さっぽろ雪まつりは北海道の一大イベント

雪祭りの絵葉書。雪像の写真とシールも入っているのです。
 北海道では冬季間に多くのイベントが開催されます。もちろん、夏にもイベントはありますが、北海道ならではの特色を生かしたイベントが盛りだくさんなのです。なお、イベント情報に関しては毎年変更があったりします。行かれる際には、十分調査された上で楽しんできてください。このページでは、札幌市で毎年2月に開催される「さっぽろ雪まつり」にスポットを当てています。

世界的に有名な「さっぽろ雪まつり」!!

さっぽろ雪まつり会場マップ
 日本一大きな、いや、世界レベルでもある知らない人はいないほど有名な雪の祭典。札幌市の中心地、中央区の大通り公園で開催される他、第二会場(2005年までは真駒内自衛隊、2008年まではさとらんど、2009年以降つどーむ)では雪のすべりだいなど子供たちが遊べる空間として、また、すすきの会場でも氷の像展覧会が開催されています(真駒内自衛隊会場は2006年度から廃止となりました)。

 日本中から、そして世界中から多くの観光客がやってきて、雪祭りの「雪像」を見て楽しみます。2005年の来場者数は約219万人。開催期間は雪像が溶けない一番寒い2月で、2月の初めからだいたい2月11日の建国記念日くらいまでに終わる程度の約1週間という短い期間に開催されます。

※2007年に大韓航空がインターネット上で実施した世界60祭りから人気の祭りを投票してもらう「最も行ってみたい世界の祭り」でさっぽろ雪まつりが1位を獲得しています。韓国でもやはり人気です。

 公園で、門がないので24時間見れますが、ライトアップは夜遅くまでやっています。大通り及びすすきの両会場は、市営地下鉄の駅から降りて目の前すぐ、ということで、交通の便も良すぎです(大通り会場は南北線、東西線、東豊線それぞれの大通り駅下車)。

 しかしさとらんど会場は、郊外に位置するため、交通の便は不便になりましたが、その分無料駐車場が1500台分完備されており、道内から来るお客さんには便利になりました。そのさとらんども駐車場誘導員人件費が赤字となり公共交通機関も遠いことから、2009年から地下鉄東豊線栄駅最寄のつどーむに変更になりました。メインはやはり大通り会場ですよね。

●さっぽろ雪まつり会場リスト
1.大通り会場(札幌市中央区)1950年~
2.すすきの会場(札幌市中央区)1983年~
3.つどーむ(札幌市東区)2009年~
※ 以上が現在の3会場
※ 真駒内会場(札幌市南区)→1965年~2005年で廃止
※ サッポロさとらんど会場(札幌市東区)→2006年~2008年で廃止
※ 中島公園会場(札幌市中央区)1990年~1992年で廃止

「さっぽろ雪まつり」大通り会場!!

大通り会場の立派な建物、これも雪像
 大通りは東西に細長い公園ですが、そこをめいっぱい使って開催されています。テレビ塔がある東端から通常はみていきます。西12丁目は「市民広場」で市民の作った雪像が展示されています。ここが西側の事実上のはじっこで、来場者はUターンをしていきます。最終的にまたテレビ塔があるブロックに戻ってきて、テレビ塔の下に屋台が軒を連ねていますから、会場を一周してきた疲れを癒してくれます(笑)。なお、写真が撮れなくても、雪像を撮影した絵葉書が売っていますので、問題ないかと思われます。

 そのほか、このさっぽろ雪まつりで、「国際雪像コンクール」というものも同時開催されています。大通り会場の西11丁目が「国際広場」と命名されていてその会場となりますが、大通りのはじのほうですので、雪まつりに訪れた人はたいていの人が必然的に見ていきます。雪像作りには世界各地からやってきます。巨大ではないにしても見事な雪像でびっくりさせられます。

「さっぽろ雪まつり」すすきの会場!!

すすきの氷の祭典より
 もうひとつ。昭和56年から新たに加わったのが「すすきの氷の祭典」。大通り会場よりはあまり知られていませんが、ここも会場とされています。内容は……というと氷の像がずらっと並んでいるという状況です。すすきのは飲み屋街ですので夜遅くまで人通りがあり、25時までライトアップされています。期間中車は通れません。

「さっぽろ雪まつり」4つ目の会場もあった!!

