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木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)

編集部
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木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)  こんなニュースを見るとは思ってもみなかった、というのが正直なところでしょうか。2008年3月5日、突然木の城たいせつとグループ会社すべてが事業を停止しました。道民なら誰もが知っていると思われるほど周知されている、北海道内では大手の住宅メーカーです。木の城のつくる住宅の概観は特徴的な箱型であり、ひとめで木の城住宅だと分かるものです。

 創業は1960年で弘匠建設設立は1965年。本社は札幌市でも大都市でもなく、空知管内栗山町(国道234号線沿い・栗山町旭台1-15)に置き、「たいせつ構証」(建築資材製造)、「たいせつ北匠」(建築施工道南担当・札幌市)、「たいせつ匠一」(建築施工道央担当・栗山町)といった関連会社でグループを構成しています(外部の下請けは使わない)。

 「耐雪ハウス」から現在の名称に変更された1988年以降、CMの効果などもあり「木の城たいせつ」という名前は全道に浸透していきました。当時では珍しかった無落雪屋根を積極的に取り入れ、雪国に強い木造住宅(3階建ての場合1階土台部分は異なる)として知名度を上げてきました。

 ほかの主な特徴はペチカがついていること、窓が三重構造、壁が7層構造、結露が少ない、百年住宅をうたっている耐久性など。一時は道内住宅メーカー最大手といえるほどの年間実績を誇りました。道内には約2万棟の木の城住宅があるとされています。

木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)
栗山町のメーカー基地(もったいないランド)入口付近

そして経営破たんへ……

 2008年3月5日、事業を停止し、事後処理を弁護士に一任。木の城単体で約68億円の負債、グループ全体の負債総額は111億円程度とされ、2007年度の道内大型破綻では、たかを観光、ハコセン、札幌ワシントンクラブに次ぐ規模での経営破たんとなりました。

 原因は景気低迷が一つ。そして2007年6月施行の改正建築基準法が致命的になったとされています。この法律は2階建て住宅には影響しなかったものの、木の城たいせつは3階建てがメインであったため、建築確認が面倒になり建築も遅れました。ピーク時よりも3分の1の販売戸数に低下、経営は悪化し、ついに3月5日に事業を停止せざるを得なくなりました(3月10日に札幌地裁へ自己破産申請)。

木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)  グループ全体の従業員数は約600人で、本社分は栗山町が100人ほどで最多、由仁町や長沼町からも勤務していました。しかし、町である栗山での再雇用は困難、ということで、厚生労働省は4月1日付で、夕張市、栗山町、長沼町、由仁町を雇用維持等地域に指定しています(全国5例目、2006年12月~2007年11月以来2度目)。

 さらに、資材を木の城に仕入れていた会社も多く(取引先は300社以上といわれる)、中小企業への影響も懸念されました。そのため道が動いて、そうした企業のために貸付金を用意しています。2009年3月6日、旧木の城たいせつ本社跡地には、住宅設計販売の「きのしろ」、住宅建設の「たいせつ」が設立されました。

 山口社長の著書「もったいない」(1994年)は20万部に達するベストセラーに。タイトルにあるように、会社では廃棄物を出さないようにする取り組みを行っており、2007年に環境大臣表彰を受賞。2004年には当時の内閣総理大臣が視察訪問しています。

木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)
もったいない~常識への謀反(山口 昭)

木の城たいせつ(北海道住宅メーカー大手)
木の城たいせつオフィシャルサイト

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