小樽の「石原裕次郎記念館」が見納め―今年閉館する3つの理由とは

小樽にある「石原裕次郎記念館」が今年(2017年)8月31日に閉館することになりました。昭和の大スター石原裕次郎さんが亡くなったのが1987年のこと、その4年後の1991年にオープンした「石原裕次郎記念館」。約26年が過ぎた今、なぜ閉館されることになったのか、その理由について伺ってきました。

古き良き昭和がたっぷり詰まった記念館

石原裕次郎さんは、海運会社に勤めていた父親の転勤で3歳から9歳までの6年間を小樽市で過ごしました。石原さんにとって第2の故郷だということ、石原さんというと「海」「ヨット」というイメージが強く、小樽に海があったことも、記念館がこの場所にできた理由なのだそうです。もちろん記念館は、海の前、小樽港マリーナを見渡せる場所に建っています。

▼記念館に入るとテレビドラマ「西部警察」で使用された車が展示されています

記念館には、石原さんが出演した作品や発売されたレコードの数々、出演したテレビドラマで使用した車や機材、趣味の車やヨット、プライベートで着ていた服など、石原さんに関する思い出の品々がたくさん展示されています。昭和の時代を「裕ちゃん」と共に歩んだ人なら、きっと懐かしく感じることでしょう。

▼石原裕次郎さんの愛したメルセデス・ベンツ300SL

▼プライベートで着ていた服なども数多く展示されています

閉館せざるを得ない3つの理由

この記念館には開館時から昨年(2016年)7月までに約1,800万人が訪れました。観光バスも立ち寄る人気スポットがなぜ閉館しなければならなくなったのでしょうか?

それには3つの理由があります。1つ目は、石原裕次郎を知っている世代が減り、来場者が減ってきたことです。

2つ目は、開館して26年経つため、施設が老朽化してきたことです。ライフラインの老朽化による水漏れ、外壁のひび割れ、機器の寿命などがあること。また、交換部品の生産が終了していたり、修理部品の製造が中止していたりして修理もできない状況になってしまったことです。

最後に3つめが映像機器の新旧交代です。ブラウン管から液晶画面へ移り変わり、館内のいろいろな場所で映像を見せていた記念館では、すべての映像機器の交換を余儀なくされましたが、それも予算的に難しいということで閉館が決まったのです。

▼水漏れによる天井のシミ

▼建物外壁のひび割れから落下の危険性

▼数多く展示されたブラウン管を液晶に変更するのは困難

記念館に飾られる約2万点の展示品のほとんどは東京都世田谷区にある自宅に戻されます。また、一部を小樽市に寄贈することも検討中です。自宅に戻した展示品は、イベントなどがあれば貸し出しをすることを考えてはいるそうですが、今後のことはまだ未確定のことが多いといいます。

もしかすると今後一切見られなくなるかもしれない石原裕次郎さんの記念の数々。昭和の大スターの足跡をもう一度目に焼き付けるためにも、この機会に記念館を訪れてみてはいかがでしょうか。

石原裕次郎記念館フォトギャラリー




株式会社石原インターナショナル石原裕次郎記念館
所在地:小樽市築港5番10号
電話:0134-34-1188
営業時間:1月~5月 9時~17時、6月7月8月 9時~18時(※展示室への入場受付は営業終了の1時間前)
入場料金:大人(高校生以上)1,500円、小人(小・中学生)300円
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