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幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

編集部
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幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

2016年2月15日、札幌市内で行われた「北のハイグレード食品+2016」の受賞セレモニー。試食試飲ブースの一角にそのスイーツはあった。「ポテラーナワッカナイ」。地元の特産品「勇知いも」を皮ごと使った濃厚な冷凍焼きプリンで、そのおいしさに衝撃を受けた。受賞理由は「パッケージの可愛さ、素朴感、お菓子として美味しい」などだ。

手がけたのは、稚内市の菓子製造販売会社、株式会社てっぺん(店舗はオレンジエッグ)。「ポテラーナ」を筆頭に、地元の素材をふんだんに使った新たな稚内スイーツを開発し続ける同社の取り組みを紹介する。

かつて高級食材だった「勇知いも」

幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

そもそも「勇知いも」とは、稚内市勇知地区で栽培されているブランド品。品種ではなく、同地区で栽培されているジャガイモの総称だ。古くは1871年に開拓判官松本十郎氏がこの地でジャガイモを栽培しているのを確認している。

その名が広まったのは1924年。川越幸七氏が大阪にジャガイモ「ノーザンスター(北星)」として送ったところ大評判となり、関東の一流ホテルや高級料亭で使われるようになった。冷水害や国の酪農転換政策により、1954年をピークに生産量は減少、1972年に生産がストップしている。

平成に入ると、1989年に勇知いもの栽培技術を伝えようと、共成農産が農業法人を設立し栽培開始。2008年に「わっかない勇知いも研究会」の前身が発足し、現在、計5.8ヘクタールで栽培している。

勇知地区は、降水量が少なく、高温にならず、温度差が少ないのが特徴。利尻富士に雨雲が遮られ、近くが雨でも勇知地区では晴れていることが多いのだそう。野菜作りの北限を超えているエリアであるが、でんぷんの消費が少なく済み、ジャガイモのおいしさの判断基準であるでんぷん量が北海道平均を上回るという(例えば、2015年度、きたあかりのでんぷん量は18.6で、14.1以下のニセコ産や富良野産を大きく引き離して1位)。また、自然冷熱貯蔵することで、果物に匹敵する甘さを実現している。

宗谷の美味しいものを届けたいと、勇知いもを使ったスイーツを開発

この高級ブランド「勇知いも」を使ってスイーツを開発したのが、株式会社てっぺん。札幌市出身の同社社長・及川譲二さんは、奥さんの実家がある稚内で食品の素材の良さを実感したという。そこで、「この土地でしか食べられないものを届けたい」との思いから、宗谷エリアの特産品を全国に届ける会社を立ち上げ、2008年にネットショップを開設した。

地元産素材を使ってスイーツ開発を始めたのは2010年。隣接する豊富町産「豊富牛乳」を使って、クリームブリュレ、カップケーキなどを製造・販売。また、幻とされる稚内特産品・勇知いもを使ったスイーツづくりにも乗り出し、2013年に「ポテラーナワッカナイ」を商品化した。

幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

当初、スイーツ製造を担当するスタッフに反対されたという「ポテラーナ」。理由は味に特徴が付きにくいからだが、「イモプリンもあるのだから、できないわけない」と、試行錯誤しながら開発を進めることとなった。

「イモらしさやイモの風味を引き出すことに一番苦労した」と話す及川さん。試行錯誤するうちに、イモの皮が一番イモらしいことに気付き、皮をパウダー状にして使うことを決めた。製造過程には、手作業でイモの皮をむくという大変な作業が含まれており、いまもスタッフや障がい者施設の協力を得ながら製造している。また、二回冷凍させる手間もかけている。

幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

こうして作られた手作り「ポテラーナ」は、スイートポテトのようなカタラーナ風焼きプリン。外側はパリパリのカラメル、中は勇知いもの甘さを感じるプリン。豊富町産生クリームをぜいたくに使い、濃厚な味わいに仕上げている。「北のハイグレード食品+2016」のほかには、2014年に「旭川食べマルシェ ワンハンドスイーツコンテスト」でグランプリを受賞した、いま最もアツい稚内スイーツだ。

てっぺんイチオシ、かわいい稚内スイーツ続々と

同社が手掛けるスイーツはこれにとどまらない。2013年に登場した、勇知いもを皮ごと練り込んだクッキー「ワッカナイポテマルコ」は、稚内駅キタカラ内土産店で売り上げ一位を続けてきた実績を持つ。

▼ワッカナイポテマルコとぱくぽくぽん
幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」
幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

また、2015年7月には新商品「ぱくぽくぽん」を発売。道北の生産者とコラボしたポン菓子で、一口サイズを「ぱく」、最北の「ぽく」、ポン菓子の「ぽん」をかけあわせた言葉だ。宗谷の塩と人気そば店のそばの実を混ぜた「宗谷の塩キャラメル味」、旭川市のゆめぴりか玄米を使った「スパイシーカレー味」、上富良野町の小麦はるゆたかを使った「北海道いちご味」、名寄市のもち米はくちょうもちを使った「黒蜜きなこ」があり、今後も随時増やしていく予定だという。

いずれも、稚内駅キタカラや市内若葉台2の実店舗「オレンジエッグ」で販売中。特にポテラーナは冷凍品であるため、稚内に来て食べていただくのがおすすめ。及川社長は、「稚内で食べて、土産にも買って行ってもらいたい」と話している。

幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」 幻の勇知いもを皮ごと使用!注目集める稚内新スイーツ「ポテラーナ」

参考文献:『雪氷等の自然冷熱利用による貯蔵庫』
勇知いも写真提供:稚内市建設産業部水産商工課わっかない勇知いも研究会

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