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ししゃも・柳葉魚が有名なむかわ町

ししゃも・柳葉魚が有名なむかわ町

 秋の魚といえば?シャケ(鮭)?確かにそうですが、これも忘れてはいけません。「シシャモ」ですよ。シシャモといえばどこを思い浮かべます?むかわ町でしょうか。毎年秋の時期になると、新聞紙面でシシャモの話題を取り上げます。北海道らしい海の幸シシャモ(柳葉魚)に迫ります。
※釧路漁協は2009年以来、11月9日をししゃもの日として制定しています。

それ、本当にシシャモですか?

 「シシャモ=鵡川」ですが、シシャモは世界に例がなく、北海道にしかいないって知っていましたか?もしかしたら食卓に上がるシシャモはシシャモではないかもしれません……よ。

 どういうことかというと、日本で出回っているシシャモの9割が実は輸入に頼っているのです。しかもそれは、「カラフトシシャモ」という別の種類の魚なのです。シシャモの漁獲量が少ないからということで代用品です。残る約1割は北海道産のシシャモ(英名もShishamo)です。以下比較。

●シシャモ
サケ目キュウリウオ科シシャモ属
生息:北海道太平洋岸のみ。海に居るが秋に川に遡上する。
違い:体長12cmでうろこが大きく、カラフトシシャモより丸みあり。
シシャモ市場の1割程度。国産。
お値段:カラフトシシャモの5倍程度か以上。

●カラフトシシャモ
サケ目キュウリウオ科カラフトシシャモ属
生息:オホーツク海からカナダ北欧など広範に及ぶ海に居る
違い:体長は大きくうろこがないくらい小さい。
シシャモ市場の9割程度。輸入。
お値段:1匹100円を切る。

シシャモ物語~アイヌの人も大切にした!

 本物のシシャモは北海道珍味です。アイヌの人たちにとっても昔から大切な食糧でした。漢字で柳葉魚と書きますが、由来としては、アイヌの伝説「鵡川に柳の葉っぱを流しススハム(柳の葉の魚)になった=神様がくれた」ということからつけられています。大変珍しいアイヌ語由来の魚。

 伝説にもある鵡川とはむかわ町を流れる清流です。いわばむかわ町がシシャモの聖地となっています。豊漁を祈る「シシャモカムイノミ」という儀式もあります。

 現在、シシャモが上る川は、主に以下の7河川だけと言われています。いずれも太平洋岸ですね。

・胆振管内鵡川(むかわ町)
・日高管内沙流川(さる)(日高町門別)
・十勝管内十勝川(豊頃町)
・釧路管内茶路川(ちゃろ)庶路川(しょろ)(白糠町(しらぬか))
・釧路市阿寒川(あかん)釧路川

シシャモ物語~シシャモが消えた!?

ししゃも・柳葉魚が有名なむかわ町

 10月から11月という大変短い漁期です。その間、シシャモは産卵のために河川を上っていきます。シシャモがとれる漁業地域での秋の風物詩といえば「シシャモのすだれ干し」です。塩水につけた約10匹をヨシの茎に刺して一日干すもの、それが集まってノレンのようになる光景は圧巻です。

 実はかつて、鵡川のシシャモが激減して危機的状況に陥った経緯があります。それも比較的最近の話で、乱獲の影響などが原因で1990年にほとんどいなくなってしまったのです。

 さぁ大変とばかりに漁業関連者は自主禁漁に踏み切らざるをえませんでした。しかしその努力のかいあって、4年後にはシシャモ漁が復活することができ今にいたります、という、道内ではかなり有名なおはなし。

シシャモフィーバー鵡川町!

ししゃも・柳葉魚が有名なむかわ町

 シシャモ寿司(写真)、ししゃも釜飯、ししゃも鍋、ししゃも酒、ししゃも最中、ししゃもサブレ、ししゃも屶漬、ししゃもあれとぴあin 鵡川や鵡川ししゃもファミリー駅伝大会というイベント、シシャモパーク、柳葉魚基金、ししゃも太鼓、むかわ柳葉魚を語る会に至るまで、鵡川町はシシャモ一色です。町の魚にも指定されているほど(1995年)。

 あ、でもむかわ町だけじゃないですから。たとえば日高町門別は、ししゃも祭りが開催されているししゃもの町です。ししゃも漁発祥地&加工販売日本一とも言われます。

 そして、驚くことにシシャモ水揚量で言うと、むかわ町はそれほどずば抜けて多いというわけでもありません。支庁別で言うとトップは全道の約半数(46%)を占める十勝支庁。釧路支庁(34%)とあわせても全道の水揚量の8割が道東ということになります。じゃ、なぜ日高管内や胆振管内が有名か……。それはシシャモ加工工場が日高地方に集中していることがあげられます。

 ということで秋は本当のシシャモを食べてみましょう。ぜひ。オスはあぶらがのっていておいしいと評判です。卵が必要なら(!)子持ちシシャモつまりメスですがね。

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北海道ファンマガジン編集部。編集部スタッフが取材執筆した記事や、名前を出さないライターの記事、寄稿記事の掲載の際にもこのアカウントが使われます。