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鮭(サケ・シャケ)王国

 北海道はサケの国。三方を3つの海に囲まれ水産資源が豊富ですが、特に赤身で有名なサケは全国的にも有名です。今回は旬のサケ(鮭)を特集。

鮭(サケ・シャケ)王国

サケの基本情報!

 分類はサケ目サケ科サケ属です。「サケ」(一般的にシロザケという種類)といいますが、北海道では「シャケ」とか、「アキアジ」「秋サケ」とも呼ばれます。ご存知、河川で産卵し孵化したあと、河川を下って海へ出て回遊、数年後の秋に、生まれた川に産卵のため遡上します。全長は70~90cm。


 アイヌでは、「カムイチェプ」つまり神魚であり、サケの遡上する河川流域に集落を形成して生活してきたアイヌの人たちにとって欠かせない食材です。また、道内各地の縄文時代と見られる遺跡からもサケを多く食べていた証拠が見つかっています。

 旬の季節は、定置網漁業が解禁となる秋の9月から11月にかけてで、最も早い解禁日は太平洋側の道東で8月下旬からとなります。11月中旬から下旬までがおおかたですが、道南では12月くらいまで漁が行われます。遡上するサケのほとんどが人工的に孵化・放流されたサケで、回帰するサケの9割以上が定置網漁業によって漁獲されます。

 ちなみに、サケマス類ではシロザケのほかに、カラフトマス、サクラマスの3種類だけが国内で河川に遡上します。カラフトマスは普通オホーツク海沿岸で、旬の季節はサケよりも少し早い7月~8月です。道民の中には、サケよりもカラフトマス派という人もいるくらい美味しい魚です。サクラマスは冬から春にかけてが旬です。

鮭(サケ・シャケ)王国

サケで有名な地域とは?

 サケといえば北海道です。国内で漁獲水揚げされるサケマス類のうち、8割ほどが北海道産です(2005年では北海道18.3万t、本州3.95万t)。サケは道内ほぼ全域で漁獲されますが、特に有名な地域は太平洋やオホーツク海が産地のもの。

 全国の1割弱もの漁獲量を誇るほぼ日本一の産地が、道東の根室管内標津町(しべつちょう)です。サケの生態が分かるサーモンパークがあります。さらに、水産資源保護法、北海道内水面漁業調整規則により本来禁止されている河川での「サケ釣り(サーモンフィッシング)」が、国内で初めて可能になった忠類川もこの町にあります。

 近くの根室管内羅臼町、網走市など、ほかのオホーツク海沿岸も、質の良い高級なサケの産地です。太平洋岸も良質で、えりも沖は黒潮と親潮がぶつかるところで「サケ街道」と呼ばれていますし、日高沖でとれる銀毛のブランド鮭も有名どころです。道央の豊平川、千歳川にも遡上します。

 漁協単位ではかることも多いのですが、秋サケの水揚げ量では1985年以降ずーっと根室管内の漁協が日本一を独占してきており、2007年までの7年間は羅臼町羅臼漁協が日本一。2008年は初めて根室管内が日本一の座を明け渡して網走管内斜里町斜里第一漁協が日本一になりました。

 かつては道内においてもサケの漁獲量は少なかったものの、昭和40年代以降は孵化場建設などにより放流数も増加し、徐々に漁獲量も増加していきました。

鮭の種類とブランド化!

 鮭もブランドが登場してきています。秋鮭にはランクがあります。最高級のものは「銀毛」と呼ばれます。ウロコが銀色に輝き婚姻色がない外見で、脂が乗っていて味が良い鮭です。その中でもトップレベルという呼び声高いのが、初の秋サケブランドである日高沖産「銀聖(ぎんせい)」です。1尾5000円くらいします。

 他にも網走管内雄武町(おうむちょう)では「雄宝(ゆうほう)」、十勝管内大樹町では「樹煌士(きこうし)」、根室管内羅臼町では「羅皇(らおう)」があります。それぞれに厳しい認定資格が設定されています。以上が銀毛。

 銀毛のものに婚姻色があらわれると「ブナ毛」と呼ばれます。産卵または放精後で力を使い果たし、傷だらけの美味しくない鮭は「ホッチャレ」となります(鮭の遺体とも評され基本的に食さない)。

 商品としての種類は、通常の一般的な鮭である「アキアジ」「秋サケ」「銀毛」があります。「メヂカ(メジカ・目近)」とは、本州の河川に回帰途中のサケが、北海道など北部で漁獲された脂の乗りの良い希少な鮭です。

 「ケイジ(鮭児)」は1万匹に1匹といわれるほど希少なので「幻の鮭」とも呼ばれるものです。未熟で産卵のためでもないのに、回帰中の鮭の群れに混ざってやってきたら、たまたま漁獲されてしまった鮭で、脂の乗りもよく、大トロのようなとろける味わいで、最も高級です。数万円もします。

 春から夏にかけて漁獲されてしまうのが「トキシラズ(時不知)」「トキザケ」「トキ」と呼ばれる鮭です。特にロシア産の鮭が北海道近海を回遊中に漁獲されてしまったもので、こちらも幻で脂の乗りがよく高級品です。

鮭(サケ・シャケ)王国

鮭の分類のまとめ
「シャケ・アキアジ」→ 普通の秋に漁獲される鮭。
 ・銀毛 → 最高ランクでブランドものもある。
 ・ブナ毛 → 銀毛に婚姻色があらわれた通常の鮭。
 ・ホッチャレ → 産卵/放精後で食に適さない鮭。
「メヂカ」→ 本州に帰る途中に北海道近海で漁獲される鮭。
「ケイジ」→ 未熟な状態で漁獲された幻の鮭。
「トキシラズ」→ 秋ではなく春から夏に漁獲される幻の鮭。

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