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100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは

編集部
Written by 編集部

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは 【深川市】 深川といえば、北空知のコメどころ。そして、お土産に買っていきたい深川名物といえば古くからこれが筆頭に挙がる。「ウロコダンゴ」だ。

ウロコダンゴの外観は三角形で、側面はぎざぎざと波打っているのが特徴。手で持つとプルプルもちもちとして柔らかい団子状のものである。色は白色、緑色、茶色の3種類が基本で、それぞれ、白あん、抹茶、小豆の3つの味を楽しめる。

原材料は、もち米、小麦粉、砂糖、水。添加物一切なしで、甘さ控えめで素朴な味わいが特徴。正直、若い人にはあまり好まれないかもしれないが、ご年配の方が好んで食べたくなる昔懐かしの味わい。

大正二年生まれ―ニシンとの意外な関係

▼ウロコダンゴ本舗・高橋商事
100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは そんなウロコダンゴの歴史は道内のお菓子でも古いほうで、大正初期の1913年に誕生した。深川~留萌間に旧国鉄留萌線が1910年に開通したことを記念して、高橋商事の創業者・高橋順治氏が製造・販売を開始した。実に100年以上の歴史があることになる。

登場当時の名称は「椿団子」。高橋氏が新潟県出身であったことから、新潟の椿餅を参考に、食べやすく三角形でギザギザのある形にアレンジした。当時は白あんの白色のものだけだったが、その形は今も変わっておらず、ほぼこのまま販売されていたとイメージしてよい。

しかし、この「椿団子」というネーミングに待ったをかけた人物がいた。それが深川駅長だった。製造元が発行しているウロコダンゴハンドブックは、改称した時のエピソードを綴っている。それによれば、当時の駅長が椿修三という名前だったという。曰く「どうも僕の苗字の下に団子をつけて大声で売られるのは変だ」。

そこで駅長が代替案として考えたのが「ウロコダンゴ」。当時日本海岸ではニシン漁が盛んで、留萌沿岸から来る貨物列車がニシンの鱗だらけだった。そして団子も側がウロコ状だった。その共通点をついた意外な発想だった。

ちなみに、ウロコダンゴにニシンは入っていない。故郷の餅、鉄道開通、ニシン漁、鉄道を使って運ばれてくるニシンたち、これらの要素が合わさって、現在の「ウロコダンゴ」という名物が出来上がったというわけだ。以来、深川駅で販売されてきた。

当時と変わらない製法のウロコダンゴ

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは

前述の通り、白あん(白色)は発売当初からのデフォルトだが、昭和30年後半に茶色の小豆味が加わった。十勝産の小豆練りあんを混ぜ合わせて作られている。続いて昭和50年前半から緑色の抹茶味が登場。静岡産の抹茶を混ぜ合わせている。そのほか、特別受注生産になるが、赤色のウロコダンゴもある。これは食紅を使っており、お祝い事などで注文できる。

作り方としては、原材料を混ぜ合わせ、高温高圧の蒸籠で蒸す。その後 冷ますが、この段階ではまだ平べったいまま。これを、特注の波型の包丁を使い、手作業で丁寧に三角形にカットしていく。このような作業で「9個入りセットで最大1500箱」を一日に作る。お盆時期には売り切れになることがあるほど、売れ行きがよくなるという。

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは ウロコダンゴは、赤と緑のグラデーションで中央にウロコダンゴの三角形を模したパッケージが特徴。発売当初から基本デザインは変わっていない。現在は、各味一つずつ合計3つが入った小サイズ、9個入りのもの、さらに倍の18個入り、長期保存に適したパック詰めした10個入りがある。添加物や防腐剤は一切使用していないため、パック入りは10日ほど、それ以外は3日以内、夏は2日以内で召し上がっていただきたい。

三角形じゃないウロコダンゴも隠れ名物?!

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは ところで、ウロコダンゴには、三角形じゃないものも存在するのをご存じだろうか?それが「ウロコダンゴの切れ端」。高橋商事本店で取り扱っているもので、「切り出し」という表現で販売されている。

これは、ウロコダンゴを三角形にカットするときに切り落とされた切れ端。細長い形をしていて、3色適当に10本程度入って透明パックで格安販売する。形は違えど、味は同じ。数量限定で販売されており、たいてい売り切れる。変わったもの好き・珍しいもの好きにはオススメ!

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは

100年続く深川名物「ウロコダンゴ」、ネーミングに隠された鰊との意外な関係とは そして、最近は、ウロコダンゴ関連商品がいろいろと登場してきている。そのひとつが姉妹品「ウロコダンゴ羊羹」。2010年1月に新発売となったもので、黒糖・抹茶・小豆の3種類ある。ウロコダンゴの風味をそのまま生かし、米粉のもちもち食感が特徴という。

食べ物以外では、ウロコダンゴロゴ入りTシャツやバッグまで登場した。ウロコダンゴファンはすべて揃えたほうがいい。深川を通りがかった際は、昔ながらの老舗銘菓「ウロコダンゴ」をお忘れなく。

株式会社高橋商事・ウロコダンゴ本舗
本店所在地:深川市5条8丁目5番地
TEL:0164-23-2660
販売場所:深川駅、道の駅ライスランドふかがわ、道央自動車道砂川SA

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