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海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

編集部
Written by 編集部

海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

海外で活躍するサッカー選手は約300人いるが、そのうちGKというポジションに限って言えば世界で10人もいないと言われている。その10人に名を連ねる現役GKの一人に、札幌市出身の麻生弘隆選手がいる。ソロモン諸島やリトアニアリーグのチームでもプレーしてきた麻生選手は、選手として活動する傍ら、「北海道から海外でプレーする子供や若者がもっと増えてほしい」と、若者たちが積極的にチャレンジできる環境づくりに励もうとしている。

ソロモン諸島初の日本人選手、そしてリトアニアリーグの選手に

麻生選手は家でゲームをしていることが好きな少年だったが、小学4年からサッカーを本格的に始めた。小学時代には「Jリーガーになる!」と、プロサッカー選手になる夢を周囲に言い続けていたという。麻生選手はその当時を「異端児だった」と振り返る。

海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

高校時代以降はプロになるべくプロテストを受け続けた。そんな折、石川県のチームにJリーグでGKとしてプレーした経験のあるコーチが就任すると聞きつけ、そのコーチに教えてほしいと思い入団、約半年プレーした。その後一時期 札幌国際大学でGKコーチを務めたのち、オファーがかかり続けていたチームに参加。ブランクがあったものの岩手県のチームに加わってプレーした。

「人の行かない国でプレーしたい」。海外でプレーしてみたいとの思いから、今度はソロモン諸島リーグのHANAFCで、日本人として初めてプレーした。当時は同国国内紙の一面トップに麻生選手のニュースが掲載されたという。JFLのテストのために帰国後は、岩手県のチームやFC町田ゼルビアのサテライトチームでもプレーした。

海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

一度大学に復学するも、「満足できることをやりなさい」と励ましてくれた母のためにもサッカーを続けようと決意。ラトビアでプロテストを受け不合格になるも、監督の縁でリトアニア2部リーグのFKタウラス・タウラゲに所属することとなり、2015年9月まで3か月間プレーした。

大切なのは「人とのつながり」

一つのチームかわずかなチームでプレーして引退する例が多いサッカー界において、海外を含め数え切れないほどのチームでプレーしてきた麻生選手の経歴は異色だ。とりわけGKというポジションはコミュニケーションが必要不可欠で、それゆえに日本人GKが海外でプレーすることにはハードルが高い。

そのような事情の中、海外を含む様々なチームでプレーできたことについて麻生選手は、「人とのつながり」のおかげと感謝している。かつて興味を持ってくれた監督からオファーを受けたり、受けたテストは不合格であっても監督のつながりで別のチームに所属できたことはその一部に過ぎない。

海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

北海道の若者よ、もっとチャレンジせよ

麻生選手は北海道出身選手として、プロサッカー選手を目指す北海道の若者たちのことを常に気にかけている。北海道出身のプロサッカー選手は全国的に比べても数少ないのが現状だ。「プロチームに入ることができなければ、地元のアマチュアチームに入って、地元北海道に収まってしまう」というのが麻生選手の見方だ。

これは道民の県民性が関係しているのではと麻生選手は推測する。「地元を離れたくないという気持ちは、良いところでもあり悪いところでもある。プロになりたいと言ってはいてもチャレンジして行動に移せていない人が多い」と分析している。その点、麻生選手は自分なりに夢に向かって努力を重ね、プロになるための方法を自分で調べて、実際に道外、そして海外でのプレーを実現させた。

そこで麻生選手は、北海道でもチャンスがあることを知ってほしいと、「CATCH THE DREAM」を今年始める予定でいる。これは、麻生選手の人とのつながりを生かし、海外でプレーしたい人を支援する取り組みだ。サッカー選手を目指す人が道外でテストを受けるにしても多額の費用が掛かる。海外でプレーしたいと思ってもどうすればよいかわからず行動に移せない。そんな人たちを支援し後押しするのが目的だ。

海外でプレーする数少ないGK-札幌出身のサッカー選手・麻生弘隆さん

また、「サッカー選手よりエンターテイナー」を目指し、自身の好きなアニメ、麻雀、舞台をサッカーと繋げる、ジャンルを超えた取り組みも進めていきたい、と意欲を見せる。麻生選手のファンになってくれた人が、サッカーだけでなくアニメや舞台に興味を持ってくれたり、逆にサッカーに興味を持ってくれたりするような関係性を望んでいるという。

「まず好きなことに取り組んで、いろんなことにチャレンジしていけば、必ず道は開けてくるので、どんどんチャレンジしていってほしい」。2016年1月、麻生選手は、北海道の若者たちも果敢に行動してほしいとの強い思いを残して、次のチームに所属するため再び北海道を旅立つ。
※一部写真本人提供

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