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羽幌近海はなぜアマエビの産地なのか?武蔵堆との深い関係

羽幌近海はなぜアマエビの産地なのか?武蔵堆との深い関係

 アマエビとはホッコクアカエビ(体長約12cm)のこと。小ぶりで鮮やかな赤紅色のエビを道民はそう呼ぶことが多いです。北海道は全国有数のアマエビ産地であります。

 ちなみに、道内で漁獲されるエビ類は3種類に大別されます。1つはアマエビ(ホッコクアカエビ)、2つ目はボタンエビ(トヤマエビ)、3つ目は北海シマエビ(ホッカイエビ)です。ここでは、北海道の漁獲量が日本一のアマエビと、同じく日本一のホッカイシマエビを取り上げます。

羽幌近海はなぜアマエビの産地なのか?武蔵堆との深い関係

アマエビと北海道

 北海道産アマエビは全国アマエビ水揚げ量の7割程度を占めており、日本一のアマエビ王国であります。道内のエビ類漁獲のうち6割近くがアマエビといわれています。アマエビが多く漁獲されるのは、道内アマエビ漁獲量の9割を占める日本海側です。

 特に、留萌管内羽幌町と増毛町はアマエビ漁獲量は道内トップクラスです(羽幌町2004年604t2005年983t)。留萌地域以外では、積丹地方の後志管内余市町、古平町、積丹町がアマエビ産地です。

なぜ留萌地域がアマエビ産地?

 羽幌町、増毛町、苫前町といったアマエビ漁獲量の多い町が留萌管内に多いのにはわけがあります。「武蔵堆(むさしたい)」という道内有数の漁場が羽幌沖の日本海、天売島近くにあるのです。日本海北部最大で最高の好漁場であります。南北サイズはおおまかに言って南は苫前町沖、北は利尻島沖まであります。高さは山頂付近が水深8m、山麓は数百mになります。

 中央からは「天狗の鼻」と呼ばれる突き出た部分、南部には「天狗のあご」と呼ばれる部分、ほかに「北武蔵堆」「南武蔵堆」「沖武蔵堆」「36共同堆」(発見船にちなむ)に分けることができます。付近には「天売堆」「小樽堆」もあって、「堆」と呼ばれる海底が多いのが特徴です。

 武蔵堆の名前の由来は発見した船の名前にちなみます。1888年に竣工した軍艦「武蔵」が、1925年までに測量を実施した際に発見し、1925年に命名されています。

 ここの海域では、荒波の中で豊富なえさを食べているので、プリプリでおいしいアマエビが育ちます。特に北武蔵堆の海域は水深が浅いため最高級のアマエビが漁獲されているといいます。ここで北るもい漁協により漁獲されたアマエビは高級食材として道外に主に出荷されています。また、スケトウダラもここで漁獲されています。

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羽幌近海はなぜアマエビの産地なのか?武蔵堆との深い関係 羽幌近海はなぜアマエビの産地なのか?武蔵堆との深い関係

参考資料:道内その他の「堆」
 上述の武蔵堆は有名ですが、他にも道内には海底丘陵(海山)「堆」があります。オホーツク地方には宗谷堆、紋別堆、湧別堆、知床堆、北見大和堆(1923年発見した艦船名にちなむ北見市常呂町沖の堆)、太平洋には襟裳岬堆、日本海側には小島堆(松前小島)、岩内堆、神恵内堆、積丹堆があります。

ホッカイシマエビと北海道

 アマエビの産地が主に日本海側であるのに対し、ホッカイシマエビは、道東が主産地。国内でも北海道が主な産地になります。また、アマエビが荒波にもまれるのに対し、ホッカイシマエビはサロマ湖、能取湖、野付湾など穏やかな場所に生息しています。保護のため漁解禁日を設けています。

 特にホッカイシマエビ漁で有名な野付湾や尾岱沼(おだいとう)では、伝統的な白い三角の帆をかかげた風力小舟による「打瀬(うたせ)網漁業」を採用しており、6月以降の初夏の風物詩であります。エビの形状に似た野付半島はエビの宝庫だと覚えておきましょう。サロマ湖では籠漁を採用しています。

 道民はビールのお供にホッカイシマエビ。茹でてとってもおいしいエビがホッカイシマエビです。浜中産北海シマエビを食べよう。

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