目
電話:011-231-0838
営業時間:8時45分~17時10分(入館は17時まで)
料金:大人200円、高校生以下は無料
公式サイト

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。