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アイヌ文化の継承者ToyToyがトンコリと歌でアイヌ伝統曲とPOPSを融合

アイヌ文化の継承者ToyToyがトンコリと歌でアイヌ伝統曲とPOPSを融合

みなさんこんにちは。 オホーツク観光大使、ラウフェンCukaです。こちらの記事では、laufenが担当していたAir-G'(FM北海道)の番組「laufenのkita-note」で取材した模様を、文字と写真でリポートします。

<特別編ゲスト> アイヌミュージシャン&デザイナー・ToyToyさん(2016年5月12日放送)

―― laufenのkita-note、Cukaがお送りしています。 今日は北海道で活躍しているミュージシャンをゲストにお迎えしました。 札幌在住、アイヌミュージシャン&デザイナーのToyToyさんです。イランカラプテ!(Cuka)

ToyToy:イランカラプテ!

アイヌ文化の継承者ToyToyがトンコリと歌でアイヌ伝統曲とPOPSを融合

―― 10年ぶりのニューアルバム「ramu」~想う~ を5月11日にリリースされました、おめでとうございます!

ToyToy:イヤイライケレ! ありがとうございます。

▼アルバム「ramu」~想う~
アイヌ文化の継承者ToyToyがトンコリと歌でアイヌ伝統曲とPOPSを融合

―― このアルバムはどんな内容になっていますか?

ToyToy:僕が小さいころから見てきた北海道~アイヌのおじいちゃんおばあちゃんだったり、主に日高の方の景色なのですが、それについて日本語で書いて日本語で歌っています。 イメージしてもらえるような、心に残るような、そして先人たちを想い、未来に還すというアルバムになっているかなと思います。

―― 曲はいつ頃から作り始めたものでしょうか?

ToyToy:10年くらい前、僕は本当に人間のクズような生活をしていて、どう生きていいのかわからないような時期があったのですが、その時から書いていました。 とにかく言葉を書き留めないと死んでしまうのではないかというくらいの状況だったのですが、僕の中にいるおじいちゃんとおばあちゃんのことを何故か書いていました。 二人がいたときと今の違いにギャップを感じていて、何故二人の愛がこんなに薄くなっているんだろうとか、そんなネガティブさが抜けていない時ですね。

―― 書いてるうちに気持ちの変化はありましたか?

ToyToy:無いですね。逆に言うと出来てから変わりました。ネガティブに出来たものに対して、しっかり光を当てて人に伝わるように、残るようにしていかなければということで。 音楽を届けるというのもあるけど、押し付けではないけど言葉を届けるというのも必要かなというのもありました。

―― サウンド面で試行錯誤はありましたか?

ToyToy:試行錯誤だらけですね。 僕が目指していたのはトンコリというアイヌの楽器の音の余韻とさざ波、音が鳴っていないところも音楽であるというところです。 そこは聴いている人がイメージできるポジションなので。空間を音で埋め尽くすのではなくて、そういった部分をすごく大事にしました。 アルバム自体が、一本の映画のようになっているものを作りたかったんです。聴いている人が自由に絵を描けるようなものを、それが残るものを……それがramu(想う)だと思います。

―― 特にここを注目して聴いて欲しいという部分はありますか?

ToyToy:そうですね、意外と世界初という部分があります。 このアルバムは最初ムックリというアイヌの楽器だけで始まる、すなわちアイヌだけで始まるのですが、途中で日本の笛が入ってきて笛とトンコリだけになります。 こういうのって実は今まで無かった。そばにいるのに出会ってこなかったんです。 そして最後に日本の神楽、アイヌのトンコリ、沖縄の三線が戸惑いながらもまざり合ってゆっくりと消えていく……アルバムはそれで終わりなのですが、それが日本のDNA三つの共存の始まりなんです。 これって不思議に今まで無かったんです。

▼ムックリとトンコリ
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―― 最後の曲だけど、これが始まりなんですね。

