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士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」

士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」

【士幌町】士幌町をご存じだろうか。 北海道の中でも決して知名度の高くないこの町には、「自分の町をもう少し有名にしよう」「この愛する町をなんとか元気にしよう」という取り組みがある。

スポーツ選手・タレントから公認を得る「ジャガイモン」

「ジャガイモン」。まだまだ町内でもその認知度は決して高くはないものの、そんな名前のご当地キャラクターがすでに約3年半、インターネットを中心に活動をしている。

ジャガイモンが活動をスタートさせたのは2011年6月。 その頃のキャラクター誕生秘話などは、以前に北海道ファンマガジンでも紹介された(その時の記事はこちら)。

士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」

当時、ジャガイモンがリーダーを務めている「しほろっち戦隊シホロンファイブ」の他のメンバー、キャロリーナ、トマーニョ、アスパラン、タマネギンと共にtwitterでつぶやきを開始。 しかしアッと言う間に、中でもジャガイモンの呟きだけが勢いを見せ、その密かな注目を一人で浴びることとなった。

最初に注目を受けたのは、現・福岡ソフトバンクホークスの松坂大輔投手との絡みだ。 当時ボストン・レッドソックスに所属していた松坂投手に対し、ジャガイモンが「公認」をくださいと呟き、それを松坂投手が快諾。 これをきっかけに上原浩治投手や鈴木亜久里さんをはじめ多くのスポーツ選手、タレントからも「公認」を取得し、ジャガイモンのその大胆かつ風変わりな呟きが勢いを増し、twitterをフォローする人も一気に増えた。

「オリジナルな活動」大切に

そんなジャガイモン率いるしほろっち戦隊は、士幌町の有志で結成された町おこし団体・ジャガイモンプロジェクトによって運営されている。

▼代表・川崎氏とミニジャガイモン
士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」

現在ジャガイモンプロジェクトの代表を務めるのは、実家でもある町内の寿司店で働く川崎康 氏(39)。 川崎代表いわく、ジャガイモンプロジェクトは「とにかく士幌町を元気にしたい」「もう少しだけ士幌町を有名にしたい」という志から結成。 町内の人が「士幌町には何もない」「観光の人が来ても見るものもない」とよく言っているのを耳にするたび、「それならば何もないところから何かを生み出せばいい」と思っていると話す。

また、「オリジナルな活動をしていきたい」との考えを大事にしており、ご当地キャラクターとはいえども、今後も着ぐるみを作って活動していくようなことは全く考えていないとのこと。 そしてそんな考えは、同プロジェクトの、またジャガイモンの日々の活動の随所に表れている。

実際にジャガイモンのtwitterでの呟きも、約9割が士幌町とは関係の無いことを呟いていると言う(本人調べ)。 中でも特に多いのが自分に「公認」をくれた人と交わされる普通の会話であったり、そのファンの人との会話である。 「こうなってくるともうご当地キャラクターとは何なのかと思う人もいるかもしれないが、それはそれでいい」と川崎代表。

公認アイドルとそのファンが町内イベントを盛り上げる

しかしそんなジャガイモンの風変わりな活動が、実際に形となって実を結んだ実例も数多い。 その最初の例が、2013年に開催された、同町の商工会青年部主催の「第33回しほろっち夏祭り花火大会」である。 ジャガイモン「公認」のアイドル・アリスインアリスが同イベントにゲスト出演を実現。 そのアイドル目的で、道外からもファンが駆けつけた。

更に、2014年6月には、タレント・喜屋武ちあきさんが同町を訪問。 同プロジェクトと商工会青年部がタッグを組んで、2泊3日での農業酪農体験による士幌町のアピール活動を展開したが、このきっかけを作ったのもジャガイモンの呟きだった。

そして翌7月の「第34回しほろっち夏祭り花火大会」では、「avex × ジャガイモンプロジェクト presents」として、アイドルのサッポロSnow♥Loveitsがゲスト出演。 道内外から多くのファンが会場に駆けつけ、イベントを盛り上げた。

「たくさんのファンの方とも交流させていただいたあの日の感動は忘れられません。当日は一人でこっそり泣きました」と、川崎代表も語るように、同プロジェクトはただイベントにゲストを呼んで終わるのではなく、そのファン一人一人との交流も大事にしていると言う。

「ご縁」大切に、特別出張をはじめたジャガイモン

同プロジェクトが掲げる大事なもののひとつに「ご縁」というものがある。 川崎代表いわく、「これまでの活動も、たくさんの方との出会い、たくさんのご縁があってこそ続けられた」「ご縁こそ日々の活動の原動力」とのこと。

