なぜこんなに美味しいの?「黒松内銘水」が人気を誇る理由に迫る!

昔から全国各地に「湧き水」のポイントがあり、観光スポットの一部になっている場所が多いと思います。各所その土地特有の成分があり、お茶を淹れるのに使ったり、お料理に使ったりして、その味を楽しんでおりますね。後志地区の黒松内町にも、人気の水が汲める場所があるとの事で今回取材に行きました。

黒松内町の銘水を汲める場所がある?

国道5号線、黒松内町豊幌で黒松内市街方向へ右折し、道道266号線を少し走ると、右手に大きな工場が見えてきます。
ミネラルウォーター「水彩の森」で知られる、黒松内銘水株式会社の工場です。
その近くに水を汲める場所があるとの情報だったのですが、それらしい場所が見当たりません。
暫く車を走らせましたが見つからないので、元来た道をゆっくりと戻りながら探してみると、
工場のすぐ脇に見つけることができました。
特に看板等は無いので、初めて行く場合は注意しなければいけません。

平日の昼間に取材に行きましたが、水を汲みに来る方がペットボトルやポリタンクを持って
ひっきりなしに訪れていました。
お聞きすると、お茶やコーヒーを淹れるのに使ったり、お料理に使ったりする方が多く、
その水を使うと、味が全然違うとの事でした。

取水場は綺麗に整備された蛇口から水が出ており、側に立つ看板には注意書きがあります。
水が汲めるのは、6:00~18:00の間のようですので、時間帯にも注意しなければいけませんね。
看板には黒松内銘水株式会社とあるので、この水汲み場は会社が管理しているようです。
それならば詳しいお話を聞こうと、会社を訪ね、色々とお聞きしてきました。

10年たっても美味しさを保つ水

今回、黒松内銘水株式会社代表の小谷様にお話を伺いました。
黒松内銘水の発端は、元北海道大学講師で地質学者の内山敬信氏(故人)が現在の場所を調査した際に持ち帰った地下水にあります。

瓶に詰めた水が10年経っても腐食菌の発生が無く、元のまま透明で美味しさを保っており、成分を調べたところ、有機物は含まず多くのカルシウムを含んでいることで、滅菌作用がある事がわかったようです。この他の湧き水等には見られない特性は、人体の健康に対して良い効果が期待できる等のことから、1997年7月の会社創業へと繋がったようです。

カルシウムとマグネシウムは国内最大値!他には例のない成分

黒松内銘水に含まれるミネラル成分には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウム、カリウム等ありますが、どの数値も多い値を出しておりますが、特にカルシウムとマグネシウムの値は国内では最大値です。

水の特色を現すのに、「硬水」や「軟水」という言葉をよく聞きますね。
水1リットル中に含まれている「カルシウムイオン」と「マグネシウムイオン」の量を表す「硬度」という単位を使い、日本の一般的な分類では、硬度が100mg/L以上ある場合は「硬水」、100mg/L未満の場合は「軟水」に分類されます。

黒松内銘水は硬度105mg/Lで硬水に分類されます。
また、世界保健機構(WHO)の定義では、硬度120mg/L以上が硬水、120mg/L未満が軟水となっています。
そのため黒松内銘水は軟水に分類されますが、一般的な軟水の中でも硬度が高いため、中硬水という呼び方もされているようです。
日本で販売されているミネラルウォーターの多くは軟水ですので、日本産のミネラルウォーターとしては、珍しい水になりますね。

ペットボトルも自社で製造

現在売られているミネラルウォーターには、国内、海外共に様々な銘柄があり、低価格化が進んでおります。消費者としては嬉しい事ですが、会社側としては悩ましいところでしょう。
黒松内銘水では、水を入れるペットボトルも自社で製造することで、コストダウンを計っているとのことです。
その製造ラインを見学させて頂く事になりましたが、中には手づくりの装置等もあり、良い物を安く提供する為の試行錯誤が伺えました。





ペットボトルの原料、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene terephthalate)略称「PET」
この「PET」を使った容器なので、「PET bottle」ペットボトルと呼ばれている。






「PET」を試験管のような形に整形し、そこからペットボトルへと膨らまし整形する。






もちろん、目視での確認も重要。






ラベルを貼り、箱詰め。






全国へ発送。

▼動画で見る製造工程

カルシウム不足になりがちな日本人にこそお勧め

個人的にはコーヒーを淹れる時に使ってみたいと思いました。
硬水でコーヒーを入れると苦みが際立ち、軟水で淹れると酸味が際立つようですので、
海外ほどの硬度ではなく、硬水に近い軟水と考えると、苦みの利いた程よい味になるような気がします。

また、日本の水はミネラルの少ない軟水が中心の食生活の為、海外に比べてカルシウム不足になりがちと聞いた事があります。
そう考えると普段の料理に使うのも良さそうですね。
もちろん、非常用の飲料水として常備することもお勧めです。

ミネラルウォーター水彩の森
2L:¥230/本、500ml:¥120/本
オリゴノールウォーター
510ml:¥189/本

黒松内銘水株式会社
所在地:寿都郡黒松内町字豊幌279-2
TEL:0136-77-2222
公式ウェブサイト