ToyToy:ご先祖様も含めて楽しんでもらう、僕らだけじゃなくて姿無い人たちも楽しめる、あなたたちが残してくれたから今僕たちが演奏してちゃんと幸せになっていますよということ。 そしてそれを多くの人に届ける作業をさせていただいています。ありがとう、という笑顔の供養をしたいんですよ。音楽も供養だと思っていますので。

―― ToyToyさんはデザイナーとしても活躍されていて、ロイトン札幌では切り絵教室も開催されているんですね。

ToyToy:はい、アイヌ文様を使って色々販売させていただいていると、アイヌ文様に興味がある人に出会えるんです。 そういった人たちが学べる場所を作るのが僕らの義務だと思っていて、5年毎月行っています。 これはある意味僕らの挑戦でもあって、集客から何から全部自分たちでやっています。アイヌ文様を北海道の文様にしたい、そのためには多くの人が学べる場を作らなくてはいけないということなんです。

▼アイヌ文様切り絵教室・グラス
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―― 切り絵教室に参加される方は、どんな年代の方が多いのでしょうか?

ToyToy:保育園の子から、103歳の方まで幅広いです。 こういう人じゃなきゃだめということはないので、どんな方にでも参加していただきたいですね。

―― 興味のある方には参加していただきたいですね!

ToyToy:はい、そしてアイヌ文様は簡単そうに見えるけど実は奥が深いので、その基本の部分を2時間の中でしっかりと身体に入れていくんです。 アイヌ文様の基本は人を守る文様で、神様にお願いごとをしないので人が人を守ります。 うずまきの文様は悪い神様、それはインフルエンザなどの目に見えないもので、その目を回し、見つけてとげで刺したりします。 この文様にはシク(目)があって、しっかりと見ている。 作り手はその機能を果たすことができるように作るんです。 昔の人たちはそれを真剣に信じていた。だからこそ魂が入るんですね。

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―― 申し込みは、どこでできるのでしょうか?

ToyToy:ToyToy屋のホームページや、Facebookページから直接申し込んでください。 多くの人に学んでほしいので、お待ちしています。

―― ToyToyさんが考える北海道らしい音というのはどんなものですか?

ToyToy:僕の中ではやっぱりムックリですね。

―― ムックリを知らないという方も多いかもしれませんね。

ToyToy:今日は持ってきています。こんな音です。(ムックリの演奏中)

―― すごい綺麗な音がしますね!

ToyToy:一本の竹でしかないのですが、楽器といっても音階に縛られていないんです。 口をサウンドホールにするので楽器と一緒になるというか、身体も楽器になるという感じです。 川で川の神様とセッションしたり、森で木の神様とセッションしたり、海でセッションしたりとか、そういった時がとても楽しいですね。

―― これは口のどこで響いているんですか?

ToyToy:口の中の大きさを変えたり、吸ったり吐いたりで変えます。

―― 口の中でコントロールしているんですね、とても難しそうですね……。

ToyToy:口が痛いのと、最初は鳴らすのが難しいです。鳴るようになったら自由ですが、それまではムックリが何を言っているのかというのを体で理解するのに、ちょっと時間がかかるかもしれません。 毎日やっていれば鳴りますよ。

―― ToyToyさんの活動情報など詳しくはオフィシャルホームページやFacebookページでチェックしてください。 今日はこの時間、アイヌミュージシャン&デザイナーのToyToyさんにお話を伺いました、ありがとうございました!

ToyToy:イヤイライケレ!

ToyToy屋ホームページFacebookページ

※Air-G'(FM北海道)「laufenのkita-note」は、2014年4月から2016年6月まで、毎週木曜日19:30~19:55の間放送されていた番組です。

Cukaがボーカル担当の音楽プロジェクトlaufen: ウェブサイトFacebookページ

筆者について

ラウフェンくか

ラウフェンくか

2011年4月1日、札幌を中心に活動するlaufen・Cukaの故郷が世界自然遺産知床・斜里町であることから第14代オホーツク観光大使に任命された。2013年3月に連載スタートした「オホーツクまち発見!!旅紀行」では、オホーツク各地の魅力を発信する。