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この夏は札幌でクラシックを楽しもう!札幌の夏の風物詩「PMF」入門

石簾マサ
Written by 石簾マサ

今や札幌の夏の風物詩と言っても過言ではない「パシフィック・ミュージック・フェスティバル」。札幌市民にとっては、もしかすると「PMF」という略称の方が親しみ深いかもしれません。

「確かにPMFってよく聞くけど、クラシック音楽なんてよく知らないし、自分には縁がないことだなぁ」と思ってるそこのあなた! PMFこそ気軽に、楽しく、しかも場合によっては無料で、クラシック音楽に触れることのできるチャンスなのです。まずはその成り立ちからひも解いていきましょう。(トップ写真:札幌コンサートホールKitara(写真提供:PMF組織委員会))

創設者は、あの世界的音楽家!

PMFが始まったのは1990年。きっかけとなったのは、20世紀を代表するアメリカ人作曲家・指揮者のレナード・バーンスタイン氏です。ミュージカル「ウエストサイド・ストーリー」の作曲家としても知られるバーンスタイン氏は、平和のためには音楽が不可欠だという考えの持ち主でした。さらに晩年には、若手音楽家の育成にも力を注いでいました。そんなバーンスタイン氏にとって、国際教育音楽祭と銘打ったPMFは、まさに人生の集大成とも言うべき一大プロジェクトだったのです。

▼レナード・バーンスタイン氏(写真提供:PMF組織委員会)
この夏は札幌でクラシックを楽しもう!札幌の夏の風物詩「PMF」入門

実は札幌市は、PMFの舞台として最初から選ばれていたわけではありません。最初はアジアの若手音楽家を育てるためのプロジェクトとして、北京で開催される予定でした。ところが1989年に起きた天安門事件により、それが困難に。ならば日本で、と白羽の矢が立ったのが、札幌でした。

PMFを開催するにあたり、バーンスタイン氏は野外でのコンサートを望んでいたため、PMFは6~7月の開催を予定していました。そこで、梅雨のない北海道の気候が注目され、また、ちょうど南区に札幌芸術の森が建設中だったこともあり、札幌市で開催されることが決定しました。こうして、いよいよPMFはスタートを切ったのです。

若手音楽家たちのドラマがそこに

PMFは音楽祭でありながら、教育・育成という大きな役割も担っています。参加するのは、世界各地で行われるオーディションで選抜された気鋭のアカデミー生たち。まさにPMFの主役です。彼らは約1ヵ月間にわたって世界トップクラスの音楽家たちから直接指導を受けます。記念すべき第1回目では、創設者であるレナード・バーンスタイン氏自らが来札し、71歳とは思えない情熱でタクトを振りました。

難関を突破してアカデミー生に選ばれる若き音楽家たちですが、他のアカデミー生のレベルの高さに圧倒される人や、逆に触発されてさらにやる気を出す人など、さまざまです。なんと過去には、ヴァイオリンの高嶋ちさ子さんがアカデミー生として参加していたり、当時7歳の五嶋龍さんがソリストとしてデビューしていたり! ちなみに、五嶋龍さんが出演していた時に指揮者を務めたのが、バーンスタイン氏最後の弟子である佐渡裕さんでした。

楽しみ方も人それぞれ

さて、PMFに少し興味が沸いてきた!、というあなた。まずは無料コンサートから参加してみましょう。公園など、ホール以外の場所で行われるコンサートには、誰でも無料で参加できるものがあります。たとえば、2017年7月8日(土)に芸術の森にて無料で開催される「PMF2017オープニング・コンサート」は、何歳のお子さまでも参加できます。

また、PMFで忘れてはならないのが「ピクニックコンサート」でしょう。こちらは有料(中学生以下芝生席無料)ですが、食事や飲み物を持ち込んで、芝生に寝転びながら演奏を楽しむことができる、まさにPMFの伝統とも言うべきコンサートなのです。

また、少し違った面白さを追求したいなら「オープンリハーサル」を観賞するのもオススメです。アカデミー生たちが普段着で真剣にリハーサルに取り組む様子は、とても貴重な光景。本番とはまたひと味違う緊張感に満ちています。

▼牧歌的な雰囲気のピクニックコンサート(写真提供:PMF組織委員会)
この夏は札幌でクラシックを楽しもう!札幌の夏の風物詩「PMF」入門

27年という歴史の中で、PMFは多くの音楽家を育ててきました。それはまさに、創設者であるレナード・バーンスタイン氏の遺志であり、このプロジェクトにずっと息づいている精神でもあります。そして、札幌市民をはじめとする聴衆もまた、PMFによって音楽を聴く耳、音楽に親しむ心を育てられてきたのかもしれません。

クラシック音楽だからといって形式ばるのではなく、自分なりの楽しみ方を見つけてみる。その第一歩を踏み出すために、PMFは大きな扉を開いて待ってくれているのです。

クラシック音楽初心者の方もPMFを楽しむための基本情報「はじめてのPMF」はこちら

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筆者について

石簾マサ

石簾マサ

すべてのしがらみを捨て札幌で永住するぞ……と移住してきた50代のおっさんライター。札幌楽し~い。移住者が見た札幌の楽しさ・良さを伝えていければ……と思っております。【編集部専属ライター】