そんな信念を持って活動する同プロジェクト、そしてジャガイモンには、次第にファンも増え続けており、活動の幅も広がっている。昨年からは「特別出張」とネーミングされた、町外での活動もスタートさせた。 すでに夕張、旭川、そして札幌と、3度の特別出張を行なっている。

▼8月10日 旭川特別出張の際、アイドル「風男塾」のみなさん、ファンのみなさんと
士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」
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▼11月30日 札幌特別出張の際、ファンのみなさんと
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しかし「活動」とは言っても、町をアピールするイベントを開催したり、何かを売ったり配ったりするわけではない。 交流のあるタレントが参加するイベントに、ファンの人と一緒の立場で参加するのだ。 「いつもどの会場に行ってもファンのみなさんが温かく迎えてくれる」と川崎代表も言うように、交流のあるタレントのファンの間でも、ジャガイモンという存在が少しずつ認知され出しているという。

「会場に行ったら、いつもファンのみなさんと色々と話をさせていただきます。特にプロジェクトやジャガイモンに今後どんなことをしてほしいかということは必ず聞いてきます。自分達の日々の活動を知り、そして理解してくれているみなさんからは、本当にたくさんの貴重な意見をいただけます」と川崎代表。 更に一言、「ただ遊びに行ってるわけじゃないですよ」とも付け加えた。

日々の活動の中で、「どうしてたくさんのタレントと交流しているのか」という質問を受けることもあるそうだ。 そんな時には、「タレントさんのファンと、ご当地キャラクターのファンというのはどこかで重なる部分があったとしても、かなりの部分で違いがあると思う。自分達がみなさんの見えるところで交流をすることによって、タレントさんのファンの方がジャガイモンや士幌町を知り、ジャガイモンのファンの方がそのタレントさんのことを知る。そんな中でお互いのファンがもう一方のファンになってくれたとしたら、それは誰の立場から見てもプラスのことばかり。三者ともに得るものがあると思う」と答えるそうだ。 まさに「オリジナルな活動」そのものだ。

ファンの間に浸透する「ミニジャガイモン」という存在

その「特別出張」には、ジャガイモンも必ず同行するという。 しかし前述したように、ジャガイモンには着ぐるみなどはない。 ではどうやって同行するのか。

ジャガイモンには川崎代表の手作りという体長10センチほどの人形が1体だけ存在する。 そんな「ミニジャガイモン」が同行するのだ。

そのミニジャガイモンは普段からtwitterにも時折登場しており、更にこれまでにも多くのタレントが一緒に撮った写真をブログやtwitterなどにアップしていることもあり、その存在はファンの中ではちょっと知られた存在。 会場に行くといつも「一緒に写真を撮りたい」「触りたい」という人が集まってくるそうだ。

また、最近ではジャガイモンや、そのミニジャガイモンの熱狂的なファンだというタレントも多数いる。 そんなことからも、まさに様々な人の「ご縁」で、ジャガイモン、そして士幌町の認知度が上がってきている。

更に、そんなミニジャガイモンにはフェイスブックページが存在し、すでに開始から1年半ほどが経過している。 毎日1枚、士幌町内で撮影した風景や人物などの、町民から見ればごく日常の写真が掲載されており、それらの写真には必ずミニジャガイモンが写りこんでいる。

士幌を有名に!ユニークな取り組み光る「ジャガイモンプロジェクト」
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町民にとってはいつも見ている景色であったり人であったり、でもそんな中にも新しい発見があったりもするようだ。 町外の人にとっては士幌町のちょっとした魅力を感じることのできる写真がたくさんあるという。 また、写真と共に書かれるコメントには、実際に撮影した場所の位置情報も記載されており、町外から訪れた人でもその写真の場所を探しやすくなっている。

町内でも着実に認知度が高まりつつあるジャガイモンプロジェクト

「町外に向けた発信を優先してきたので、町内に向けたアピールが後回しになってしまった」と川崎代表が話すように、町内での認知度はまだ決して高くない。それでも毎日の情報発信を続け、その認知度は確実に上がりつつある。そんなご当地キャラクターの枠を越えた活動に、今後も注目していきたい。

「オリジナルな活動」「ご縁」そして何よりも「郷土愛」。 ジャガイモンプロジェクトは、大切なものをたくさん持っている、ちょっと変わった町おこし団体である。

筆者について

ジャガイモンプロジェクト

ジャガイモンプロジェクト

十勝管内士幌町のジャガイモンプロジェクトによる士幌町への愛があふれる記事。