長沼町で70以上年愛される老舗和菓子店「森下松風庵」その人気の秘密とは

アイスやジェラートなどの有名店が多い長沼町に、1950(昭和25)年から続く老舗和菓子店があります。実に70年以上の長きにわたり地元に愛されてきた「森下松風庵」です。たくさんの商品が並ぶ店内ですが、中でもいちばん人気なのが「かりんとう饅頭」なのだそう。森下松風庵の長年に渡る人気の秘密を紹介します。

他のかりんとう饅頭とどう違う?

▼堂々たる店構えの森下松風庵(写真提供:森下松風庵)

老舗和菓子店と聞くと、なんだか少し敷居の高いイメージを持たれるかもしれません。しかし森下松風庵は老舗ながら親しみやすく、近所の人がひょいと日常のおやつを買いに訪れそうな雰囲気です。そうした雰囲気は、きっと森下松風庵が常に新しいものを探求しているからかもしれません。そのひとつが、かりんとう饅頭なのです。

▼かりんとう饅頭

いつの頃からか、いろんな菓子店で見られるようになったかりんとう饅頭。森下松風庵でも、数年前に製造販売するようになりました。他にもあるのに、ここのかりんとう饅頭がこれほど人気なのは、なぜなのでしょう。その理由のひとつが、揚げたてにこだわっているというところ。

▼揚げるのはその日の分だけ

森下松風庵のかりんとう饅頭は、蒸して乾燥させてから揚げています。そうすることで、軽い食感が生まれるからです。そして、揚げるのはその日に販売する分だけ。揚げたてならではのカリッサクッとした歯触りが、おいしさを引き立ててくれます。

▼揚げたての照りも食欲をそそる

また、お菓子のかりんとうを意識して、細長い形にしているのも特徴です。他の店のように丸く成形した方が作りやすいのですが、かりんとうという名を付けるからには、この形にこだわっているとのこと。

▼黒糖と餡の甘さが絶妙

もちろん素材にもこだわっています。中の餡は長沼産の小豆、生地には沖縄産の黒糖を練り込んでいます。この餡の甘さと生地から香る黒糖の風味が、絶妙のハーモニーを奏でます。

ちなみに揚げたては文句なしのおいしさですが、少し時間が経った後のしっとりもちっとした食感も、これはこれでファンがいそうなおいしさでした。

今後も新しい商品が続々と!

▼専務の森下喜友さん

「かりんとう饅頭の他にも、どんどん新商品が出てきていますよ」と語るのは、専務を務める森下喜友さん。なんでも節目節目で新しい商品を開発し、人気商品はかりんとう饅頭のように定番化していくのだとか。そのうちのひとつを教えてもらいました。「あかねいろマドレーヌ」です。

▼あかねいろマドレーヌ

2018年7月に新商品として登場したマドレーヌです。なんでも長沼は「夕陽の町」と称されているようで、夕陽をイメージしたネーミングということで、あかねいろという言葉が付きました。

▼一見、普通のマドレーヌだが

優しい甘さのマドレーヌは、誰もが好きな味。ところが食べ慣れたマドレーヌかと思いきや、パッケージに小さく「りんごかくれんぼ」と書いてある通り、どこかにりんごが隠されています。これはもう、食べた時のお楽しみですね。

▼長沼メークイン

最後に、40年ほど販売されているロングセラーも紹介しておきましょう。じゃがいもをイメージした、その名も「長沼メークイン」です。パッケージを開けると、本当にじゃがいものような見た目のかわいらしさ。

▼ほくほく、じゃがいものよう

白餡にじゃがいもを練り込んだ焼き饅頭で、皮の部分には隠し味に醤油が入っているというから驚きです。まろやかな甘さの中にかすかな醤油の風味が広がって、意外な組み合わせのおいしさにさらに驚くはず。

▼長年のファンも多い商品

店内には和菓子店として珍しくイートインコーナーもあり、コーヒーが無料でいただけます。こうしたちょっとしたサービスも、地元で愛される理由なのでしょう。さらには昔ながらの味わいを守りつつ、新しいお菓子を開発する探究心と好奇心も忘れない。そんな森下松風庵の心意気が、長沼の町にしっかりと根付いているようです。

森下松風庵
所在地:北海道夕張郡長沼町本町北1丁目1番6号
電話:0123-88-0051
営業時間:9時~18時、日曜日9時~17時
定休日:元旦のみ
公式サイト
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(2022年11月30日:店舗情報を更新しました。)