光り輝く石炭そっくりの飴が赤平に!懐かしさ感じる「塊炭飴」とは

【赤平市】空知の旧産炭地の一つ、赤平市に、石炭をイメージした真っ黒い飴が存在します。その名は「塊炭飴」(かいたんあめ)。赤平市内にはこの看板が至る所に見受けられるほど、地元では昔から定着している名物の一つです。塊炭飴とはいったい?

赤平では真っ赤な看板でおなじみ

赤平市内を走ると、赤い看板が目につきます。赤地に書かれた「塊炭飴」の黄文字の部分は青いバックになっています。このような看板が赤平駅前や芦別に行く途中の交差点など、目立つ場所に設置されています。赤平ではおなじみの風景です。

塊炭飴を製造するのは、市内の老舗、有限会社石川商店(赤平市元町南5丁目7番地)。1932年に製造開始したという赤平銘菓は、炭鉱で栄えた赤平らしく、市内で産出した高品位の黒く光り輝く塊炭をイメージ。その形、色調、光沢になぞらえ、「塊炭飴」と命名しました。石炭産業でにぎわっていた戦前から今に至るまで、まさに半世紀以上の歴史を誇ります。

本舗は受賞歴もすごい。誕生して間もない1938年には第2回東北振興菓子共進会1等賞となったのを皮切りに、戦後には1958年に北海道大博覧会で総裁賞受賞、1977年に第17回全国菓子大博覧会で大臣賞を受賞しています。

▼市内で見かける看板

ニッキの風味が昔懐かしい塊炭飴

原材料は、厳選した北海道産ビートグラニュー糖、水飴、ニッキ油、植物炭末色素(竹炭)の4つ。水飴にニッキ油を混ぜて固め砕くことによって、竹炭の色と相まって、石炭のような形状を表現しています。ニッキが入っているので、口に入れた瞬間にビートの甘みと共にニッキを感じることができます。香り高く、どこか昔懐かしい味わいです。同社では、戦前から今に至るまで、独特の技法で変わらず製造を続けてきました。

こうして出来上がった塊炭飴は、見た目は真っ黒で、石炭のように角ばった、大小さまざまなサイズ・形状の飴となります。飴の粉が付着して白っぽく見えることもあり、それもまた乙。ビート糖の割合が多いため、温度・湿度の関係で色が白濁したり食感が柔らかくなることもあるが、それもまた乙。

塊炭飴は入れ物も昔懐かしいものがあります。平大缶、角缶、平小缶、そして袋の4タイプです。意外となくなるのに時間がかかるので、最初は袋タイプのものから挑戦するのがよいでしょう。市内のスーパーやコンビニで、また道内の土産店、ネットでも購入することができます。昔懐かしい塊炭飴で、石炭で栄えた赤平を感じてみてはいかが。