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風力発電風車王国&発祥地北海道

編集部
Written by 編集部

 北海道は国内有数の風力発電風車を擁する地域です。それだけでなく、国内における風力発電のはじまりの地でもあります。今回は風力発電王国北海道を特集します。

風力発電風車王国&発祥地北海道

北海道の風 情報「たば風」

 道内では特に日本海側で強い風が吹きます。これを覚えておきましょう。そのことは、一部地域で呼ばれている風の名前でもあらわれています。「たば風」をご存知でしょうか。檜山管内江差町を中心とした檜山地域で呼ばれている風の愛称(方言)です。

 「たば風」とは、特に寒さの厳しい2月に、北北西から西北西に吹く強風、季節風のことで、束のように吹き付ける風の雰囲気からそう名づけられ、古くから地元で呼ばれてきました。

 そんなわけで、この風に負けぬよう、この時期に江差町では多種多様のイベントが開催されます。江差ではさらに、江差保健所発行「たば風通信」があったり、江差の町を「たば風の吹く里」と呼んだりして、生活の一部となっています。

 お隣の上ノ国町の重要文化財旧笹浪家住宅には、たば風対策として、家の正面の軒先を低くするという工夫が施されており、昔からこの地域のたば風が厳しかったことが伺えます。

 江差沖で沈没した開陽丸も、沈没の原因は暴風のためであることが示されており、このたば風の影響を受けて沈没してしまったという説があるそうです。また、絵画作品や書物の題名としても「たば風」が付されるものも登場してきました。

北海道の風 情報「あい風」

 同じ日本海側の石狩市厚田区には「あい風」と呼ばれる風もあります。こちらも北西風ですが、意味合いは違います。名前の由来は海を藍色に染める風だから。春先に吹き、この風が吹くと地元では春の訪れを知ります。

 春先だけではなく、四季折々、多様な風が吹き抜けます。野山を色づかせ、夏には優しい風、冬には厳しい風となります。

風力発電風車が多い!

風力発電風車王国&発祥地北海道
風力発電風車王国&発祥地北海道

 風が強い日本海側では、風力発電の巨大風車が林立しています。特に留萌管内苫前町では、風が強いことを有効活用し、町ぐるみで風力発電を行っており、国内有数の風車を有します。ちなみに苫前の風速は年間で平均すると約6mにもなります。

 道内全体でみると、留萌管内各地のほか、オホーツク海側を含めた宗谷管内、石狩管内、後志管内の日本海側、檜山管内といった日本海側が9割程度の設置率です。檜山管内せたな町の瀬棚港には、2004年4月1日稼動開始の日本初の洋上風車(愛称:風海鳥=かざみどり)もあります。ほかにも年間通じて常に風があるという室蘭市、風が強い太平洋側のえりも町、根室市でも何基か設置されています。

風力発電風車王国&発祥地北海道

せたな町・日本初洋上風車風海鳥
風力発電風車王国&発祥地北海道
風力発電風車王国&発祥地北海道
風力発電風車王国&発祥地北海道

オトンルイ風力発電動画(ムービー)

風力発電発祥地!

 風車の数だけでも道内に263基(2006年9月)で、日本一といわれるほどの充実ぶりですが、日本におけ る風力発電が始まったのも北海道です。それは「山田風車」と呼ばれる風車で、これが誕生した地というのが北海道というわけです。

 山田基博氏は大正時代1918年名寄生まれで、風車はどこでも利用できる発電装置として開発されました。戦前は、1938年にまず稚内で1号機を設置し、200台以上を当時の値段で1台100円以上で販売したとされています。

 戦後は札幌に工場を新設、北海道の開拓農家の暮らしにも役立てられました。この風車はプロペラに丈夫で軽いエゾマツを使い、耐久性がよく、寿命が長く、故障も少ない、それでいて安い値段なのが魅力でした。そのためか、国内外にも輸出されていました。

 風力発電の国内発祥地、そして現代版風力発電風車の設置数は日本一といわれており、まさに北海道は風力発電風車王国といえるでしょう。

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