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知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

編集部
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知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

【羅臼町】 知床が世界自然遺産に登録されたのが2005年。つまり来年2015年で10年を迎える。知床半島はオホーツク管内斜里町と根室管内羅臼町に分けられているが、このたび北海道の研究者チームが世界で初めて、羅臼側の海底を調査した。サンマやイワシが大量に打ち上げられる「死滅回遊」をはじめ、謎の多かった羅臼の海の真相が5月18日に解き明かされる。

世界的に類を見ない羅臼の海の春夏秋冬

知床・羅臼の海を、地元のダイバーは「季節の海」と呼んでいる。つまり、海の中にも季節があるのだ。実は羅臼の海は、夏の冬の水温差が20度以上あり、世界的にも珍しいという。泳ぐ海洋生物、海底の風景、そのすべてが季節ごとに変化する。

▼流氷と羅臼の海
知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

雪解けの春は子育てイカの季節。関勝則さん(59)は、20年近く前に初めて抱卵イカの姿を目撃した。体長2m以上の「ササキテカギイカ」が袋状の卵を引きずって深海から海底を這い上がってくるのだが、傷だらけになった卵から数千、数万の稚魚が孵化していき、それら誕生を見届けた後、母イカは命を終え海底に再び沈んでいくという。これは「タコ愛情・イカ薄情」、つまりイカは産みっぱなしという海洋生物学の常識を覆す発見だったため、世界で初めて撮影されたその姿は4年前に科学誌「Nature」「Newton」にも掲載されている。

▼イカの群れと羅臼在住のダイバー関勝則さん
知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

▼海から卵を孵すために浅瀬に上がってくるイカ
知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

夏になれば、シャチや南半球から来たマッコウクジラが現れる。マッコウクジラの泳ぐ姿を陸地から観察できるのは世界でも羅臼だけだという。空には、やはり南半球のタスマニアから飛来したミズナギドリの大群を観察できる。

秋は、全国でも例のない天然ホタテの潜水漁が始まる季節。ボンベを担いで生け簀を抱えた漁師たちがホタテを一枚一枚拾っていく、手間と労力の要る作業だという。

知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

羅臼の海でみられる「死滅回遊」というミステリー

さらに、ここ羅臼の海では、流氷が海一面を白く覆う前の晩秋から初冬にかけて、強い西風が起きて海がしけるとき、不思議な現象も見られている。「死滅回遊」と呼ぶのだが、サンマ・イワシなどが浜に大量に打ちあがることがあるのだ。それらは南の海からやってきて羅臼で最期を迎える回遊魚たち。なぜこのようなことが起こるのだろうか?海の中で何が?

▼2006年に知床半島で撮影された浜に打ち上げられた大量のサンマ
知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?

このミステリーを解明すべく、北海道の研究者チームが水中用の最新鋭ロボットカメラを羅臼の海底に沈めた。研究者たちは、羅臼の海底にはおびただしい数のイカの死骸が敷き詰められた「イカのジュウタン」があると考えていた。研究者は「死滅回遊は季節の贈り物だ」と語る。夏と冬があるからこの現象が起きると言うが、その真相は。

▼羅臼在住のダイバー関勝則さんと水中ロボットカメラ
知床・羅臼の海で起こる「死滅回遊」の謎を世界で初めて解明!?



2014年5月18日(日)14:00~14:54にTBSテレビ系13局ネット(道内はHBC)で放送される「季節の海"RAUSU"」でこれらの点が取り上げられる。ドラマ「北の国から」で知られる俳優・吉岡秀隆さんがナレーターを務める。これまで知られてこなかった羅臼の海の中の謎を是非ご覧いただきたい。

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