初音ミクは札幌生まれ

 「初音ミク」(はつねみく)をご存知でしょうか。女性歌手の名前ですが、実在しません。でも、自分で作った歌詞やメロディーを歌ってくれます。なんと”彼女”が、2007年以来、爆発的に大ヒットしました。そんな「初音ミク」の実態を探ります。

初音ミクとは

名前: 初音ミク
性別: 女性
年齢: 永遠の16歳
身長: 158cm
体重: 秘密(42kg)
髪の色/形: 青緑、ツーテール(くるぶしまでの長さ)
衣装: 黒のミニスカートとニーソックス風ブーツ、グレーのノースリーブトップス、ネクタイやスカートの裾は青緑、肘上~手首までのつけ袖は黒、
得意ジャンル: アイドルポップス、ダンス系ポップス
得意なテンポ: 70-150BPM(目安)
得意な音域: A3-E5(目安)
歌声(ベース音声): 藤田咲
キャラクターデザイン: KEI

 簡単な概要は前述のとおりですが、もっと正確に言うと、「初音ミク」とは、音楽制作ソフトなのです。ソフトを使って、歌詞やメロディー(音階)を入力するだけでソフトが音声を合成し、仮想歌手、バーチャルアイドル歌手である「初音ミク」がリアルに歌ってくれるのです。また、バックコーラスもつけることができます。

 こういう種のソフトといえば、これまでぎこちない歌声になりがちでしたが、このソフトの特徴の一つは、実際に人が歌う歌唱力とあまり変わらないほどの高品質ソフトになっています。

 技術的な面でいうなら、「VOCALOID(ボーカロイド=ボーカル+アンドロイド)2」というヤマハが開発(2007年1月)した音声合成プログラムを用いています。実際に歌声(ベース音声)を担当するのは人気声優の藤田咲氏。名前の由来は「初めての音・将来の音楽の可能性」から。

初音ミク誕生地・札幌

 実は、全国的にヒットしたポップでキュートな初音ミクの誕生地は札幌市です。札幌市内にあるデジタル音声開発に秀でたIT企業「クリプトン・フューチャー・メディア」が開発しました。

 発売は2007年8月31日。価格は1万5000円と割と手ごろ。発売後2週間で3000本、2カ月もしないうちに1万5000本という驚異的な数字の本数を販売しました。音楽制作ソフト(DTM)としては異例の出来事でした(ほかは通常1000本)。一時は生産が追い付かないほどといわれました。

 人気の秘密とは、作品については版権フリーで、自分の音楽作品をネットを通じていろいろなユーザーに聴いてもらえるということ。作品の商用利用も可能なのです。その”発表”の場として動画投稿共有サイト「ニコニコ動画」などが活用されてきました。

 人気となった楽曲としては、先駆け的存在で、認知度が最も高く聴いたことがある人が多い「みくみくにしてあげる」(2007年9月20日ニコニコ動画)、「メルト」「恋スル VOC@LOID」「ハジメテノオト」があります。

 第二弾として、2007年12月27日に下田麻美氏を声優とする「鏡音リン・レイ(かがみねりん・れい)」が発売されています。