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ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

10月の連載テーマは「夕張支線」。2019年4月1日に廃止されることが決定しているJR北海道石勝線夕張支線について、これまで3回にわたって紹介してきました。

最終回の今回は、夕張の現状と今後の展望を夕張新聞編集者の小林直樹さんに語っていただきました。今だからこそ夕張に行きたくなる、そのささやかなきっかけづくりになればと、グルメ情報なども教えてもらったのでお楽しみに。

夕張へ行こう、夕張の今を見よう

夕張新聞は、紙の新聞ではありません。北海道ファンマガジンと同じで、インターネットで公開されているウェブ上の新聞です。夕張にまつわる出来事やイベント、はたまたニッチな情報まで、あらゆるニュースを取り上げています。その執筆・編集を行っているのが、1982年夕張市生まれの小林直樹さんです。まず夕張新聞では、夕張支線廃止をどのように受け止めてきたのか、伺いました。

「淡々と、ごく普通に受け止めたという感じですね。僕自身、夕張で生まれ育ち、どんどん乗客が減っていくのを見てきましたから。市の財政破綻から、こうなることは予想されたことだ、と」(小林さん)

▼2018年10月26日現在、カウントダウンは160日を切った(写真は8月28日のもの)
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

連載第3回でも夕張市民の声をお届けしましたが、やはり小林さんも皆と同じく淡々と語ります。それでも、夕張新聞に掲載された夕張支線廃止に関するニュースを読むと、地元民ならではの諦観の混じった寂しさが感じられます。

「夕張新聞では、廃止前日の2019年3月31日までの3日間、夕張支線についての特集を組む予定です。夕張市民はもちろん、他の皆さんにも、夕張の現実を見て知ってほしいという思いがあります。そして、ダメなところはダメと指摘していただきたい。そうしないと、同じことの繰り返しのような気がして」(小林さん)

▼夕張市人口も減少の一途
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

夕張の現実を見て知ってもらうためには、やはり夕張に足を運んでもらうことが大事だと語る小林さん。夕張で開催される大きなイベントを教えてもらいました。

「まずは世界的に夕張の名を広めた『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』。それから毎年6月下旬に開催され、夕張メロンの試食もできる『夕張メロン祭り』。あと、今年は残念ながら北海道胆振東部地震の影響で中止になりましたが、紅葉の時期に開催される『夕張もみじ祭り』もおすすめです」(小林さん)

▼もみじ祭りは、滝の上公園で3日間開催
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

「夕張もみじ祭り」に関しては、以前、北海道ファンマガジンでも取り上げたので、ぜひチェックしてみてください。イベントに興味を持つことが、夕張に興味を持つきっかけになるかもしれません。

夕張グルメも訪れるきっかけに

その土地を訪れたいと思うきっかけが、地元のグルメであることもよくあること。実は小林さんには以前、北海道ファンマガジンでも夕張のグルメについて記事を執筆してもらったことがありました。夕張支線の終着駅・夕張駅のすぐ前にある、屋台村「バリー屋台」についてです。

▼夕張駅前にある「バリー屋台」
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

このバリー屋台でも食べられて、夕張のご当地グルメとして知られるのが、カレーそば。カレーうどんよりさっぱりした味わいで、気がつけばつるっと完食してしまうおいしさです。

▼夕張市民に愛されるカレーそば
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

また、小林さんのおすすめする夕張スイーツは、夕張支線清水沢駅最寄りの「お菓子のふじ」です。1947年創業の老舗洋菓子店で、夕張市民なら食べたことのない人はいないのではないでしょうか。

▼みんな大好き、お菓子のふじ
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

ショートケーキからタルトやパンまで、店内にはおいしそうな商品が並んでいますが、中でも人気なのが「たぬきちゃん」です。チョコレートでコーティングされたケーキで、たぬきの表情がなんともユーモラス。

▼たぬきちゃん(290円)
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

ちなみに教えてくれた小林さんは、終始「たぬきケーキ」と呼んでいました。独自の名称で呼んでしまうほど、生活に密着したおやつなのだなぁと微笑ましくなりました。

また、地元に愛されるおやつといえば、北海道ファンマガジンで紹介した「小倉屋ぱんぢゅう店」のぱんじゅうも、まさにそう。

▼小倉屋のぱんじゅう(90円)
ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

ここでしか味わえないグルメを求めて、夕張市を訪れてみてはいかがでしょう。

最後に、今後の夕張について、小林さんに伺いました。

「ここに電車が走っていたという歴史を、次の世代にどう伝えていくかが課題だと思います。そうしなければ、夕張市民として廃止を受け止める意味がありません。歴史のひとつの流れとして、市民がどうやって夕張支線の軌跡を残していくべきなのか。私自身、この地でしっかり考えていきたいと思っています」

ありがとうJR石勝線夕張支線―廃止前の今こそ夕張へ行こう!

全4回にわたってお送りしてきた連載「夕張支線」。実際に夕張へ赴き、夕張市民の声を聞くと、ひとつの路線が失われることの意味をしみじみと考えさせられます。それでも前を向いて夕張の未来を切り拓く市民がいる限り、歴史はずっと継がれていくのでしょう。

取材協力

お菓子のふじ
所在地:北海道夕張市清水沢3丁目130番地
電話:0123-59-7878
Facebookページ
小倉屋ぱんぢゅう店
所在地:北海道夕張市若菜10
電話:0123-56-5752

筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】