ノナとガンゼと呼ぶウニ王国

 あの、とげとげの「栗」みたいなあれです。世界で一番ウニを食べているといわれているウニ大好き日本人です。ウニをあつあつのご飯の上にのせて食べる……想像しただけでよだれもんですが……結構なお値段。

 そんなウニですが、6月~8月が旬。日本一の漁場といえば北海道ですね。国内の生産量のうち約半分が北海道産で占めています。冷たい海水で育った良質の昆布を食べて育つ北海道産のウニは旨みが違います、甘味も違います。まさに「ウニ王国北海道」なのです!

北海道のウニは「ノナ」と「ガンゼ」!!

 北海道は北海道で特有のウニの種類が存在します。主に2つの種類に分類されて紹介されることが多いのですが、バフンウニの仲間である「エゾバフンウニ」と、ムラサキウニの仲間である「キタムラサキウニ」の2つが北海道ではメジャーです。いずれもエゾバフンウニはバフンウニより、キタムラサキウニはムラサキウニよりも大ぶりです。

 ところで、北海道や東北の一部では、エゾバフンウニを「ガンゼ」と呼び(沖縄でも近い発音を使用)、一方のキタムラサキウニのほうは「ノナ」と言っています。

 由来としては、ウニの平安時代の古語「石陰子」からきているとされています。ノナのほうはアイヌ語由来です。その証拠に、積丹(しゃこたん)町の沼前という地名は、アイヌ語の「ムラサキウニの多いところ」を意味する「ノナ(nona)・マイ」からきています。

※蛇足ですが小樽出身ラグタイムギタリスト浜田隆史さんの曲に「ノナとガンゼ」というものがあります。

ノナとガンゼの違いとは?

 特徴が違っています。それは、エゾバフンウニのことを「赤ウニ」、キタムラサキウニのことを「白ウニ」とも呼んでいることからわかるように、身の色が違います。

 味も違います。ま、好みはあるかもしれませんが、一般的にはバフンウニのほうが高級ですし、ファンが多いです。つまりうまい!そして漁獲量が少ないという理由もあります。「ウニの王様」と評されるほどです。

 相違点を総合して以下のようにまとめてみました。

●エゾバフンウニ


  別名:赤ウニ、アカ
  地方名(浜言葉):ガンゼ。
  成長:比較的遅い=高価に。
  外見:とげが短め。
  身:色は濃いオレンジ色。
  味:甘味が強い。うまい!
  値段:高め。

●キタムラサキウニ


  別名:白ウニ、シロ
  地方名(浜言葉):ノナ。
  成長:比較的早い。
  外見:とげが長め。
  身:色は白っぽい。
  味:甘味はあっさりしている。
  値段:比較的安め。

ウニといえば利尻!!昆布がイイとウニもイイ!

 ウニは北海道ほぼ全域でとれるのですが、日本海側、利尻や積丹あたりまでがウニで有名なエリアとなります。ほかには釧路根室方面でもとれるのですが、漁の期間が違ってきます。

 特に産卵期でもある9月~10月(利尻)は禁漁期間になります。十勝~根室では7~9月です。禁漁のあとのウニには、身があまりつまっていません。ということで、禁漁前の6月~8月あたりが旬といえます(地域差あり)。

 道内のウニの名産地といえば利尻島近くの海域です。一級品昆布である利尻昆布を食べて育ちますし、暖流と寒流がぶつかりあう荒波の中で育つこともあって身がひきしまっています。特に昆布がうまくて有名なところはたいていウニも良質です(他にも羅臼(らうす)など)。

※北海道の昆布についてはコちらのページ!!