札幌に本家『餃子の王将』進出、道内も餃子競争激化へ

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 全国各地で「餃子の王将」を展開する株式会社王将フードサービス(京都府)は2011年10月11日、北海道における店舗展開をスタートすると発表した。既に札幌に進出している「大阪王将」に続く”本家”の進出で、札幌で餃子競争が激化することは必至だ。(写真はイメージ)

 「餃子の王将」は餃子をメインにした中華料理チェーンである。1967年に京都府に第1号店を創業以来、美味しい餃子との評判が広まり、全国各地・海外に500店舗を展開するチェーンに成長した。2009年以降東北地方に進出し、現時点で国内最北は宮城県にある店舗である。

 今回、兼ねてから要望が多かったことから道内進出を決めた。「餃子の王将」道内1号店(札幌1号店)は、2011年12月下旬に札幌市中央区南三条西3丁目10-1・1階の営業面積98.75m2を店舗とする。その後、道内では2012年3月までに3店舗、2014年3月までに15店舗程度を計画、いずれ30店舗以上の店舗展開を想定しているという。

 店舗展開に加え、2011年12月下旬に自社工場を開設することも発表された。名称は「札幌工場」の予定で、札幌市手稲区新発寒六条1丁目の敷地約1400m2に740.32m2の建物を工場とする。北海道内で展開する「餃子の王将」各店舗への餃子の具・皮、中華麺の製造、食材・備品などの調達と配送が行われる予定だ。

春には「大阪王将」も道内初進出済み

 一方で、道内には既に”王将”と名の付く餃子中心の中華料理チェーン店が存在する。国内外で約280店舗を展開する「大阪王将」だ。2011年4月、「大阪王将」を展開するイートアンド株式会社(大阪府)が道内に初進出。株式会社丸千代山岡家のFC店として札幌市東区北九条東4丁目にオープンした店舗面積192m2の「大阪王将 北9条店」が道内1号店となった。

 以来、2011年6月に苫小牧市のイオン苫小牧ショッピングセンター内に「大阪王将 苫小牧イオン店」、札幌市手稲区前田に「大阪王将 手稲店」がオープンしてきた。苫小牧市に出店したフジタコーポレーションは、FC店の「大阪王将」を旭川市など道内主要都市に店舗を増やす予定としている。「大阪王将」も道内進出に合わせ、北海道工場を恵庭市に新設している。

「餃子の王将」と「大阪王将」の違い


「餃子の王将」は京都府の株式会社王将フードサービスが全国に約500店舗展開するチェーン、「大阪王将」は大阪府のイートアンド株式会社が全国に約280店舗展開するチェーン。ともに餃子をメインに据えた中華料理店である。通常「王将」と言えば、メディアによく露出している前者の「餃子の王将」を指す。大阪王将は王将フードサービスから独立して始まったものなので、本家は「餃子の王将」と言える。道内には2011年春に「大阪王将」が初進出、12月に「餃子の王将」が初進出。

道内の餃子と言えば「みよしのさっぽろ」

 従来、道内で餃子と言えば、道内企業の株式会社テンフードサービス(札幌市東区)が展開する「みよしのさっぽろ」というイメージがあった。「みよしの」は1967年に札幌市中央区に創業、競合店が少ない時代であったことからチェーン展開に成功した。現在、直営店としては札幌市、苫小牧市、恵庭市に合計21店舗(その他旭川市にFCも)あり、餃子とカレーを二本柱として運営している。


 「餃子の王将」北海道初進出が発表された10月11日、twitter等で情報が広まり大きな話題となったが、札幌市民には概ね歓迎する声が多い。本家「餃子の王将」と「大阪王将」とが相次いで道内に進出した2011年は、従来の「みよしの」も含めた北海道餃子競争の始まりの年といえるのかもしれない。