ラーメンにタラコが?岩内町のレストラン吉祥が発案した「吉祥麺」とは

日本海に面した港町、岩内町といえば、マスコットキャラクター「たら丸とべに子」をご存知という方は多いのではないでしょうか。

たら丸がマスコットキャラクターとなっているように、岩内町はスケソウダラの延縄漁発祥の地で、スケソウダラから採れるタラコは、味・品質の良さから岩内町を代表する特産品として人気があります。そのタラコをふんだんに使ったラーメンが噂になっていると聞き、早速取材に向かいました。

食べたいものは何でも揃う、レストラン吉祥

レストラン吉祥は、岩内町の港より標高の高い位置を横切る道道66号線沿いにある「ホテルいのう」に隣接するお店。ホテルの宿泊客が利用することもあり、和食、洋食、中華、様々なメニューが揃ったレストランです。

同店では「ラーメン+半チャーハン(900円)」、「カツ丼+半ラーメン(1,090円)」等のセットメニューや季節限定ものがあります。冬季である現在は「鍋焼きうどん(800円)」、「豚もつ辛炒め(690円)」も。昔から愛されている食堂の定番メニューも揃っていて、何を食べようか迷った時はここへ行けば間違いないレストランです。

さて、今回の本題であるタラコをふんだんに使ったラーメンとはいったいどんなメニューなのでしょうか。レストランの濱田秀樹店長にお話を伺いました。

たらこラーメン(吉祥麺)発案のきっかけ

たらこラーメンを作るキッカケとなったのは、2012年10月に岩内商工会議所主催で開催された「岩内町ご当地グルメ試食会」。
岩内町の飲食店7店舗がそれぞれ「たらこ」を使った新メニューを発表するという試食会だったようです。

その時は「焼きたらこ入たらこちらしラーメン」という名前で出品され、その後お店のメニューに取り入れることになります。
ご当地ラーメンということで、看板メニューになるよう、お店の名前をとって「吉祥麺」と名付けたそうです。

噂のたらこラーメン「吉祥麺」、どのようなものなのか、早速食べてみましょう。

海の幸を楽しめる、たらこラーメン

たらこラーメンは、大きな器の全体に黒々とした岩海苔と、ピンクの桜エビが散らしてあり、彩り豊か。
中央に盛られたモヤシと白髪ネギの上に乗った生タラコと、周りに添えられている輪切りにされた焼きタラコに目がいきます。

まずはスープを一口。桜エビの味と後から香る岩海苔の風味が、磯を連想させると共に食欲を増大させます。

上に乗っている生タラコがスープの中に溶けてゆくのを楽しみつつ、中央のモヤシ、白髪ねぎと麺をほぐし一緒に啜ると、
店長厳選のタマゴ麺のコシとモヤシのシャキシャキ感、白髪ねぎの風味がたまりません。

一口大の焼きタラコを頬張ると、一気にタラコの味が口いっぱいに広がります。
この焼きタラコ、しっかり焼かれたものから、半生のものと、一つ一つが個性を持っているのに驚きです。
食べる度に異なる食感と磯の香りが広がり、やみつきになります。

あっという間に食べきるかと思った時、器の底から何やら出てきます。
なんと、ニシンの甘露煮が隠れていました!
思いもよらない食材の突然の出現につい「おお!」と声を上げてしまいました。(笑)

塩味を楽しんできた口の中へ新たに広がる甘い味が、幸福感を誘います。
一杯の器に溢れる海の幸を、楽しく味わえるラーメンです。

その土地の特産物を使った料理を目の前にすると、並々ならぬ努力を重ねた上で自信をもって提供しているだけあって、美味しいのはもとより、
その器の中にある食材、味、形などに製作者の思いが感じ取れて、身も心も温まります。

他の地へ赴く際は、少しでも時間を作ってその土地ならではの料理を楽しみたいものですね。

レストラン吉祥
所在地:北海道岩内郡岩内町字栄161-1 ホテルいのう1階
TEL:0135-62-6012
営業時間:11:00~14:00、17:00~21:00(オーダーストップ 20:30)
定休日:日曜日
ホームページ(公式サイト)