 自衛隊が雪像づくりに参加し始めた後、1965年からは自衛隊駐屯地、真駒内会場が新設されました。今まで、さっぽろ雪まつり雪像づくりの大半を占めていた自衛隊ですが、しかし、2001年のテロ対策特別措置法の施行以後は、自衛隊も雪まつりに関与している場合じゃなくなりました。その延長線上に、2005年の真駒内会場終了があり、大通り会場も今後、自衛隊からの技術継承を経て、市民・道民などがつくっていかなければなりません。

 ところで一時期、大通り会場、真駒内会場、すすきの会場に加えて、4つ目の会場があった時期があったのをご存知ですか?会場は中島公園。1990年第41回から3回にわたって、中島公園会場がつけくわえられていました。地下鉄の駅もあり交通アクセスも問題は無かったはずですが、ただ、問題点は市民雪像メインであったこともあって、当然小ぶりな雪像になりがちです。よって、1992年第43回で終了、ということになってしまったわけです。

「さっぽろ雪まつり」のおいたち!!

 雪像をメインとしたフェスティバルの開催は、もとは小樽市北手宮尋常小学校のアイデアでした。当時この学校では1935年から雪まつりを開催していたようです。これをヒントに、札幌一中の雪合戦と中島公園のカーニバルを合体させて新しい「雪まつり」を札幌で開催しようというのが原点となっています。

大通り会場のペリーと黒船、これも雪像
 本格的なはじまりは1950年。札幌市内の中学生(北辰中・向陵中)・高校生(北海高・札幌工業高・札幌西高)が雪像を、当時雪捨て場だった大通公園7丁目に作り上げたのが始まりとされています。札幌市・観光協会主催で、そのときの雪像の数は6つ。先ほど書いたように、すでに場所は違えど開催されていた、雪まつり・雪合戦・カーニバル(歌謡コンクールや犬ぞリレース・映画上映など)が含まれていたものでした。これが、5万人の来客という大反響を呼び、以後毎年開催するようになっていきます。

 その3年後には札幌工業高が15メートル級の大雪像作りに挑戦。この頃からダンプカーなどの機械を使うようになっていきます。第5回の1954年からは市民雪像作りが、第6回の1955年には陸上自衛隊が雪像作りに参加して、翌年から中高生の雪像は作られなくなってしまいました。

 1959年以降には、各種メディアで全国に紹介されたこともあって定着していき、観光客が増加していきました。自衛隊駐屯地でもある真駒内会場が設置されるようになったのは1965年のことで(実質フェスティバル開催は1963年以降)、2005年まで40年間続きました。

 しかし世界的に知られるようになっていったのは1972年のことでした。その年といえば、2月の北海道の記念すべき出来事、札幌冬季オリンピック開催です。冬季開催のオリンピックですから、雪まつりを見ていく人も多く、世界に紹介されるようになりました。

 1974年から国際コンクールがはじまり、国際色豊かな雪まつりへとさらに進化していきます。1981年からスタートしたすすきの氷の祭典は、もとは雪まつりに便乗したもので、雪まつりとは関係のないイベントでしたが、1983年以降雪まつりのひとつの会場となりました。

 1990年から1992年には、4つ目の会場として、中島公園会場もありました。2006年度からは、この中島公園会場が、2005年で廃止となった真駒内会場の代替会場として開催されるはずでしたが、諸事情で無理となり、サッポロさとらんどが代替会場に。2006年第57回開催からは「大通会場+すすきの会場+さとらんど会場」、2009年第60回開催からは「大通会場+すすきの会場+つどーむ会場」の3会場となっています。

「さっぽろ雪まつり」はやはりビッグなイベント!!

 雪の像、氷の像はライトアップされる夜に見るのがきれいですのでオススメです。ちなみに札幌市民はあまり鑑賞はしません。だって通りがかりに見れたりするし。雪まつりに「わざわざ」いかないという人が多いのが現実です。

 しかし、感動すること間違いなしのさっぽろ雪まつり。全会場入場無料ですのでぜひ行って見ましょう。いったあなたも、いけないあなたも、札幌雪祭りの雰囲気に浸れる曲を紹介しちゃいましょう。「さっぽろ雪まつり音頭」は、札幌雪祭りを記念した曲です。泉流家元泉徳右衛門氏の振付で披露されました。雪祭りにちなむ曲というのは幾つかあり、アルバム「北海道はオーケストラ~幸せの鐘(浜口庫之助作品集)」に収録されている「恋の雪花火」「雪まつりの少女」が有名でしょうか。