岩内伝統料理をアレンジ!!「伝統の漁師メシ・岩内鰊和次郎」デビュー

今回、岩内町で伝統料理の試食会があるとの報を受け、食いしん坊な私は即答で取材へ行く事を決意しました。取材の前に調べてみると、岩内町で昔から食べられて来た伝統ある料理を、若手達の手により掘り起こし、新たな観光の目玉にしようというものです。

伝統料理の復活という事だけではなく、未来へ向けての何かしらの挑戦を感じるのと、一番気になったのは「鰊和次郎(にしん わじろう)」という名前です。商品名なのだろうか、だとしたら何故に和次郎? 分からない事だらけなのが、好奇心をくすぐります。気を引き締めて、取材へ向かいました。

岩内鰊和次郎とは?

取材当日会場となる岩内町の温泉郷、円山エリアにある「いわない温泉高島旅館」へ着くと、岩内鰊総合研究所グルメ魚っチャーの櫛田泉さんと、高島旅館四代目の高島将人さんが出迎えてくれました。ご挨拶の後、早速一番気になっていた「鰊和次郎」についてお聞きしました。

櫛田さんの説明では、鰊はそのまま魚の種のニシン、和次郎は岩内の伝説の漁師の名前で、昔から地元で食べられて来た鰊を使った料理を発掘し、現代風にアレンジして、地域の伝統と共に食を発信していきたい、そのブランド名を「伝統の漁師メシ・岩内鰊和次郎」と付けました。今回試食する料理は、糠漬けにした鰊を使ったお茶漬けで、和次郎をはじめ地元の漁師達が食べていたお茶漬けをアレンジしたものとの事でした。

また、このブランドを研究開発していく「岩内鰊総合研究所」は、町内の若手経営者が中心となり立ち上げた機関で、「グルメ魚(うお)っチャー」と称する研究員が、地域伝統のグルメを掘り起こして世の中に広める活動を行っているとの事です。

慣れ親しんでいるだけに気づかない事も……

「まちおこし」の一つとしての挑戦という事について、高島さんとお話したところ、日本全国にはその土地ならではの物や、その土地に根ざした文化があり、もちろん北海道でも各地方、各町や村で、それぞれ大切に受け継がれて来たものがあります。地元の人は、慣れ親しんでいて当たり前のように思っている物でも、他県から観光で来た人等から見ると、珍しいと思える物があるもので、それに気づく事ができれば、チャンスは広がると思います。

岩内では昔、鰊漁で栄えた歴史がありますし、それに伴った現役の水産加工場も多く、古くから伝わる漁師メシというものを作っていく環境は整っています。これをどのようにアレンジし、どのように広めていくか、試行錯誤は続きますとの事でした。

試食と活発な意見交換

試食会には企画の発端である商工会議所の方をはじめ、岩内町役場、水産業関係、大学准教授、新聞社等、様々な業種の方が集まりました。まずは食べましょうということで、今回の料理が並びます。

大きな椀にはご飯の上に、糠漬けの鰊の切り身がのせられ、周りには色とりどりのトッピング。小鉢には小女子(コナゴ)と、好みで量を調整して頂く、鰊のミソと生姜の和え物。食べる際には、出汁をかけて頂きます。食べている最中は、皆何も語らず、さすがに真剣に味をみているといった雰囲気です。食後には和やかな雰囲気の中、それぞれの分野からの見解や、今後について活発な意見交換が行われました。

鰊の切り身は、それだけを食べると少し塩っぽい感じがしますが、お茶漬けとして食べる分にはちょうど良い塩加減に感じました。トッピングされている中では、シソの葉を細く刻んだものが入っており、味のアクセントとして「ハッ」とさせられます。鰊ミソ(岩内で販売中)と生姜の和え物は生姜の辛さも利いており、お茶漬に入れる事で、また違った味で楽しめる魔法の調味料と言った感じでしょうか。出汁は、薄い味付けなのですが、少し薫製のようなスモーキーな感じがしました。

味には訳がある。




食後、私が感じた事を、料理を担当された、高島旅館若頭の高島瑛人さんに伺いました。今回の鰊の切り身は、糠漬けの本漬けを使用しているため、塩味が濃いめでした。浅漬けも試しましたが、このお茶漬けですと、本漬けの方がより良かったとの事です。出汁は、鰹と昆布からとっているのですが、これも色々と手を加え、敢えて上品な感じではなく、漁師メシというイメージに合わせてスモーキーな味わいになっているようです。

今回の形までにした努力が感じられる味でした。まだこれからも味付けの調整は続けていくようですので、今後が楽しみです。あ、最後で申し訳ないですが、「大変、美味しかったです!」。

岩内鰊和次郎を発売前に食べられる!

今回頂きました「伝統の漁師メシ・岩内鰊和次郎」のお茶漬け、5月1日から、高島旅館に宿泊の予約をする際に、「岩内鰊和次郎を食べたい」と予約するとモニター価格800円で食べることができます。5月1日以降、既に宿泊予約をされた方でも、「食べたい」と予約すれば大丈夫。新たなグルメの立ち上げに協力する意味も込めて、岩内の漁師味を堪能してみては如何でしょう。

▼高島旅館若頭・高島瑛人氏、グルメ魚っチャー・櫛田泉氏、高島旅館四代目・高島将人氏

▼岩内鰊総合研究所
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▼いわない温泉 高島旅館
岩内郡岩内町字野束505
TEL:0135-61-2222 / FAX:0135-61-2223
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