味わう

小麦王国!ハルユタカも応援!

 小麦はパン、麺類、ケーキなどなど、食に欠かせない原材料なわけですが、国内の小麦はほとんど、88%が輸入だそうです(2004)。その代表的な国はアメリカ合衆国で約半分、カナダ、オーストラリアが続いています。

 じゃ、残りの国内産12%の小麦はどこで生産されている?ということですが、なんと北海道が日本一の生産量。国内生産のうち65%の56万トンが北海道産。福岡6%、群馬5%と続いていきます。つまり、圧倒的な生産量なわけです。

北海道産小麦の様々な品種たち

 明治時代ころ、北海道での小麦生産がスタートしました。ただ、現在のような品種改良は無かったので病気発生・収穫量減少などに苦しみました。開拓使の時代になると、お雇い外国人としてやってきたケプロンによって、品種改良が進み、現在にいたっているわけです。

 北海道産の9割、よって国内生産の6割を占める主流小麦品種は「ホクシン」。北海道で見かける小麦畑のほとんどがホクシンなのです。秋まき小麦品種です。農家皆が皆このホクシンを支持し作りたがります。理由は欠点がほぼないから。

 こんな経緯があります。1980年代はホロシリコムギという品種が主流でしたが、チホクコムギが1985年以降台頭し、主流になりました。製麺には向いていたのですが、うどん粉病被害が欠点でした。そのほかにも様々な問題がありましたが、それを改良した品種が「ホクシン」なわけです。

 穂発芽しにくく病気に強い、収量が多く作りやすい。これがホクシンの特徴です。梅雨があると小麦の生産にあまりよろしくありませんが、北海道ではそんな心配はあまり必要ありません。十勝管内ではファーム十勝というグループで「十勝ブランド」という名称を採用しています。

 その他、春まき小麦の代表品種といえば「春よ恋」です。春まき小麦の品種は国内では北海道だけ。2000年にハルユタカの改良品種として名を連ねるようになりました。

ハルユタカといえば江別!

 昭和60年以降生産されている、国産麦では珍しく高たんぱくの製パン向き小麦品種、しかも国内初の強力系小麦品種です。北海道内の小麦生産の1%未満ですが、そのうち3分の1程度が「江別市」で生産されています。ただ、農家にとっては育てたくない品種なのです。収量や品質が安定しないのがその理由。

 こうして「ハルユタカ=幻の小麦」とされてきました。1990年ごろにはブームを引き起こしたハルユタカでしたが、その生産量は先に述べたように少ないのが現実です。しかも収量と品質が不安定となれば頼ることも出来ません。

 じゃ、どうしたか。普通、小麦をまくのは春。それを冬にしてみました。それは偶然の発見とも言うべきで、前年の収穫作業時にこぼれた種が越冬して育っていたのです。しかも春にまいたものよりも大きめ。これをきっかけに「初冬まき」というシステムを導入し、安定した収量や品質に成功しました。しかも製粉会社と製麺工場、それに小麦農家が市内にはそろっていて実現が可能でした。

(※補足:小麦をまく時期は3パターンあります。ひとつは春まきで、4月中旬の雪が解けて乾いたころにまき、お盆前に収穫します。春よ恋や以前のハルユタカのまきかたです。2つ目は初冬まきでハルユタカの主流のまきかたです。雪が降る直前にまきます。最後は秋まきで、9月にまき、冬に冬眠させ7月末~8月に収穫します。品種で言えばホクシン、チホク、ホロシリです。)

 現在は江別のハルユタカ栽培農家すべてが初冬まきに変えています。ただ、まくタイミングが大変難しく、天気と気温に左右されるとか。11月中旬にまきますが、暖かいときにまくと降雪前に発芽、逆に遅すぎると雪がふってしまってまけなくなります。

 こうして初冬にまいたハルユタカは冬に発芽状態で越冬させ、春から成長させるわけです。収穫は7月末から8月にかけてになります。

筆者について

編集部

編集部

北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。