学ぶ

挽歌が大ヒット・作家原田康子さん

挽歌が大ヒット・作家原田康子さん

 北海道を代表する作家のひとり原田康子さんが2009年10月20日に亡くなりました。代表作「挽歌」が大ヒットし、映画化され、「挽歌ブーム」がおこりました。北海道に根差した作品を生み出し、様々な賞を受賞してきました。

原田康子さんのおいたち

 1928年東京生まれ。1歳で釧路市に転居したため、釧路市出身とされることが多いようです。市立釧路高等女学校(現在の釧路江南高校)を卒業し、現在の釧路新聞に就職、東北海道新聞時代に記者として勤務していました。

 1949年、21歳のときに同人雑誌「北方文芸」に「冬の雨」を発表し、これが処女作となりました。1954年の「新潮」同人雑誌賞では「サビタの記憶」が最終候補になり評価されました。

 1955年6月からは釧路地方の文学同人誌「北海文学」で本格デビュー作となる「挽歌」が長編作として連載開始されました。この作品は翌年12月に単行本で出版され72万部というベストセラーになりました。当時は、無名の地方同人誌の無名の新人の作品から全国的大ヒットが生まれることは前代未聞でした。

 その後1957年に映画化されました。五所平之助監督、久我美子と森雅之が主演。こうして、釧路が全国的に有名になり、挽歌ブームが全国に広まりました。こうしてかつては霧の町で薄暗いイメージがあった釧路のイメージが変わったとされています。北海道観光ブームにもつながりました。

 受賞としては、「挽歌」は第8回女流文学者賞、1999年に「蝋涙」で第38回女流文学賞、2003年には「海霧」で第37回吉川英治文学賞を受賞しています。ほかに、2003年に北海道文化賞と北海道新聞文化賞を相次いで受賞、2004年に北海道功労賞を受賞しました。フランスの作家フランソワーズ・サガンのようだとして「日本のサガン」と呼ばれてきました。

挽歌

挽歌が大ヒット・作家原田康子さん

 前述の通り、本格デビュー作となった長編小説がいきなりの大ヒットに。1955年6月から1956年7月まで地元同人誌で連載された。釧路を舞台に、建築家桂木節雄(37・8)と、障害を抱える主人公の兵藤怜子(22)の不倫を描く大作。出版は72万部で大ヒット、映画化もされた。ヒロインの生活スタイルが注目され、「挽歌族」「挽歌スタイル」といった流行語が生まれた。

海霧(うみぎり)

挽歌が大ヒット・作家原田康子さん

 2000年から2002年にかけて新聞連載した大作。作者自身の一族をモデルにしたという作品で、明治から昭和にかけての北海道開拓・移住を背景に、女性3代の生き様を描いた。2003年吉川英治文学賞受賞。これが完結した最後の大作となった。

筆者について

編集部

編集部

北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。