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141年の歴史に幕―すすきのの北海道最古の寿司店「東寿し」閉店

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札幌市中央区の歓楽街すすきので明治初期に創業し141年の歴史を誇る老舗寿司店「東寿し」(=あずまずし、札幌市中央区南4条西3丁目キタコーS4ビル7・8階)が2016年10月31日をもって閉店したことがわかった。

同店は、明治8年10月(1875年)初代竹原定吉氏が創業した。東京浅草の料理店生まれの定吉氏は、仙台を経て札幌に移住し、東京の文字を冠した「東壽司」を南3西1付近に開業。これが北海道で初めての寿司店だった。

創業当時の札幌は開拓が始まったばかりで、人口2000人ほどだったという。現在の創成川が開削されたのが1866年、開拓使が設置され札幌本府の建設が始まったのが1869年、薄野遊郭が誕生したのが1871年、札幌本道(札幌―函館間)や札樽国道(小樽―札幌間)が完成したのが1873年。創業年の1875年は琴似屯田兵が入植した年、札幌農学校(後の北海道大学)が札幌に移転してきた年にあたる。札幌市時計台、サッポロビール、札幌駅(手宮線)はまだ生まれていない。まさに札幌開拓の歴史とともに歩んできたといっても過言ではない。

東寿しは、戦時中は一時期千歳で仮営業していたこともあったが、戦後に札幌に戻り、1953年に現在の店名に変更し法人化した。1980年代には200名ほどを収容できる新館を新設し、国内最大規模の寿司専門店に成長した。2013年には自社ビルの東寿しビルを建て替えて、キタコーのビルに入居した。

141年の歴史に幕―すすきのの北海道最古の寿司店「東寿し」閉店

同店は、新鮮なネタと蝦夷前にぎりを売りとし、ランチから郷土料理、宴会料理に至るまで幅広く展開してきた。9種類の具を巻いた極太巻「北海太巻」は同店の名物として知られた。

長年、北海道最古の老舗寿司店として観光客はもちろん地元の接待等にも利用されてきたが、2016年11月1日に同店を運営する株式会社東寿し(七代目冨永裕美社長)は札幌地裁より破産開始決定を受けた。札幌から歴史を持つ老舗店がまた一つ消えることになった。

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